さようなら
エマとセルジュの2回目の授業が終わった次の日、アズナヴール公爵とレオンさんは滞在を終え、自領に戻るそうだ。
「この滞在は得るものが多かった。私としても充実した日々を過ごせて満足している。伯爵にセシル、ノエル、世話になった。また会える時を楽しみにしている。」
公爵さまは玄関口でそう言った。
「セシル、ノエル、次は王都滞在の時だな。次までにたくさん勉強をしておく。放送で顔を見られるのを楽しみにしてる。」
レオンさんの挨拶か。
って、ん??
レオンさんに抱きつかれた。
へ??
「元気でな。会えてよかった。王都ではもっと婚約者らしいことができるといいのだが。」
耳元で囁かないで!!
なんかゾワゾワするから!!
レオンさんは固まっている私を見て悪戯が成功したかのように嬉しそうに笑った。
って、人が焦っているときに楽しそうってSか?Sなのか?
「ノエルもな。」
ノエルにもハグをした。
あぁ、挨拶なのね。
でも、流石に威力が強すぎるよ。
そのね、前世日本人には無理があるよね。
「では、また。今後ともよろしく頼む。」
公爵さまが挨拶をして、馬車に乗って去っていった。
来月からの授業、うまくいくといいな。




