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第六話

この小説は

ある程度の世界観とストーリーとキャラクター設定と…ノリでできています。

春の陽気にあてられて、俺は授業中、ふぁっとあくびをする。

――眠いなぁ

高校生となって、すでに三ヶ月くらいだろうか、春は眠気をさそい、最初はドキドキしていた授業も、もはやどうでも良い。


帰ったら何をしよう。

アイツらと遊ぼうかな?

後で聞こうかな












なーんて考えていた前世











そして今、俺はトラックで全力疾走をしている。

――文の脈絡のなさなど今は意味がない。

というか何故こんなことになっているのは本人ですら知らない。


そして今先ほど、全力疾走をしたといったが、3mしか動いていない。





わぁい3メートルも動いたよ!

わーいこれなら速いね!






――一時間かけて3メートルだけどね。







「…うふふふふふふふ。」


「いっちゃんどうしたの?おかーさんの愛が足りなくなっちゃった?」


「いやむしろ多すぎてオーバーヒートしてます。」


さて、俺はいつになったら帰れるのだろう?

そんなことを考えながらも必死で引いていく。







――もう三時間は経っただろうか。

途中から動かすスピードが増えてきたということは、たぶん体が効率のいい方法を自動的に導き出したのだろう。

それでも時速5メートル、亀でももっと速いさ。


「おなかが減ったなぁ…」


そういえばご飯ってどうするんだろう?

そう思ったら目の前に母さんが現れた。

――木の葉を撒き散らして。


「忍者かっ!?」


「うん。」


「頷きやがった!?」


突っ込みとリアクションを連続でとるのは、疲労した体にもキツイ。

でもなぜか体が動いてしまう。――なんだこれは、俺はギャグ体質なのか?。

そんなことを考えていれば、母さんが器を差し出してくる。


「おかえりなさい♪、先にご飯食べる?それとも私?それともわ・た・し?」


「ご飯で。」


「あ、間違えたわ。先に私食べる?それとも私?それともわ・た・し?」


「卑猥な上俺に拒否権がないっ!?」


「冗談よ、帰ってきてからにするわ。」


「あぁ、うん、いただき、って帰ったらするのかよぉ!?」


「ご飯を食べるときはちゃんと最初の挨拶をするのが礼儀ってものでしょー?」


「いや、たしかにそうだね、うん、いたきます。うん――じゃ、とりあえずツッコもうか。」


「じゃ私は翻訳の仕事があるからっ!」


「いや待ってうん、待ってくださいっ!」


「待つというものの代償は、一時間おもちゃにされることです。」


「うん、お断り。」


いや、一時しのぎだとはわかっているけど、この逃げられない状況でやられるのとは精神的なものに違いがあるんだよ。――結局は変わらないって?うん、わかってる。













――五日後


「…」


すでに目は虚ろ、というか死んでいる。

精神的にヤバイ、山の終了がわからないせいかもしれないが、おそらく何百メートルかは進んだと思う、だけど山というものはいくらいっても景色が変わることはなく

背の高い木々たちが気分転換に景色をみることさえも拒否している。


たまに、風で飛ばされてきたのだろう紙切れをみるのだが、何語かわからない。

削れてるとかそういうことじゃないんだ。

――何語か、わからないんだ。


ぜぇぜぇと息を吸って吐き出してを繰り返して、みると丘が見えた。その光に妙に嬉しさがこみ上げる。

ラストスパートのように全力疾走して、そして到着。

見ればそこは巨大な高原だった。


「――外国?」


秋の色に染まっているその高原をみながら、視界の奥に大きな建物があることに気づく。

それを見ようとグッと目に力をいれる。

――瞬間的に視界がクリアになった。

そこにあったのは城。


「城ォ!?」


外国で城があるところってどこだろうか?

わからないな、古城というものなのだろうか?

だがいまでも使われているような気配がある。

誰か、みえないか?

そう思って目に力をさらに入れると、さらにクリアになっていく。


「人が――いる。」


メイド服を着た少女たちが駆け回っている。

――メイド服なんてメイドカフェの『偽・メイド服』くらいしか知らない。


「はぁ…ここはどこなんだ?」


それを知る手がかりは母しかいない。

といっても母はこれが終わるまで話すことはないだろう。

幾度としてきいたけど、答えてはくれなかった。


「ハァ…」


溜息をつく、背中には哀愁が漂っているだろう。


その時だった。

何か音が聞こえて、周りを見回す。


「だ、誰かいるんですかー?母さんだったり?」


そう言って、音がした方向をみてみると













――クマがいた。










「…ふむ、クマかァ…うん、クマクマ…クマーッ!」


意味のわからないことを叫び、全力逃走を開始する。――だってクマだよ?





ねぇねぇどんな気持ち?

ねえ、どんな気持ち?





「何か幻聴が聞こえたけどそっちのクマじゃない!逃げなきゃ!」


ダッ(走り出す音)

グイッ(ロープが限界長さまでいったことでひっぱられる音)

ズザザザザ(そのままこける音)


「うるヴぃあああああああああああああ!(意味不明な叫び)」





クマから逃げようとしたらトラックに繋がれてる今

ねぇねぇどんな気持ち?

ねえ、どんな気持ち?





うん、最悪だよ!






熊はこっちへ向かってくる。


「武器はぁ!武器はおるかー!おぉおるではないか、トラックが!って使えるかボケ!」


頭が変になっているということはよくわかった。

さて、どうすればいい!もうトラックか!?


「どっせーい!」


浮いた。…それ以上はあげられない。

その感に熊はやってくる。

――腕を振り上げて、飛び掛ってくる。






――死ぬのか?

あぁ死ぬのか?

死ぬ?死ぬのかなぁ?

死ぬんじゃ――死ぬわけがない。


「死んでたまるかァァ!」


その時だった。

力が、あふれ出てきたのは。


「この感覚…いける!」


トラックを持ち上げる。踏ん張り続けて、頭上へと持ち上げる。


「トラックだっ!」


――振り落とすッ!

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