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諸々の教材開発中につき。

 お母さまが参戦したカードゲーム以降、お母さまは1日も経たないうちに、カードを量産した。

 そして、現在エマール伯爵家の屋敷ではゲームが少し流行っている。

 エマの話によるとエマとお母さまは他の侍女も数人混ぜてゲームをしているらしい。

 お母さまの組み合わせの確認速度が異常になりつつある、と報告を受けている。

 すごいな。

 これなら次の段階に移れそうだ。

 イーヴの方だが、庭師や料理人、洗濯などの水まわりの係の子たちとやってるらしく、なかなか速くなってきたと自慢していた。

 次は8(10)~13(10)までをつくって、14(10)を作ってもらう予定だ。現在の7つのマークだと最初から1枚余ってしまうので、これは4つの既存のマークのみでやってみようと思う。他のマークは使わないでねっていうのが注意点かな。これでリアルトランプだ。


 だが、これは、私もかなりキツイ戦いを強いられることになる。


 異世界数滅びろ。


 うっかり、こんなことを言ってしまっても仕方ないと思うんだぁ。

 ね?

 そう思うでしょ?

 思うよね?


 思うって言えや、コラ!!


 失礼しました。

 ちょっと心の闇が、出てきてしまって。

 すみません。

 ちゃんと封印したはずなんですけどね。


 もう一つ、お母さまはゲームが好きだそうなので、UNOを開発しようかな、って思ってます。

 あとは、すごろくを作って、二つのサイコロの目を足し算できるようにもなって欲しいですね。


 ところで、カードは画用紙で作っているのですが、それ以外に使っているものはコピー用紙です。

 謎のハイテク・ハイクオリティ。

 これを作っているのは"ペーコトパーコ"という固有能力を持っているジルという使用人です。この固有能力は自在に紙を作ることができ、使用後の紙をインクの塊と新しい紙にリサイクルできる超絶能力なのです。現代にもなかったわ。

 その人に、大きさ・薄さ・硬さを注文して作ってもらった。

 カード用大量と他に大きめの画用紙を何枚かを注文して終わるとすぐに去っていった。

 あとで聞いたが、人見知りらしい。


 その大きめの画用紙を使って一般的な紙の箱を作ったのだが。

 これが大事になるとは思ってもみなかったんだ...。


 ある日、教材作成中にお母さまが突撃してきた。

 「あのゲームをした日に使った紙?みたいなので作った箱。どうやって作ったの?もし知ってるなら教えてくれない??」

 お母さま曰く、見たことがない画期的な箱で、ずっと気になっていた、らしい。

 「あの日に聞かなかったのはどうして?」

 と聞いてみたら、

 「頭を使い過ぎて、忘れていたのよ。」

 とのこと。

 至ってシンプルに、本の端っこなどを使って展開図をかいて、くっつくところを想像して糊代と開けるための開け口を付けただけ。

 「これを組み立てると箱になるの??」

 「はい。これで四角の大きさを変えると違う箱になりますよ。」

 「持って帰っていい?」

 「いいけど......」

 そう言って、お母さまは去っていった。

 小学校低学年の授業で展開図の組み立てというのがあったなぁと朧げに思い出し、図形もやんなきゃだめかなぁと思った。


 どんどんとやるべきことが増えていく。

 山積みだ。



 そして、ペンの持ち方の問題だが、お父さまの持ち方を参考にすることにした。

 公式の持ち方というよりも"パトリス式"という名前をつけて教科書に載せることにした。

 「お父さまのペンの持ち方、みんなのお手本にしてもいい?」

 と聞いたらイチコロだった。

 正直、悪いと思うが、今回は別に媚びてないし、ちょっとタメ口になっただけだ。

 お父さま、チョロすぎるよ。

 お父さまが紹介してくれた絵師さんがスケッチをして、ペンの使い方までまとめてくれた。

 もちろん、私も矢印を引っ張って細かいことを書いたよ。


 因みに教科書の内容が固まった。


<文字学習帳>

・ペンの使い方/"パトリス式"

・1文字ずつの特集(文字/書き順/熟語)

・アイウエオ表もどき


<国語>

・短い詩

・短い物語

・文を書くときのルール

・文字の表(アイウエオ表もどき)

・短い説明文

・短い詩


<数学>

・数字の書き方

・繰り上がりのない足し算(文章問題7問/計算14問)

・ゲームで遊ぼう

・繰り下がりのない引き算(文章問題7問/計算14問)

・練習問題(計算問題100問)


<毎日算数問題集>

・計算問題500問

・文章問題50問


<お楽しみ授業ガイド>

・芋ハンコをつくろう

・表札・看板を作ろう

・かっこいい・可愛い文字をかこう

・手紙・カードをかこう

・絵を描こう

・文字で遊ぼう


 以上だ。


 お楽しみ授業ガイドとは、たまに入れようと考えているお楽しみ授業のためのものだ。

 文字で遊ぼうでは習字や書写のようなものをできたらいいと思っている。

 絵を描こうでは立体的な絵とかがいいかな、少なくとも紙とペンでかけるのは文字だけじゃないと言いたいな。

 かっこいい文字はデコ文字とかフォントの話。

 最終的に手紙交換や両親への感謝の手紙とかが流行るといいなと思っている。

 芋ハンコはその準備だ。消しゴムがなかったから苦肉の策でね。

 お楽しみ授業では文字を書くことを生活に取り入れる助けがしたいと考えている。


 検討中なのが国語の掲載文章だ。

 最初の詩と物語は既知のものがいいと思っている。

 後半の説明文は身近なところで、二つ目の詩は知らないけど簡単なもので。

 二つ目の詩は実は「鈴と小鳥と私」という金子みすゞさんが書いたものをリメイクしようと思っている。

 いい詩だし、小学校1年生の時にやった気がする。

 最初の詩は誰かに助言願おう。


 そんなとこかな。

 他には、学習内容を復習・浸透させるために以下のことを考えている。


・パトリス様に質問コーナー...A

・ふつおた...A

・物語作ったよ...A

・村ごと交換日記...B

・手紙...B

・家の前に表札...B

・看板...B

・父の日/母の日...B

・教会読みきかせ...C

・広報誌(4コマ漫画つき)...A

・図書館設立(漫画も配布)...C

・かるた...B

・トランプもどきでカードゲーム...B

・算数セット...C

・スポーツ?...C

・貨幣?...X


A...ラジオ・新聞のように相互がありながらも伯爵家から一方通行なもの

B...村ごとに流行らせるもの

C...公的機関で行うもの

X...謎


 図書館計画は未定だけれど、やっぱり図書館は必要だと思う。

 質問コーナーやふつおたは、手紙でお便りを書いてもらうことで文字を書く機会を増やしてもらおうという計画。ちゃんとラジオのように紹介するつもりだよ?サクラを使うことも厭わないけどね。

 村ごとに交換日記のようなものをするのもいいと思っている。ここら辺は徐々にだね。

 一気に変わるってのはきついから、慣れてきたら様子をみてやっていこうと思う。


 第一回の授業では、お父さまに話をしてもらうのと、ペンの使い方を教える感じ。他には、読みきかせなどのお知らせもするつもりで、時間に余裕があれば何文字か書いてみようと思う。


 今考えているカリキュラムが終わったら、レベルを上げた国語と数学だけでなく、理科で研究するための考え方と基礎を、社会でそれぞれの村について紹介してもらって領地について知ってもらおうと思っている。理科は特に力を入れたいね。だって、お父さまが皆と研究がしたいんだもの。


 やはり、リモート授業は相手の理解がわかりにくいし、受け身になりがちだから、本当はちゃんと学校ができたらいいんだけど、今は文字を大勢に教えるのが一番の目的だから、これが最適解なんだと思う。


 では今日は最後に国語の教科書に載せる詩のうち、教科書後半のものを書き留めておく。

 「鈴と小鳥と私」金子みすゞのアレンジバージョンだ。

 没後50年は経過しているだろうから、著作権フリーのはずなんだけど、まぁ異世界だから気にせずに。


<原文>

私が両手を広げても、

お空はちっとも飛べないが、

飛べる小鳥は私のように、

地面(じべた)を速くは走れない。

私が体を揺すっても、

綺麗な音は出ないけど、

あの鳴る鈴は私のように、

たくさんの唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、

みんなちがって、みんないい。


<アレンジ>

私が両手を広げても、

お空はちっとも飛べないが、

飛べる小鳥は私のように、

地面を速くは走れない。

私が体を揺すっても、

綺麗な音は出ないけど、

あの鳴るベルは私のように、

たくさんの唄は知らないよ。

ベルと、小鳥と、それから私、

みんなちがって、みんないい。


 アレンジとは言うが、この世界に鈴が存在しないからベルに書き換えただけなんだけどね。

金子みすゞさんは没後50年以上経って著作権は消えているはずですが、もし間違っていたら削除しますので、よろしくお願いします。

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スピンオフ短篇の紹介

「ラッキー7の世界で」スピンオフ短篇

作品紹介


完結済

すべてはあの桜花のせい

悠という少年の巣立ちの物語。推理SF小説。

連載中

魔女の弟子と劣等学級 -I組生徒の過ごし方-

魔女の弟子が初めて街に降りて人と関わる学園もの。

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