ガラスの「なろう」を救え!ー二十一世紀の皆さんへ
いきなりですが、皆さん。
国内最大の小説投稿サイトにして今や作品数100万を越える「小説家になろう」(以下「なろう」)。隆盛を誇る陰で、その内部には深刻な危機が進行しております。それは何かおわかりでしょうか。
①異世界恋愛短編が強すぎる?
②同じような話ばかり?
③レベルが低い?
ご批判覚悟で言わせてもらいますと、これらは全くもって問題ではございません。
①異世界転生/転移やハイファンの凋落は、個人的には寂しいことですが、別に異世界恋愛短編が人気だろうが、隆盛を誇るジャンルや形式があること自体、何ら問題はありません。
②同じような話が人気なのは読者のニーズがそこにあるからでしょう。これも何の問題もありません。
③レベルに関しては、書店に並んでいる書籍との比較でしょうか。書籍化作品を含む膨大な作品を無料で読める「なろう」に対しては、レベル云々という物差しを持ち出すこと自体、前提からして妥当ではなく、問題にすらなりません。
では、何が問題なのか?
それは連載作品のうち、長期間更新が停止している作品が多すぎることです。
連載作品が完結しないまま放置されている割合は、一説には八割近いともいわれています。
要するに、エターナルな作品(以下「エタ作品」)が多すぎるのです。
このまま何もせずに手をこまねいていけば、更に未完結の作品が量産されることでしょう。
そしてそれは、「なろう」全体の衰退につながります。
一例を申し上げましょう。
「なろう」において、「異世界転生/転移」→「ハイファンタジー」→「異世界恋愛」と人気が変遷してきたことは、皆さんご存知かと思います。では、何故このような変化が起こったのでしょうか。
実は、これらの人気の変遷の理由のうちには、少なからずエタ作品が関係しています。
エタ作品を嫌い、完結作品しか読まない読者はかなりの数存在することは周知の事実。
かく言う自分も、楽しみしている作品がエタるのは嫌ですし。
この「なろう」における人気ジャンルの変遷は、読者のニーズとして、異世界ファンタジーを基盤としつつ、エタ作品の多さから人気ジャンルが横滑りしてきたことが一因ではないでしょうか。
完結作品を望む読者の存在比率が全てはありません。しかし彼らの意思は「なろう」内の潮の流れを、ゆったりと変えていきます。
①異世界モノが好きだけど②「転生/転移」より「ハイファンタジー」の方がエタらない。(少なくとも当時は)③そして、異世界ジャンルでは、「ハイファンタジー」より「異世界恋愛」の方が、よりエタらない。
ということで、①「転生/転移」⇒②「ハイファンタジー」⇒③「異世界恋愛」と人気のジャンルが移り変わってきたのです。
「なろう」で人気の「異世界」あるいは「ファンタジー」というくくりの中では「異世界恋愛」はエタ率が最も低いのです。理由として短編の多さというのもありますが。
完結作品を好む読者が一定数いる以上、人気の「異世界」「ファンタジー」の中で、エタ作品の比率が低い(完結率が高い)「異世界恋愛」に少しずつ読者が集まっていくのは当然の流れです。
これら人気の変遷はあくまで「なろう」内でのこと。外から見ればコップの中の嵐かも知れません。
ですが、下手すると同じ事がサイト同士で起こるかも?!
もし、現在、日本最大の小説投稿サイトである「なろう」がその地位を他サイトに明け渡す日が来るとすれば、その原因はエタ作品の比率ではないかと考えます。(すいません。他サイトも使ってて「なろう」が衰退しても困らない人には関係ないことかもしれません。ここまで読んでいただき、申し訳ありませんでした)
で、では、どうすればいいのかっ!
それは、長編作品に対する扱いを良くすることです。具体的には、長編完結作品を少しでも長く「なろう」トップページに少しでも長く載せる工夫をするのです。
作者は、ポイントやブクマ、更にはレビューや感想いいねなど、読者からのリアクションを糧に連載作品を書きます。そして連載が長ければ長引くほど、たくさんの糧が必要となります。
そこで、作者たちが、より多くの労力を費やした長編作品に対して、より多く報いるシステムを再構築するのです。ガラスの長編を救って~!
現在「なろう」の表紙に完結した連載小説欄には、連載作品なら短くても載るのですが、8~10万字以上、文庫本一冊程度以上の小説に関しては「完結済の長編小説」欄を新たに設けて欲しいのです。
そうすることで、出来るだけ多くの作品をトップページに載せることができますから。
現在は、数十万字・数百話の大長編を完結させても、数千字・数話の連載作品と同じく「完結した連載作品」コーナーに平等に並べられている現状。ここには、多くの長編作家様の血涙が!
長編以外の完結した連載小説は「完結済の中編小説」として取り扱っていただきます。
長編作品が少しでも長く表紙に載れば、それだけ作品が読者の目に留まる機会も増え、長編作家の皆さんが少しでも報われるのではないでしょうか。
完結ブーストという言葉もありますが、作品が少しでも読者の目に留まりやすい環境を作る。そのことが作家のモチベーションを高め、長編作品のエタ率減少につながる。
そして長編のエタ作品の減少は、中編連載作品にも好影響を及ぼすことでしょう。
「もう少しで長編完結に載れるから頑張ろう」あるいは「中編としての矜持を持って完結欄に載りたい」と思う人もおられるでしょう。要するに長さによる連載作品の住み分けです。
これは、競馬で例えるなら「なろう」では現状「短距離」と「中・長距離」の区分しかありません。
競馬のG1レースに「短距離」「中距離」「長距離」があるように「なろう」にも距離適性が必要なのではないでしょうか?
今の「完結した連載小説」欄をそのまま「完結した長編連載小説」とし、その下に「完結した中編連載小説」欄を新たに作ることは、表紙の配置や文字の大きさを少し変えれば実現可能かと思います。
試す価値はあるかと思うのですが、いかがでしょうか。
長編を擁護する意見は、長編を多く書かれている作者様からは言いにくいことだと思います。
ですが、長編2作、短編16作の自分のような立場の者こそ、声を上げるべきだと考えて書かせていただきました。あっ中編は0でした。そこはご容赦くださいまし~。
運営様、どうかご一考、お願いしたく思います。
ご賛同の皆様方!
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