第九話
はっきり言おう!15話で異世界入りとかいう予定を作っていたら、これはもう50くらいいくんじゃないかと!
「「「ハッピーバースディー!」」」
そういってパンパンッという破裂音の後、頭に紙がのり、火薬の臭いがする。
――そう、誕生日だ。
そこにいたのは、おそらくはじめてきたであろう雪と、何故かいる由梨と紅
「はっ、私に祝われることを失神するぐらい歓喜することね。」
「さて、ケーキでも切ろうか。」
プルプルと震え始めた少女は無視をしよう。なにか面白くなってきた。
Sと刻み込まれた扉が開く音がしたきがする。
「あ゛ァァァァ!なんで無視するのよォォォ!」
「雪と紅さんと、母さんと俺…四等分だったかな?」
フルフルと震えながら泣きそうだったのでさすがにやりすぎだと思い、フォロー使用と思う。
すぐに五等分をして、顔を伏せている由梨にケーキをのせた皿をコツンッと当てる。
「な、なによっ…あ…」
「ほれ食えよ。」
「コ…コレで勝ったと思わないでよね!」
そうやってフォークを手にとってもきゅもきゅとケーキを食べ始める姿に、なんか和んだ。
――ハッ!?これが萌えというやつか!?
とか思ったけれど、首を左右にブンブン振って忘れることにした。
「いやぁ、樹くんは由梨の扱いが上手いねぇ」
「ちょ、兄さんッ!?こんなやつになんてことをいうのよ!」
顔を真っ赤にして、ポニーテールでまとまった髪を大きく振って扉を叩く由梨。
それでもケーキを食べるフォークはとめることはない、気に入ったようだ。
「ケーキ、おいしいか?」
「え?うんっ……べ、別にまぁまぁね!」
いい笑顔で頷き、途中でハッとする。すぐに顔を赤くしてそっぽを向くその姿ははっきり言おう、きゅんきゅんした。
コイツといると俺が変態になる気がする、どうしよう。
「いっちゃんがぁ…いっちゃんが女の子をつれてきたよぉ…渡しはしないわ…」
そしてさっきからその言葉を吐いている母親をどうしよう。
誕生日プレゼント、それは落胆があろうとも隠し続けなければならない人としての価値が試される場所…そんなことをいってしまえば誕生日がやりたくなくなる。
「いっちゃんこれー!」
雪から手渡されたのは手帳だった。なんて渋いチョイス。
「いっちゃんのすきなものってよくわかんないから、いつもつかえるやつにしたよ!」
「そうか、ありがとうな。」
そういって頭をなでるとエヘヘと笑う雪、そしてハンカチを噛んで恨めしそうにしている母。
うん、幻覚だと思うことにしよう。
まぁ手帳はいいな、趣味なんてないに等しい
音楽鑑賞が前世は好きだったが、今は別に好きといえない。
――転生前と後の違いっていうのは結構でてるんだな。
「ふんっ、私からはこれよ、喜びすぎて気が狂って精神科に行くことになるくらい喜びなさい。」
「(結構レパートリー多いのかな?)あぁ、ありがとな。」
そういって渡されて、箱の包みを開く。
――なんだこれ?
「戦隊もののロボットだね。」
紅さんがそう横から口をだしてくる。
――たしかにこの年齢ならば戦隊ものが好きだと思われても仕方ないけど、そんな趣味はない。
「ありがとなっ!」
とりあえず、にぱぁっとした笑顔をして感謝をつげる。
「由梨はお年玉全部使って買ったんだよ。」
「ばっバカ兄貴っ!ふ…ふんっ、べ、べつにそんなことはないのよ、お年玉の、そう!一部なのよ!」
「13800円が一部なのかい?たしかおばあちゃんから――むぐっ」
「言うなバカーッ!」
――ひどくがんばってくれたようだ。
由梨の誕生日にはとびっきりのもの買ってやらなきゃ。
「で、う、うれしい?」
「うん、うれしいよ!結構好きだからね!」
「そ、そう?ハヤトくん最高だよね!」
「そ、そうだね!」
その後由梨が何かわけのわからないことを話し始めるのを無理やり推しとどめて、紅さんからプレゼントを貰う。
――箱
「あぁ、あけちゃだめだからね?」
「え?なぜですか?」
そういうと、紅さんは小さく俺だけに聞こえる程度でいった。
「このロボットの戦隊もののDVDなのさ、戦隊ものを見そうな気がしないからね。すきでも喜ばれるし」
「…ありがとうございます。」
たしかこの人まだ幼稚園児だよな?すごいよな?
そして最後に――母さん。
その手には大きな剣を持っていた。
「勇者の剣っぽいね…」
「勇者の剣よ?」
手渡されて、もってみる。
――重い、トラック一台よりはちょっと軽いけど。
洗礼されたフォルム、神々しい剣だった。
「ぐ…ぐぅっ。」
大丈夫、大丈夫だ…
もてるッ!
『勇気』を発動してもってみる。
なんで渡されたんだろう?
「ついでにコレをポチッとやれば腕輪に。」
「どういう原理だ…」
「これを毎日もっててね、ついでに腕輪になっても重さは変わらないから。」
――修行ですか。
そう思って母さんをみると、頷かれる。
「あぁ、同年代の子がおふざけでも触らせないようにしようね。間違ってでも抜き取れば大惨事だから。」
『これなんだよ樹-』
↓
『よしとったぜってあぎゃぁっ!」
↓
そして肉塊に――
「うん、本気で死守するよ。」
「うんうん、それこそ私のいっちゃんだ。」
そういって笑う母さんを見ながら、誕生会は終盤へといった――
12月の、寒い時期のことだった。