反省会
「皆さん、お疲れ様でした。反省会です。遠慮なく意見をお願いします。」
私とノエルは頭を下げた。
私も説明足りないし、駆け足だし、という自覚があるため、ちょっと落ち込んでいる。
分かりきっていることを説明する大変さが身に染みた。
準備中も、アレ説明しなきゃ、コレ説明しなきゃというのが大変で、結局支離滅裂になっていたところもあった。
「お嬢、正直、難易度が高かったっすね。俺じゃついていくのがやっとだ。誰か質問できるのが近くにいてくれりゃ違うんでしょうが。」
ごもっともです。
イーヴの意見はとても重要だし、懸念点をバッチリ言ってくれた。
「なら、丁度7人おりますし、我々が教会に散りましょう。」
セルジュはそう言った。
確かにそうしてくれると助かるけれど。
「いいの?」
「はい。一度やってみて、なんとなく分かりましたし、やってみるとそこまで複雑なものでもありませんでした。湯は先に沸かしておくのがいいと思いました。ですので、デンプン溶液もあらかじめ分けておくのが良いと思います。」
「ありがとう。助かるよ。デンプン溶液もそのようにしておく。」
それに続いてエマが発言した。
「お嬢さま、私は唾液について考えたことがなかったので面白いと思いましたよ。ただ、デンプンが消えちゃったのがモヤモヤするというか。」
「まぁ、そうですね。それを確かめる実験あるのだけど、そこまで手が回らないと思って。」
麦芽糖に変わるっていう、ベネジクト液を使った実験もあるんだよな。
小学校ではベネジクト液を使わず、中学では使ったと思う。
「そうでしたか!!続編を楽しみにしています!!あと、色が変わるかどうかで予想して手を挙げたら面白いなって思います。私もまさか唾液側が変わらないと思いませんでしたし。」
「僕もそう思う。組み込んでみるよ。」
色が変わるかどうかの多数決はノエルも賛成のようで、取り入れることが決定した。
「わ、私は、なんでパンとイモなのかなって思いました。イモなら他の野菜でもいいのではないかなって思って......。疑問のところに書いてしまったのですが、よかったのですか?」
おずおずと発言したのはララだ。
「うん。そういうのが疑問に欲しいんだよ。そうすると、今度ヨウ素液を他の食べ物にかけてみようってなると思う。あとは、イモは野菜の仲間ではなく小麦の仲間だと思うよ。どうやって分けるかにもよるけれど。」
イモは炭水化物として米や穀物、小麦などと一緒に分類される。
「はい! 私はデンプン溶液というものが気になりました!!」
元気に言うのがレアだ。
「あ、デンプン溶液はね。料理で使っている芋を粉にしたものを溶かしたものだよ。うちの料理人さんに聞きに行ったら使っているようだったからお願いしたんだ。」
片栗粉を溶かすというのがデンプン溶液の作り方らしい。サエラさんに聞いた。
また、片栗粉は馬鈴薯から色々して取り出すものなんだと。これは瑞稀が知っていた。
「僕は風邪を引いたときに寒気がしながらも暑いので、その時の体の温度を知りたいと思いました。」
ドニが疑問点を伝えてくれた。
なるほどな、熱が出た時って冷やしたりとかするけど、実際には高いんだか低いんだか疑問だよな。
もし、体温計というなら、もっと細かい方がいいな。
「風邪引いたときに測ってみるのも面白いね。教会に置いておいて、誰でも申告したら使えるようにしてみよう。」
「私は唾液以外が何をしているのが気になりました。汚い話になりますが、体の中で長い時間食べ物はいて、そのあと排出します。本来食べ物であったはずなのに、臭くて汚いものになるんです。だから、私は唾液でデンプンがなくなるのに納得しました。食べ物があれだけ変わり果てるなら、これくらい当然だと思うんです。だから、食べ物が体の中でどのように変化するのかが気になります。」
ジルは研究者に向いているのではないかな。
確かに、食べ物であったはずなのに、アレになるんだもんな。そういう切ない歌あったよな。
それに、よく絵本で食べ物が体に吸収されてアレになる過程って読んだもんな。
というか、それ以外を試す実験ってどうやっていいのか分からないよ。だってあとは座学だったもん。
怖いよ、胃酸とか、超強い酸性だよ?どうやって取り出すのさ。
アミラーゼ、ペプシン、トリプシン、リパーゼ。そして、ブドウ糖、アミノ酸、モノグリセリドに脂肪酸。
研究でどう明らかになるんだろうね。謎だ。
「う、うん。気になるよね。わかるといいよね......。」
そう、相槌を打つしかないのだ。
よし、修正をして、授業に備えよう。




