第十話
ひとつ聞きたいんですが
幼稚園って
年少
年中
年長の三つですよね?
記憶が曖昧なのですが…
少年漫画という言葉を入れようとしたら野菜王子を思い出してしまった。
GTは邪道ですか?
年が過ぎ、学年といっていいのかはわからないが、年中組となりました。
組はチューリップ組。
一年というものは意外にも速く、光陰矢のごとしということわざを思い出せばたしかにそうだと思うばかりです。
――どんな始まりをしているんだ俺は
まさしく現実逃避を開始している。
「はぁっ!」
「ひでぶっ!」
今やっているのは空手。柔道もやってはいるが、やることを追加してもらった。
空手、空手だ。
柔道は負けるたびに寝技をかけられてはいたが、今度は何をするのだろう、などと思って聞いてみれば、差し出された数字は『1』
『いっちゃんが私の攻撃をくらったらおかーさんタイムを一分追加しますっ』
という言葉を母が仰られ、『一分程度か、甘いぞ母さん!』などと思っていたのは今となっては後悔しかない。
昨日は127本とられた。
――二時間七分
その数字はあまりにも大きく。頬をひくひくさせながら舌なめずりをしてやってくる母親に恐怖した。
最初は良かったんだ。
『ちゃんとした形でやらなきゃ、それで戦い方を体が作っちゃう、だから最初は基本的動作だよ!』
といって、最初は空手の基本的な技をひたすら一週間繰り返され続けたわけだけれど。
組み手が始まってしまえばあちらのもの
ぽんぽん撃たれ続け、挙句の果てには100を越え、じゅるりじゅるりと舌なめずりする母さんは最早自重という言葉を知らず。
「ひでぶっ」「あでぶっ」「まげろっ」「らりばっ」「あべしっ」「おどぅるっ」という叫びを上げながら母さんの攻撃を受け続け疲れ痛む体に『おかーさんタイム』を開始する。
――トラウマがまたひとつ追加された!
そんな機械音が鳴った気がするが、ただ言いたい、嬉しくない、嬉しくないよ。
もう、幼稚園での雪が癒しだということは決定事項になりそうだ。
――そして疲れた体を引きずりながら布団へと入り睡眠へとはいる。
――そして岩山にいた。
「またこの展開かよ!?」
「あ、おきたんだねいっちゃん!」
「またその台詞かよ!そしてまた縄にくくりつけられてるのかよ!?なんでくくりつけられてるの!?」
「フフフ、いっちゃん、今日は岩をぶち抜いてもらうよ。」
「いい加減ここはどこだか教えてよ!」
「くくりつけてるのはあまり出歩かれちゃ、またあのときみたいに襲われたときに対処が遅れたりすると困るからだよ!」
――あ、ダメだ、このパターン…絶対に話がかみ合わない。
『ここはどこ?』という質問についての返答は諦めることにした。とりあえず母さんのやらせたいことを聞いておこう。
「で、ぶち抜くってどういうことさ。」
「こ・れ♪」
そうやって片手で持ってきた岩は、二メートルはあるかと思われる大岩。
岩をぶち抜く岩に困らないための岩山らしい。
俺はその岩の目の前で力を入れて、突きをする。
鈍い音がなって岩がバラバラとなる。拳がさすがにじんじんと痛む。
「ぶち抜いたけど。」
「それは、『ぶっ壊した』っていうの。ぶち抜くことが大切なの。」
「…わかんないなァ…」
「一点集中にして、突き抜く、その上にして拳を強くする。それがこの修行!」
よくわかんないけど、わかった。
強くなればいいんだな!。
「よっし!もうやけくそで頑張るぞ!」
もうココはどこだとか無意味だと知った!
母さんに何をいっても返って来ないのは明白!
さぁやってやる!
「母さん、じゃあやるよ!」
「さすが私のいっちゃんだ!じゃあはい!」
「…なにこれ。」
渡されたのは――鉄の輪。
「ひとつトラック一台分それを四つつけて一人前」
何に対して一人前になるの!?
「か、母さん?さすがにキツイんじゃない?」
「キツイことをひたすらやることが強くなることなのよ。どこぞの少年漫画の野菜みたいな名前の王子様だって努力して強くなったんだから。」
「ブルーツ波とかいうの使ってるじゃないか!」
「いっちゃん、これ以上言うと丸一日おかーさんタイムよ。」
「ごめんなさい、ゆるしてくださいッ!」
――そして俺の修行は始まった!
「いまさらだけどこの鉄の輪って何でできてるの?」
「おかーさんの愛だよ!」
重いということだけはあってる気がする。
この小説がはっちゃけすぎて
もうひとつの暗い小説が書けないんですよね…
心をスイッチを入れるように切り替えられるわけでもないし…
そもそもその小説のデータ消えちゃって再構成しなきゃいけないし…
うん、とりあえず異世界編くらいまでいったら更新をちょっと遅らせます。
楽しみにしてくれる人がいたらすいません。