質疑応答
なんとかスマートフォンに関することを英語でスピーチしたと思ったら、怒涛の質疑応答が繰り広げられた。
最初の質問のドワーフは音楽を研究していたようで、知っている曲を全部教えるようにと言われた。
曖昧なものもあったけど、なんとか下手な歌で教えることができた。
アニソンが多くてごめんちゃい。
1番しか歌えない歌も多かったけど、刺激にはなったみたい。
実はこれにかなり時間を食った。
歌詞の意味に関しては今度教えて欲しいと言われたが、これにどれだけ時間がかかることか。
他の人たちから文句が出たのも仕方ないと思う。
彼にも収穫があったようでよかった。
次に聞かれたのが、この世界の人間の魔法に関する考え方。
これはブルナンどのの受け売りがほとんどだったけど、人間が古代使っていた魔法は演算重視でプログラミングに近しいことを伝えると、会場が沸いたように思える。
まあ、色々と質問されたけど、分からない単語や伝えたいのに伝わらないことも多かったから、トライしつつ瑞稀にサポートしてもらった。そして、全てはノートに収められている。
まぁ、英語チャレンジがその場を長引かせた原因の一つとも言えるんだけれど、皆、温かく見守ってくれたのでありがたい。キレられても正直困るからね。優しい人たちでよかった。
終わりの見えない質疑応答だったが、私がうとうとしてきたところで瑞稀が強制終了させた。
そして、まだ半分も終わってなかったという恐ろしさ。
しばらくはこれがメインになりそうだ。
そして、これで英語力を鍛え上げねばっ!と、そう決意した次第。
「<だぁ〜けど眠気には耐えられ〜んなぁ〜。むにゃむにゃ…スカー。>」
セシル、就寝。
♦︎♢♦︎
セシルは部屋についた途端に気絶するように眠った。
夕食もまだだというのに、それだけ負担が大きかったのだろう。
確かに、序盤は我を頼りにすることが多かった。
厳しくいうならば、甘えが強く出ていた。
初めての土地でそれは当然の反応だ。
咎めるほどのことではない。
しかし、セシルの望みはそうではない。
セシルは自分が怠惰であることを、甘えてしまうことを嫌う。
ならば、律するのが我の務め。
「ようやったのう。お疲れさま。」
我は寝ているセシルの短い髪を優しく撫でた。




