表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/216

セシルの洗礼式 5

タイトル変更しました。

(旧)「ラッキー7の世界で~転生したら指が7本なんて信じられる?~」

(新)「ラッキー7の世界で 立志譚 ~転生したら指が7本なんて信じられる?~」


変更の理由は、この小説のゴールを定めたからです。

この洗礼が終わって、次の話を書いたら一度完結にして、新しい小説として続きを書こうと考えています。

まぁ、あくまで予定ですし、当分、終わる気がしません…。あんまり信用しない方がいいと思います…。

あくまで、私はいまそんな気分だよ〜と受け取ってください。

 ピコン♪


 聞き慣れた、けど、どこか懐かしい電子音がした。


 あぁ、通知確認しないと…


 そう思うと、まっさらな画面の1番上にたった一つの連絡先があって、そこには赤い①がついていた。


 女神…?


 その画面にはそぐわない名前にギョッとして、迷惑メールか詐欺かと疑いながら開けば、チャットにはメッセージが届いていた。



 おめでとうございます!

 本日はあなたが生まれてから7年7ヶ月7日です!

 洗礼式を受けましょう。

 あなたのための固有能力を用意して教会にてお待ちしております。

 ※当メッセージは送信専用アカウントから配信されています。ご返信されてもお答えできませんのでご了承ください。

 ※当メールの無断転載を禁じます。



 ナニコレ??

 胡散臭いにも程があるだろう。


 以前どこかで、iP●on 1* を無料で差し上げる的な詐欺をみかけたことがあるけど、これはあまりにひどい。

 本当にこちらを騙す気があるんだろうか。


 というか、7年7ヶ月7日って。

 ゾロ目だけど中途半端だし、なにより、私はもう17歳だってのに…あれ?


 私は…誰だっけ?


 ………

 ……

 …



 朝日が眩しい、今日もよく寝た。

 いつもと景色が違うことに違和感を抱いて、すぐに王都に来ていたのだと思い出した。


 私はセシリア・フォン・エマール、通称セシル。


 昨日、一昨日と掃除をして、やっと人が住めるようになった。

 半年以上放置していたにしては、随分と手際がいいだろう。



 それにしても、変な夢を見たものだ。

 女神からメッセージがきて、洗礼ですよ!なんてさ。


 洗礼……


 …マジでか。


 私は頭を抱えた。



 「姉さん、入るよ。って姉さん?」


 ノエルが入ってきたのにはなんとなく気づいているけど、それどころじゃない。


 7年7ヶ月7日

 洗礼を受ける日はなぜかわかる

 固有能力を得る

 レオンさんのときも…


 「姉さん? 今日、レオンさんが来るって…」


 私は全てを理解した。

 要はそういうことなのだろう。


 だがしかし、ひとつだけ言わせてほしい。


 「……こんな信託はいやだ。」


 「ねえ、さん?」


 ノエルが固まっているが、ちょっと待ってほしい。

 私も情報を整理し兼ねているのだ。いや、感情の整理がついてない、か?


 「落ち着いたか、セシル。」


 瑞稀が顔を出して言うので頷いた。


 「…セシル、今日なんだろう?」


 普段ならばなんのことかと思うかもしれないが、今日に限っては…


 「瑞稀さん? 今日なに特別なことでも?」


 「なんで瑞稀がわかったの? 私だってさっき知ったんだが。」


 「…契約の関係でな。」


 意味深に瑞稀が言ったが、なにか雰囲気が真剣だったのでそれ以上問うのをやめた。


 「2人でだけ分かり合ってないで…」


 放置気味だったノエルにニィっと笑って理由を話した。


♦︎♢♦︎♢♦︎


 「今日が洗礼式?」


 レオンさんが現れて、感動の再会みたいなものをしようとしていたのにストップをかけて伝えると、キョトンとして驚いていた。レオンさんは成長に磨きがかかって完全にイケメンへと成った。


 洗礼式については既に両親たちには伝えていて、すぐに王都の教会に行くつもりだ。


 「王都に来て久々に会ってこんなことですみません。というのも、今朝ちょっとがっかりした信託で知ったばかりでしたので。計算したくとも、生まれた日が分からねば計算もできないのでいつ来るか困っていたのです。」


 ここでの年齢の数え方はざっくりしていて何回春が来たかとかそんな雰囲気で数えている。


 「残念な信託…?」


 「いえ、別に女神さまを侮辱しているわけでは。ただ、私が夢を見過ぎていただけですし。ファンタジーに裏切られたというか…。」


 しどろもどろと言い訳を続ける。

 これに効果があるのか否かは分からないが。


 「とにかく今日なんだな? これから行くつもりか?」


 「はい…私とノエルで。」


 「エマール伯爵と夫人は?」


 「うちは放任なんです、レオンさん。姉さんの腕に絡まって瑞稀さんも同伴なのですが。」


 「…俺が間に合ってよかった。セシルの洗礼式のときは公爵家もあとは他の家も参加したいと申し出ていたんだ。これで俺が報告しなかったら問題が起きる。ということで、ちょっと待ってくれ。今日ならどこの家も時間が空いている。今から通達して、昼過ぎにといえば問題ないだろう。そこに間に合わなかったところは自業自得ということで。」


 「…そんな衆人環視は勘弁ですよ。とはいえ、そうもいかない事情も理解できます。ですから、勝手に済ませようなんてことは考えません。けど、なるべく少人数でお願いします。それと、洗礼後、やりたいことがあるので教会の奥へ行きたいです、そちらの話もつけなければなりません。ですから、終了後、すぐ解散してもらえるとありがたいです。」


 「…どこまで通るかはわからないが、要望は一応伝えておこう。あと、教会の奥へ行く用事というのはアレだろう?ならば、俺が話をつけておく。」


 「それは、助かります。…一刻も早く手に入れないと、この不便さにいい加減、我慢なりません。」


 …正直、初期ならまだ我慢できた。世界も違うし、けど、隣で超便利なPCを使っている奴がいて、自分だけアナログってそりゃぁ腹立ちますよ。


 「今日はいつになく素直だね。…可愛くていい。」


 /////////恥っずーーー!


 まずい、今日理性とかそういうのがポンとどこかに抜けてしまっている。これは、洗礼式のせいなのか…!?


 「ずっと一緒にいたいところだけど、通達とか色々あるから、一旦うちに戻るよ。洗礼のタイミングで俺が迎えに行くから、それまで部屋でゆっくりしててよ。」


 !?


 呆然としていたら、レ、レレ、レオンさんは私のほ…頬に////口づけた。


 「またね。」

次回「セシルの洗礼式6」は10月31日に更新予定。


ここまで全然洗礼してないんだけど、焦らしてる…?と思った方、タイトル詐欺では?と思った方。

申し訳ありません。

次は、次こそは洗礼式できるはず!


▶︎本日は別作品も更新しています。

そちらもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スピンオフ短篇の紹介

「ラッキー7の世界で」スピンオフ短篇

作品紹介


完結済

すべてはあの桜花のせい

悠という少年の巣立ちの物語。推理SF小説。

連載中

魔女の弟子と劣等学級 -I組生徒の過ごし方-

魔女の弟子が初めて街に降りて人と関わる学園もの。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ