1.少年編①絶望
当方仕事の合間に書かせていただいてます
漫画の場面を想像しながら書いております
偉人については諸説あります
少年編が終わり次第青年編を書く予定です
世界に恐怖を与えた
人類最初にして最後の魔術師アスタ
彼は世界を憎み混沌の世をつくりだした
世界は限られた資源を奪い合うようになり
国々は戦火にさらされ疲弊していった
魔術師アスタは現在でも生存されていると
世界中で噂されていた
何故なら海面は毎年少しずつではあるが
上がっていたので呪いがまだ続いているのではないか?との見解だ
それからいく年の時が過ぎ
300以上あった国々は9ヶ国になり
9ヶ国の中心地にあるフジという
領地を巡り戦争は過熱していく
ある日フジの北東にある地質を
調査していたメリゴ国は
ある1枚のコインを見つける
調査の中で発見されたこのコインは
ある力を有していた
そのコインを軍事転用したメリゴ国は
世界の均衡を崩し他国へ進軍し
4ヶ国を飲み込みメリゴ帝国と名を変え
フジの領地を占領しようと
世界に覇を唱えた
あまりの戦力の違いに他の4ヶ国は
メリゴ国の兵士の死体から
コインと腕輪によって
異能の力を行使している事を突き止める
メリゴ国の力に対抗すべく
自国の調査に乗り出し世界各地で
コインが出土する事になった
各国は独自にコインの力を引き出し
軍事転用しつつメリゴ帝国以外の4ヶ国が同盟を結ぶ形で戦線を押し返した
メリゴ帝国は併合した
元他国の反乱などでも戦力を
割くことになり
自国の平定に力を割かねばならない
その隙に4ヶ国はフジの領地に攻め入り
領有権を主張する事になる
フジの領地でのメリゴ帝国対4ヶ国との戦いは熾烈を極め
メリゴ帝国は劣勢になりフジの領地からも撤退する可能性が出てきた
時の皇帝であったトランクは他の4ヶ国に講和を提案し停戦に持ち込む事に成功
しかし講和条件がメリゴ帝国にとっては
いささか厳しいものになったが
廃国になるよりはいいとの事で
折り合いがつく事になる
⭐︎講和条項⭐︎
①停戦は10年毎に更新すること
更新しない国が1ヶ国でもあれば終了
停戦期間に他国へ攻め入った場合
停戦を破った国を他の4ヶ国で攻撃し
廃国になるまで続く
②カトカラ.カトブリチ.カトパマ.カトの
旧国はメリゴ国の領国になる
フジの領地は5ヶ国が1km × 1kmで
湊を作り開発しても良い
中心部に都市を5ヶ国の出資にて作る
③湊から10kmまでは領有とし
探索や調査をしても良い
それ以外の領地の資源は5ヶ国の
協議にて翌年から2年独占できる事
④コインを有するものは力を
一般市民へ使用してはならない
あくまで自衛の為にしか許可しない
罪を犯したものはしかるべき
沙汰がある
メリゴ帝国しかフジに領地がなかったが
4ヶ国にも領地を作られてしまう
形になってしまうが自国の反乱や
再編を優先したいメリゴ帝国側は
この講和条項をのんだ
こうして世界はカト地方4ヶ国の
廃国という犠牲の上に
10年という平和を築いたのだった
それから14年...
1人の少年の運命が動き出す
城壁の側で子供達が4人の少年を
囲うように集まっている
2対2に分かれ何か戦っている
少年は木で作った腕輪に石を擦り付け
声高らかに唱えた
少A「カモン!ナポレオン・ボナパルト」
すると隣りの少年が剣に見立てた棒を
体の前で構える
相対する少年も腕輪に石を擦り付け
唱えた
少B「カモン!チンギス・ハン」
隣りの少年が構える
4人は入り乱れて戦っている
囲っている子供達は歓声を上げていた
夕方になる頃に駐屯兵の兵士が来て
家に帰るよう促しにきた
どうやら明日新しく赴任される
領主様が来られるらしく
警備の為に色々とやる事があるらしい
前の領主様は汚職で罷免され
新しく来る領主様はとても厳格で
罪を犯した者には情け容赦なく
罰する事で有名らしく
町の大人達はあちこちで
不安を口にしていた
砂まみれの子供達は不満を言いながら
家路につく
1人の少年が家のドアを開けて中に入る
ロッド「ただいま!母さん」
ベッドから起き上がり軽く咳をした
母親はロッドに笑顔でおかえりを返す
ロッドを出産して体調を崩してから
シルクは病弱になってしまった
父さんは僕が2歳の時に
父「待っていてくれ」
と言い母さんと僕の前から消えたと
後から聞かされた
11歳の時
特に父さんがいなくなってからは
収入が無くなり貯金をくずして
何とか生活を維持していた
母さんが病気で寝込むことが多く
家の家事を手伝っている僕にいつも
シ「ごめんね...ロッド...」
それを言われる度に
母さんが病弱になった原因の僕と
居なくなった父さんを許せなくなった
14年前この世界で大変革が起きた事で
この世界から戦争が消えた
一時的かもしれないが
世界は講和を受け入れて
コインを試験的に運用する事が決まった
4年前にフジの中心地に町が作られ
そこで行われるイベントは
世界に配信され瞬く間に世界を
熱狂の渦に巻き込んだ
フジから遥か遠いこの旧カトカラの地でもその影響を町のあちらこちらで見かけた
子供や大人までが夢中になっていた
次の日
駐屯兵の警備のもと
豪華な馬車が町に入ってきた
大人達は一目見ようと集まっていたが
そのまま邸宅に入っていき
見られなかったらしい
数日後
町の子供達がいつもの場所で遊んでいると
見窄らしい格好をした男の子と女の子が
家壁の陰から子供達を覗きこんでいた
遅れて合流してきた貧民街のコーナーが
2人に気づいて話しかけて
皆んなの元に連れてきて紹介された
恥ずかしそうに自己紹介をする2人は
兄妹らしく領主様に仕えている
手伝いさんの子供らしくて
メリゴ国出身らしく旧カトカラの手前
仲に入れて欲しかったらしいが
気が引けていたらしい
大人達はいざ知らずここに居る子供達は
産まれた瞬間からメリゴ帝国だったので
誰も気にしていなかった
ロッド自身も遊ぶ仲間が増え喜んだ
それからは兄妹がたまにきた時は
皆んなで遊んだり
ロッドとコーナーと兄妹の4人で
よく遊ぶ事も増えていった
昔からの幼馴染と言っても周りが信じる位
4人は仲が良かった
新しい領主様が来てから半年ほど経った頃
領主様の名で新たなルールが
町に張り出され一部の町民達が反発する
事件が起きた
どうやら貧民街の誰かが領主様の邸宅に
忍び込み盗みを働いたらしく
その沙汰があまりにも厳しい事で
貧民街や町民が領主様の邸宅に
押しかけた
捕縛された者も多数出たらしく
町が騒めいていた
それから1ヶ月ほど経った頃
医療費や家賃などで思った以上に
出費が嵩み貯金が心許なくなってきた
母さんは仕事に出れない事が
多くなり家にある色んな物を
質に入れるようになって繋いでいた
母さんは医療院から帰ってくると
笑顔でごめんねを言うようになった
夜中静かに泣いているのを僕は知っていた
僕が母さんを護らなければと
この時小さいながらに心に決めていた
母さんは昔の仕事仲間と連絡を
たまに取るようになった
何となく聞く耳を立てていると
どうやら引っ越しを考えているらしい
母さんの通う医療院の事もあるし
大丈夫なのかな?くらいにしか
この時は考えてなかった
今の状態を考えると
この町から出て行く事を
嫌だとは言えなかった
同い年には嫌な奴もいるが
仲のいい子も沢山いるので
別れが寂しい
コーナーや最近特に仲のいい兄妹には
どう話せばいいか悩んだが悩むより
別れの時まで思い出を
いっぱい作ろうと決めた
ある日の朝
町の凄い騒ぎの中で目を覚ました
母さんが様子を見に行きたいと
言うので補助をしながら家を出た
どうやらコーナーの住む貧民街が
駐屯兵によって取り壊されているらしい
抵抗する者もいるが数の多い駐屯兵が
取り押さえている
母さんと僕が貧民街に着く頃には
家屋が壊され城壁の外に
捨てられている途中だった
町の人々が見ている中
貧民街の人達は泣いている人や
悔しさで顔が歪んで見える人もいた
その中に泣くのを我慢して
たたずんでいるコーナーを見つけた
僕は見ていられなかったが
母さんが話を聞くとコーナーは大粒の涙を
流しながら話してくれた
貧民街を取り壊して
新しい区画整理をする事
貧民街は城壁の外で生活する事
貧民街で生活していた者は税を払えば
城壁の中に入る事を許される事
もし勝手に城壁内に貧民街の者が
入った場合には厳罰に処す事
税が払えないので貧民街にいる人が
多かったので実質締め出された形だ
母さんは身寄りの無い
戦争孤児のコーナーを抱きしめて
天を仰いだ
区画整理が始まってから
町の人々は城壁の外で壊された廃材から
家を建てたり炊き出しをしたり
貧民街の人々を助けていた
元々が旧カトカラ国の民が多かったので
見捨てることは出来なかったのだろう
コーナーはロッドよりも1歳年上で
お兄さん的存在で面倒見が良く
皆んなから慕われていた
将来はバトラーになるのが夢で
大金を稼いで貧民街の皆んなの
助けになれればと
今年の選考会に行くと決めていた
コーナーは子供達の中で両手剣では
右に出る者もいないくらい強かった
※バトラーとはフジの中心部チッタで
コインの能力を使い闘う者
又はコインの探索や収集を司る者
の総称
皆んな城壁内に入れなくなった
コーナーに会いたくて子供達の遊び場も
城壁の外になっていった
来なくなった子供もいたが
城壁外はまだ賊がいたりもするので
親が危ないので止めたのだろう
1ヶ月後に開催される選考会に
もうすぐ出立するコーナーを
町の皆んなと貧民街で
お見送り会を開く事になり
子供達や大人達が混ざって
少しでも灯りの多い
城門近くで宴会を開いていた
城門兵は旧カトカラの人だったので
騒がない事を条件に宴会を許してくれた
シルクも久しぶりのお酒に
顔を火照らせて笑顔になっている
ロッドもシルクとコーナーに挟まられ
上機嫌で楽しんでいた
笛の音が聞こえ
城門兵が慌ただしくなった
領主様が外交からタイミング悪く
帰ってこられる事がわかり
解散させられた
いつもは優雅に馬車を走らせていた
領主様の一行はこの日
ものすごいスピードで馬車を走らせていた
運悪く宴会と時が重なってしまった
ゾロゾロと皆んながダルそうに
散り散りに帰ろうと歩き始めた頃
林を抜けてきた馬車と近衛兵は
貧民街の街道を早い速度で通過していく
すると貧民街の1人の老人が
酔いの冷めぬまま馬車の前に立ち制止した
何か領主様に文句を言っている
馬車の馬は立ち上がるほど
前足を上げて急停止した
コーナーは老人を道路脇に引っ張り
平伏した
僕は一連の行動がゆっくりに見えた
馬に単騎で乗っていた近衛兵が
馬車に近づき何か話している
合図を受けた他の近衛兵が馬から降り
コーナーと老人を立たせた
悪い予感がした
馬車の近衛兵が馬を降り老人の前に立ち
剣を振りかざす
悪い予感がした
「やめて」頭の中で叫ぶ
近衛兵は老人に剣を振り下ろし
老人は倒れた
「違う やめて..コーナーは.....」
近衛兵はコーナーの前に移動し
剣を振り上げる
「何も 悪く...」
僕は走りながら先程まで宴会をしていた
焚き木の近くの斧を拾い
近衛兵に向けて
「やめろー!」
投げた瞬間
震えて下を向いたままのコーナーの体を
剣が撫で下ろされた
そして僕の斧は踏み込んだ近衛兵の
甲冑の背に当たり
跳ねた拍子に馬車の窓ガラスを突き破った
倒れていくコーナーと
僕に近づいてくる近衛兵達を見ながら
僕の眼はゆっくり瞼を閉じた
②へ続きます。まだ作品名の意味がわからないかもしれませんが少年編を読み終わると理解していただけると思います。
至らない所や誤字があれば教えて下さい。




