表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/216

リモート会議

私事ですがTwitter始めました

マイページからアクセスできると思うので、よかったらそちらもよろしくお願いします。

Twitter難しい。


 このリモート会議、瑞樹は私の部屋の隅で、佐助はノエルの部屋で、楓は屋根裏かどこかで片手に詰将棋をもちながら、私は自室のベットにグダッとしながら行っている。

 ちなみに諸事情により、ビデオ通話ではなく音声通話だ。

 現代日本のインターネットより余程通信技術が優れていて、ストレスが全くない。


セシル:みなさん、お疲れのところどうもです。これから明日のための作戦会議を始めます。司会進行は…瑞樹に任せていいですか?


瑞樹:だめじゃ。あくまで我は証言する参考人という立場でおるつもりじゃ。


セシル:けど、どこからやればいいのかも分からないので…、そしたら、レオンさんお願いします。


レオン:分かった。が、聞きたいことだらけだ。そもそもこれはなんだ?


セシル:互いに遠くにいても会話ができるシステムです。固有能力の一種ですね。詳しくはそこにいるブルナンどのに聞いてください。


ブルナン:一応、俺は説明したぞ。それより、俺の方が理解していないんだが。


レオン:ではその件は後ほど。今回はセシリアの洗礼式で起きた異常事態についてそのほか秘匿していたことについて陛下含む周囲にどう説明するのか、という会議です。説明を求められるのは明日です。


ブルナン:それって結構不味くね?


レオン:その通りです。まずは事実確認から。あそこに現れたのは女神様、という認識で間違いないか?


セシル:はい。少なくとも、こちらが女神と呼んでいる存在で間違いないかと。固有能力に関することは彼女が対応しているようですし。


瑞樹:それは間違いないと我も証言しておこう。


レオン: そうですか。正直、俺もちゃんと全てを記憶できたわけではありませんが、一時、俺たちにわからない言葉で話していた、それは…前世の…?


ノエル: あれは英語ではなかった、それだけは確実。だから、僕は日本語だと思って聞いていたよ。楓さんとか佐助さんが話しているやつ。


セシル: うん。ノエルの言う通り、あれは日本語。私が他の人に聞かせてたくないであろう情報だったから、気を遣ってくれたみたいだね。あとは…私が一番使いこなせるから、私の意図を私の言葉で聞き出すなら、それが一番だったというのが理由じゃないかな。


瑞稀: それで間違いなかろう。


レオン: で、そのとき話した内容は?


セシル: …私を見定めるためになんか、心理テストみたいな質問をされたよ。あぁ、その前に、私が前世の記憶を所持していることを確認されたね。


レオン: では、女神さまが顕現したのは…


セシル: ほぼ確実にそれが理由。瑞稀の話も総合すれば、前世の記憶をもつものには洗礼式のタイミングで必ず話をしているみたい。で、危険そうなら、固有能力もかなり弱めたものとかそういうのが与えられるらしい。


瑞稀: 制裁、も無いとは言い切れないな。


ノエル: じゃあ、姉さん、危なかったんじゃ?


セシル: そうでもないよ。瑞稀が保証人みたいになってくれたようだし。


佐助: オレも聞いてたが、和やかなもんだったぜ。


楓: うん…


レオン: …女神さまは佐助と楓がいることに気づいていなかったのか?


瑞稀: どうしてそう思う?


レオン: 他に聞かせたくなかったから言語を変えたのでしょう? なら、佐助さんと楓さんに気づいていたのなら、その言葉を使わなかったのではないのですか。


瑞稀: …それはレオン、お主が勘違いしておる。そもそも、他者に聞かせないことはサイドエフェクト、副次的な効果にすぎぬ。セシルの本心を一番表現しうる言語で聞き出そうとしたまで。


セシル: まぁ、一応、配慮はしてくれたみたいですけど。そちらは意外とどうでも良かったらしいですし。人間の方にはそりゃ秘密にしてますけど、こっちサイドからしたら、ただの周知の事実ですし。国王陛下が亜人のどこかと繋がっていたっておかしくないんですし。そうすれば、最初から漏れてたことになります。


レオン: なるほど、俺が理由を勘違いしていたことになる、と。


瑞稀: そうじゃな。


レオン: …まぁ、なにがあったのかは大体わかった。問題はこれらの報告をどうするか。


ブルナン: そのまま言っちゃまずいのか?


レオン: それも或いはありだろうね。陛下とエマール家に近しい家になら言ってもいいんじゃないかな。表にどう公表するかは、というか、気づかれていないのだから黙秘でいいでしょう。それに、固有能力関係も言わなければならないだろう。


セシル: …言うこと自体は別に構いませんが、もういい加減説明するの疲れました。なんか、うまくやってください。


ノエル: 姉さん…。


セシル: だって、固有能力のインストールの話をしたら、自ずとチューニングとかの話になって、講習ひらく羽目になるんでしょう?ドワーフとか研究所の人たちならともかく、あの授業のレベル感からここまで育て上げろって、嫌ですよ、そんなの。何年かかると思っているのですか?


瑞稀: まぁ、真理よのぅ。そもそもの数学の基礎レベルが違いすぎる。


セシル: それじゃ、私の仕事がいつまで経っても進まないでしょ?


ノエル: そもそも、姉さんの負担が過ぎるんだよ…。他に代えられる人がいないって、システム的に問題しかありません。


セシル: とはいえ、向こうの人たち巻き込むわけにいかないでしょう? だって、向こうの教材をもとにするにしても、英語できなきゃ意味がないし、英語とこちらの言語の辞書もまだ未完成。


楓: この状況自体が詰み。


セシル: 伊達に自転車操業してないよ。…そもそも、文字だけなら簡単だった。そこに数学とか総合的な学問を付け加えた時点でこうなることは半ば想定内ですし。


レオン: 情報提供だけして、丸投げしましょう。これ以上、セシリアに負担をかけるのは不本意ですし。亜人の集落関連も伝えていいですか?


セシル: …隠すのも面倒なので、いいです。ただし、場所とかの情報は与えずに。窓口が私以外にないように、あとは一般に情報を漏らさないようにしてもらえれば。


レオン: 窓口をって…それじゃ負担が増えるんじゃ。


セシル: それは仕方ありません。私がクッションになります。最悪、色々手伝わせますので。


レオン: 方針はそんなもんでいいな。俺としては説明方法に悩んでいるのだが…。おそらく、明日は俺もセシルもお忍びで行くことになる。下手に勘繰られるのはまずいとのことだからな。で、ノエルは留守番だ。


セシル: …私が説明する気はないですし。…もう、ビデオ通話にしましょう。ブルナンどのとノエルが一緒に居てくれれば、それでビデオ通話できますし。なんなら、向こうの人たち呼び出しますよ。


レオン: まあ、それでいいか。もう考えるのが…、もう何も驚くまいと思っていたが。


ノエル: …姉さん。


瑞稀: 隠しておることが多過ぎるんじゃな。


セシル: なら、私は暇つぶし道具でも持っていきますので。


ノエル: 姉さん…。


佐助: 俺らはどうする?


セシル: 2人は忍びでしょう?表に出る必要はありませんよ。彼らに対して特別なにかする必要はありません。


楓: うん。


レオン: 話は固まったな。セシリアは明日、俺が迎えに行く。城へは普通の文官として入ることになるから、その制服をもっていく。


セシル: そこら辺はお任せします。おやすみなさい。


ブツっとセシルは通信を一方的に遮断した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スピンオフ短篇の紹介

「ラッキー7の世界で」スピンオフ短篇

作品紹介


完結済

すべてはあの桜花のせい

悠という少年の巣立ちの物語。推理SF小説。

連載中

魔女の弟子と劣等学級 -I組生徒の過ごし方-

魔女の弟子が初めて街に降りて人と関わる学園もの。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ