戦争の終わり
長く続いた戦乱が、今終わりを迎えた。
アメルニス大陸の覇権をめぐり五つの国が争い、力を競ったこの戦いで勝利を納めたのは、大国 デン王国であった。皆が戦争と勝利を喜ぶ中、複雑な心境の人物がいた。
そのものの名はガンテロン。傭兵である。もちろんガンテロンは、戦争の終結を喜びはした。しかし、幼い頃から傭兵として働き、生活をしていた彼は戦いしか知らなかった。文字も読めないし、簡単な計算もできない。しかもティファという家族もいた。家族といっても血の繋がりはない。戦争孤児で、ガンテロンにくっついて離れないため仕方なく育てることにした。彼女は、痩せこけていて死にそうであった。彼女なりの生存戦術かもしれない。戦士の中で比較的優しい見た目のガンテロンに懐いた。ガンテロンは、最初は鬱陶しく、嫌っていたが、だんだんと愛おしく思えてきて自分の娘のように可愛がった。この子のために傭兵として奮闘した。だが、もうない。
これからどう生活していけばいいのだろうか。
ガンテロンは、これからの将来に絶望した。時は無慈悲にすぎていく。お金はみるみる減っていき、貯金が尽きかけた。仕事を探し、街を徘徊していたその時、ある話が耳に届いてきた。
掲示板に貼られた依頼をこなし、お金を稼ぐ「冒険者」。
彼らによる被害の愚痴。主婦の何気ない会話。ただそれだけ。それでも強烈に印象に残った言葉「冒険者」。なぜだろう。それは、自分にもできるかもしれないという思い。しかし、ガンテロンは、掲示板を読むことができない。やはり不可能か。いや試してみる価値がある。どの道金は減っていく。行動に移さなくては。それに貧困で苦しむティファの姿も見たくなかった。
ガンテロンは、冒険者になる決意をした。