第十二話
どうせだから
オリジナルオンラインゲーム
↓
異世界(キャラクター設定そのまま)
というオリジナル小説を書き始めた結果、メモ帳でとりあえず保存しておくことに決めた。
――ココに置こうかな?と思ったけどやめることにした。
――はじまりがシリアスっぽくっていうものができなかったし
机を叩けば鈍い音。
そして練りだすは、覇気。
さぁいこう、母さん。
俺の全てを叩きつけてやろう!
いくぞッ!母さんッ!
「というわけで俺は絶対に母さんについて聞くまでは絶対に部屋からでないからっ!」
何かほほえましいものをみる目をされた。
「ま、教えてもいいんだけどね。」
そして俺はその言葉に思わず芸人のごとくこけた。
「っていいのかよぉぉ!?」
「ま、隠すことじゃなーいしー、いつか実感することなの。」
「えぇーなんだろう今までの意図的にその話題は避けられていた感じがするのは。」
「うーん、できれば『その時』まで知って欲しくなかったっていうか。」
「へ?なんで?」
そう言えば、母さんはちょっと考え込んで、ふぅっと息を吐く。
「ま、いいさ。」
その言葉に適当だなぁという感想を抱いたが口にすることはない、教えてくれるっていうんだから機嫌を損ねるわけには行かない。
今は聞くことのみを目標として言葉を動かしていくべきだ。
「じゃ、教えて。」
「えっとね…うん、私ってば異世界の人間なの。」
――What?
I SE KA I ?
いやまてこう考えろ。
『俺ってそもそも転生者なんだから、異世界ぐらいあってもよくないか?』と。
というか母さんと俺、どっちとも同レベルの不思議パワーを秘めているだろう。
「そして魔法少女だったの。」
――あれ?なんか複雑だ。
フリフリな服きて、『魔法少女春子!』って感じか?
いや、名前が普通すぎてまったくつりあいがとれてないだろ。
いや、その前に『魔力』を使えよ、『勇気』とかじゃなくて
いやもしかして『勇気』というものは『魔力』の別称的なもので、『勇気=魔力』ってな感じか?
「そして今も魔法少女なの。」
「年を考えろろろろ!?」
ツッコミをいれようとすれば、目の前に剣が突き刺さる。――一歩間違えれば死んでましたよ母さん。
驚きのあまりへんな声をあげてしまったじゃないか。
「まぁ、冗談なんだけど。でも今も少女ってのは本当ね。」
たしかに少女だな。――胸がまったくないtなんでもないですごめんなさい。
指と指の間に刃物を挟んでいつでも投げられる体制にしないでください。
「おかーさんの愛が欲しい?」
もはやその言葉が脅迫でしかありませんお母様。
「ま、冗談なんだけどね。」
――今までのはなんだったんだろう。
「母さん、真面目にしてよぉ。」
「いっちゃんがお母さんとお風呂をいっしょにはいってくれたらいいかな?」
「いや別にいいけどさ。」
言っておくが、前世を引きだして、『ロリコンッロリコンッ』という脳内の俺がいるが、それを押し殺す。
「じゅるっ…女の体ってものを教えてあげるわ…」
「いや、そんな体系じゃなんでもないです。」
「うん、いっちゃんはいい子だよね?『ね?』」
「は…はひ…で、ででででは、よろしくです。」
「いっちゃん、どのくらいおいしくなったかな☆」
――最近あの熊よりも母さんの方が怖いんだな、って良くわかった。
母さんはあれだ、中学生になってもあんなことやるならもう犯罪だ、ただでさえ思春期にやられたら…
「ロリコンって言われても仕方ないかもしれない…」
「うん、いっちゃん、とりあえずアナタを今から愛すわ。主に半日。」
ダッ(走り出す音)
ガッ(掴まれた音)
ドサッ(引きずり倒される音)
「おいしくなぁ~れ☆」
「いやあああああああああ!」
ツルツルテカテカと光る母さんはスルーする方向で、死んだ目をした俺はなんとか精神を戻し、母さんにきいた。
「なんというか、断線しまくりましたが教えてください。」
「うん、とりあえず私異世界人、それはOK?」
「あ、うん、わかった。」
もう転生人なんて俺がいるから、異世界なんてごまんとあっても不思議には思わないほうがいいと判断した。
「で、私お姫様なの。」
「――母さん、ちょっと精神科医にいこうか。」
「いまいっちゃんが普段私のことをどう思っているかよーくわかった気がするわ。おかーさんタイムは今までの二倍激しくするわ。」
「今よりさらにやらないで!?」
これ以上やったらおそらく死ぬ(精神的な意味で&世間的な意味で)
「大丈夫、怖いのは一瞬だけだから、あとは少しガマンすればちょっとずつ良くなってくるから。」
「ちょっとずつ変態になるよ!?」
まったく、母さんに弄られて良くなるなんて変態でしかないじゃないか。
――自分の力とか変態レベルだけど、それはスルーしていよう。
「脱線はやめて率直にいうとお姫様『だったの』で異世界へと来たの?」
「なんで?」
「魔王っぽいものに滅ぼされたのよ、国が。」
…うんやっぱり精神科に行くべきかもしれない。
「うん、いっちゃん?子機なんかとりだして。番号を押そうとすれば『その指ごと愛すわ』」
「もうすでにそれ脅迫だよね、母さん。」
「溺愛してるからこそできる芸当なのよ。」
うれしくない、うれしくないよ母さん。
「ま、それはいいのよ。」
「うん、まぁどうでもいいね。」
利害の一致、ちょっと違うかもしれないけど、とりあえず今までの話題はスルーすることにした。
「とりあえず滅ぼされて逃げ回ったら異世界っぽいものにいけたわけよ。扉っぽいものを開けたわけ。」
「うん、そうなんだ。すごいすごい。」
「わが子ながら腹が立つの。でもおいしそうだから許しちゃう。」
うん、無邪気に答えよう。母が怖い。
「で、逃げて――お父さんに出会って――結婚したの。」
「戸籍とかは?」
「大丈夫、裏の人間脅迫すればけっこうできるの。」
「うん、聞きたくなかった。」
「で、あなたが生まれた…っと。」
うん、うん…で、とりあえず聞きたい。
「母さんでも倒せないなんてどんな化け物だよ。」
「いや、はっきりいっちゃえばその時私弱かったし。」
「じゃあ今いけばいいじゃないか。」
「…子がいるのに、死ぬかもしれない場所にいく親がいますか、まったく。」
…愛されてるなぁ、俺。
なんていうか、うん、痛いし重いけど。
「じゃ、俺がいく。」
「それは止めはしないわ。結局自由奔放に生きてもらうから。自分で決断して、自分で行動する。それができるからこそ大人なのよ。失敗を恐れないで、失敗からさらに高みを目指す。失敗は成功の母、そして失敗から学ぶのも人生で必要なのよ。…ま、何も説明しないで『やれ!』っていったって、その失敗は成功にもならないけどね。それを上手くするのが大人の役目かなぁ。」
「うん、ちゃんと大人やってるようで安心した。」
「ぷっ…いっちゃんにそういわれちゃあ御終いね、お母さん。」
そういって笑った母さんの顔は、嬉しそうだけど悲しそうだった。
――その顔で、充分本当だってわかったよ、母さん。
だから