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ペテン師は誰だ

 「ゲームが終了しました。人狼チームの勝利です。」


 生存者であるレーヌさんらは困惑していた。


 ちなみに生存者3名でうち人狼1名だったが、次の夜のターンで人狼の襲撃を止めることができる役職が存在しなかったため、この時点で人狼陣営の勝利とした。騎士とかいれば話は別なんだけどね。


 「レオンさん、見てた感想はいかがですか?」


 「…本当に怖いと思った。完全に踊らされてる。特にレーヌ。」


 「私っ?」


 レーヌさんは自覚がなかったようだが、人狼陣営にいいように踊らされていた。彼女の動きは人狼陣営を有利にしていったのだ。


 「さて、答え合わせをしましょうか。占い師はネリーさん、霊媒師はヤニスさん。そして人狼はノエルとブルナンどのでした。」


 先に幽霊になっていた人たちに驚きはないが、初めて正体を知ったときにはめちゃくちゃ驚いただろう。特に驚かなかったはレオンさんと、最初に死んだイザベルさま。


 「ノエルは全くと言っていいほど嘘をついていないんだよな。正直、話をリードしながら自分を疑いの目から外してた。議論の流れからブルナンどのを処刑することに抵抗を全く見せなかったし、ブルナンどのも可能性を無駄に増やしていた。キモは判断方法を単純化するとみせかけて可能性を排除したところだ。人狼があの話を聞いて霊媒師を殺すことを避けるに決まっているのに、ヤニスを殺さないことで人狼に見せかけるように工作した。最初に姉上を殺したのは面倒だからだろう。一つ一つに容赦がない。」


 レオンさんの推測は正しい。


◎ヤニスさんが本当に霊媒師かどうか。

⇨人狼に殺される = 霊媒師である

⇨人狼に殺されない = ヤニスは人狼であるから殺されなかった。


 この中で、人狼に殺されない霊媒師も存在するのに、こっそりその可能性を潰した。


 人狼に殺されない霊媒師をつくり出して、ヤニスさんを人狼に見せかけたのだ。


 これを促進したのがレーヌさん。


 そして初手でボロを出したのが村人のマックス、おかげで人狼陣営が楽に進めることができた。


 ノエルは占い師が人狼である可能性を出しつつも、次の日に人狼に襲撃されると、やっぱりただの可能性で彼女は白だったと手のひらを返す。あくまで可能性として提示することで、不安を煽りつつ、自分が人狼じゃないとアピールする。


 いや〜。レオンさんじゃないけど、怖いね。


 「…終わったから言うけど、姉さんが役職の割り振りをしたのって意図的だよね?まるで人狼に勝たせようとしているみたいだった。」


 「人狼に勝たせようとした、というのは語弊があるね。でも、意図的に役職を割り振ったことは否定しないよ。」


 「僕とブルナンどのなら、容赦なくイザベルさまを真っ先に殺すと考えた。だからこそ、姉さんは占い師や霊媒師を他の人に振った。」


 …確かにそうだ。

 2人に人狼をやらせたら、確実にイザベルさまを最初に殺す。よって、役職を別の人に渡したのだが。


 「正解です。初めてでしたからね。人狼はしっかりできる人にやってほしかった。人狼が速攻で殺されたら面白くありませんからね。それに、一発目で人狼を占われてもつまらなかった。彼らを占うのは後回しになりそうだったから、というのはありますよ。」


 「チッ、結局はセシルの思い通りってことか。」


 「いえ、それは買い被りにも程があります。私はこういうの苦手なんですから。次からは役職を増やして、ちゃんとランダムで役職を振りますよ。今のでなんとなく分かってもらえたと思うのでね。」


 本当に、見ている方なら考えられるけど、やりながらだとどうしても混乱してしまう。


 「役職増やしてもう一度やるの?次はすぐに殺されないように祈りますわ。」


 「俺はまたしても幽霊…。」


 姉弟で反応が分かれる。


 「そうですね…追加する役職は狩人と狂人、あと妖狐にしましょう。狩人は毎晩一人だけ人狼から守る人を選ぶことができます。人狼の選んだ襲撃者と狩人が守っている人が同じ場合死亡者はなしです。尚、狩人は自分を守ることや、二夜連続で同じ人を守ることはできません。次に狂人ですが、人間ながら人狼チームの役職です。人狼チームが勝利した時に勝利となります。基本的に特殊能力を持たない人間なので、誰が人狼かも分かりませんし、占い師に占われても人狼ではないと判定されます。勝利判定時には人狼の人数と人間などの人狼以外の人数なので、狂人の人数は加味されません。人間でカウントされます。最後に妖狐ですが、これは第三勢力です。人狼陣営にも村人陣営にも入らないたった一人の役職で、勝利条件はゲームが終了した時に生き残っていることです。たとえ、人狼の勝利、村人の勝利、という状況でも、妖狐が残っていたら妖狐の一人勝ちです。つまり、人狼側も村人側も妖狐は決着がつく前に片付けておく必要があるということですね。妖狐は人狼の襲撃では死にませんが、その代わりに占い師に占われると死亡します。処刑では他同様に死亡するので、妖狐の殺し方は処刑か占いとなります。妖狐を占うと村人判定が出ます。占い師自身も殺せたかどうかは自覚することができません。」


配役


村人陣営(5名)

村人2名

占い師1名

霊媒師1名

狩人1名


人狼陣営(3名)

人狼2名

狂人1名


第三陣営(1名)

妖狐1名



 「配役は先ほどからいくつか増やしてこのようになります。先程のゲームから少し改善して、最初の夜のターンでは各役職とも動きなしとします。人狼も占い師もそれぞれ動けません。その代わり、私が役職の確認をします。完全にランダムなので私が把握できませんから、占いの結果なども出せないのです。あとは、人狼も狂人も互いに探りたいところでしょうしね。」


 「なるほど。人狼も狂人も互いに味方が誰か分からないのか。」


 「その通りです。狂人の立ち回りがとても重要になってきますね。狂人は村人よりも早く人狼を見つけなければなりませんから。」


 「これなら少なくとも最初の議論には全員が参加できるのですね。あらあら、忘れていたわ。全てに参加できない可哀想なレオンを。」


 「姉上、揶揄わないでください。俺は考察に励んでいるんですから。これ、すごく勉強になるんですよ。」



 「さて、第二回戦を始めましょう。封筒を選んでください。今回は全く作為的な意図などありませんから。」

<1回戦の配役>

イザベルさま→村人

ブルナンどの→人狼

ノエル→人狼

グレース→村人

レーヌ→村人

ネリー→占い師

マックス→村人

ダミアン→村人

ヤニス→霊媒師


<1回戦まとめ>


0日目夜 生存者9名


イザベル : 死亡

ダミアン : 村人


1日目昼 生存者8名


マックス : 処刑


1日目夜 生存者7名


マックス : 村人

ネリー : 死亡

ヤニス : 村人


2日目昼 生存者6名


ブルナン : 処刑


2日目 夜 生存者5名


ブルナン : 人狼

ダミアン : 死亡


3日目 昼 生存者4名


ヤニス : 処刑


ーゲーム終了ー

※騎士や狩人など人狼の襲撃を阻止する役職がなかったため夜の襲撃は確実に成功するから※


[3日目 夜 生存者3名


XX : 死亡]



最終生存者(3日目昼終了時点)

ノエル→人狼

グレース→村人

レーヌ→村人



人狼陣営の勝利。


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スピンオフ短篇の紹介

「ラッキー7の世界で」スピンオフ短篇

作品紹介


完結済

すべてはあの桜花のせい

悠という少年の巣立ちの物語。推理SF小説。

連載中

魔女の弟子と劣等学級 -I組生徒の過ごし方-

魔女の弟子が初めて街に降りて人と関わる学園もの。

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