表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
違法冒険者  作者: 焼肉定食レモン
違法冒険者
3/6

冒険者ギルド

30分歩いていると街が見えてくる。橋を渡り、検問を通過し、街に入る。そのまままっすぐ進むと中央広場に出る。そこには、英雄デン王の銅像が、ガンテロンを迎える。剣を掲げ、仁王立ちをしている。とても凛々しい。ガンテロンの憧れであった。いつ見ても美しい。ここは待ち合わせの場所してよく使われる。

 この銅像を奥を通ると酒場がある。手手前の道を通り、右に曲がると冒険者ギルドが見えてくる。冒険者ギルドの建物は、豪華な作りをしている。大理石の柱が扉の両サイドと建物角にある。両サイドの柱には、窪みがあり、その中に顔のが彫られている。初代冒険者フッドとギルド創設者マギルである。彼らが、ガンテロンを睨む。ガンテロンは、怯んだ。怖い。とても怖い。勇気を振り絞り、扉を開けるとそこには別世界が広がっていた。大きなホール。横一列に並んだ受付。大勢の人々。ガンテロンは、息をするのを忘れるほど、この光景に唖然とした。床には、滑らかな色をした紅色の豪華な絨毯が敷いてある。踏んでいいのだろうか。ガンテロンは、躊躇した。またもや勇気を振り絞り、足を踏み出す。人々の怒号で中はうるさかった。赤い制服(ギルドの職員だろう)をきた太った男が、大きな声で叫んでいた。


  「かの有名な大富豪マズモン様から、依頼が届いた!!よく聞くように!至急ハヤブサ草を100個を集めてほしいそうだ。そして、それを市場価格の三倍で買い取ってくださる。いいか!三倍だぞ!!この依頼を受けたいものは、受付まで!!!」


彼の話が終わると冒険者たちは、我先に受付に群がった。ガンテロンは、毒付いた。

 「まったくもってついてない!くそ!!」

多くいる受付係に長蛇の列が既にできていた。今から並んだら3時間はかかる。それでは夜になってしまう。ティファが待っているため、なるべく早く帰りたい。


 戸惑いながらも列に並び、少しずつ前に進んだ。すると厚い皮装備を着た、女性に話しかけられた。

 「あんた冒険者かい?」

 白髪で髪が短い女性であった。ガンテロンは、いきなり話しかけられたので、少し吃りながら答えた。

 「いや、これからなろうと思って来た。」

 

 「やっぱそうよね。服装から違うと思った。冒険者申請は、三階の窓口でしかやってないよ」

  ガンテロンは、安堵した。並ばなくて済む。


 「そこ、変わって大丈夫?」


 「ああ。教えてくれてありがとう。」

  

  ガンテロンは、列を外れ、左端にある階段に向かった。階段を登り、三階に到着するとすぐ目の前に窓口があった。三階は、一階と比べて落ち着いた雰囲気だ。ガンテロンは、窓口にいるメガネをかけた老職員に話しかけた。

   

 「あの...冒険者になりたくてきたんだが」

 

 「えい!!! 冒険者になりたい?なりたいだって?最初に名前を名乗らんか!!この馬鹿者。マイナス10点!」

  いきなり怒られたガンテロンは、困惑した。

 「よく見りゃ服装もだらしない!マイナス30点!」

   

 「え!!!」


 「なんだい!もっとハキハキしゃべれ!!」


 「あ。えっとガンテロンだ。いや、です。冒険者になりたくてきました!」

 

 「ふん!そうかい。冒険者申請ってわけかい。まずは金だ。金を出しな!申請料だよ申請料!話はそれからだよ」

  ガンテロンは、ポケットから袋いっぱいのお金を出した。


  「あんた.... 舐めてんのかい 全然足りないよ!私の仕事舐めてんのかい!

舐めてるだろ!ええ!!昔はブイブイ言わせてた冒険者だったのに今は、狭いスペースで受け付けやってるって心の中であわれんでいるんだろ!!わかってんの!私は!!」

  急にヒステリックになった。ガンテロンは、こんなはずじゃないと心の中で叫んだ。

  「いや..そもそも知りませんし..あなたのこと..」


  「知らない!?知らないだってあたしのこと!?どうかしてるよ!!どうかしてる!! 知るよしもない存在だってあんた言いたいのかい!マイナス100万点!」


 そう大声で言うと窓口の扉を思いっきり閉めた。ガンテロンは、開いた口が塞がらなかった。冒険者になる道はどうやら閉ざされたらしい。理不尽な理由で。ガンテロンは、失意の念を抱き、冒険者ギルドを後にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ