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太古からの手紙

作者: つきあかり

私がよく行く川原には化石が眠ってる。

と言っても恐竜とかの化石はない。

小さな貝の化石とかシダ植物の化石とか地味なやつ。

よく出会う化石好きのおじさんがこれは100万年前に生きてたんだと見せてくれたのは小さな貝だった。

貝だとはっきり分かるけど、セメントに埋め込まれたみたいに石の中から二枚貝がひょっこり顔を出してる。

最近はスマホばっかり見ていて、自分がネット世界の住人みたいに思っていたけれど、私の足元には過去の生き物たち眠っているんだ。


その夜夢を見た。

支離滅裂だけどとても鮮やかな夢。

太古の森で私は生きていて生と死を繰り返してる。

時間は有限で無限。目に見えないくらい小さな生き物になったりとてつもなく大きくなったり。

そこには電車の時刻表はなくて、スマホの時計もなくて、カイシャの始業時間もない。日曜日も月曜日も水曜日もない。

ただ、生きていて食べたり食べられたりを繰り返してる。


そういえば、私達はそうやって繰り返された営みを喰い潰してる。ごめんね、エネルギーとして使っちゃってる。

そう思ったところで目が覚めた。

目から涙が出てた。

「きっと疲れが溜まっているんだよね」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 秋の公式企画から拝読させていただきました。 発想が斬新です。 エネルギーは大切にしませんとね。
[良い点] 短い文章の中で壮大な話と日常が詰め込まれていてすごかったです。
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