『澄憲、祈雨の勧賞を速記者も感心すること』速記談3079
高倉天皇の御代、承安四年、宮中での最勝講御八講で、権少僧都澄憲が講師を務めた。そのころ、国中で干ばつとなっており、諸神仏への敬白文に、特にそのことを加えて読み上げたところ、弁舌の見事さに、聞いていた満座が感心した。敬白文を記録する速記者も、感心してうなずきながら速記していた。敬白文を読み終わるか終わらないかうちに、満天が雨雲に覆われて、恵みの雨が降った。翌日、摂政藤原基房公は、このことを奏上なさり、勧賞されることとなった。
教訓:末法の世にあっても仏法には霊異があるものだと、感心されたという。