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死神道化

ハロー、パンイチでコタツでアイスガチ勢のχダニャンです。

昨日のPVは~・・・(ドゥルルルルルルル)

ジャーン!!  13!! 第一話と同じPV!!!

堕ちてる!!第三話にして下落している!!!もうダメだ!!!このまま進むけど。


因みにキーワードのバッドエンド?については人によってバッドかどうか感じ方が微妙に違うのかなって思ったので「?」が付いてます。でも間違いなくハッピーエンドではないです。

『カン』『カン』『カン』


鞘から発せられる音に道行く人々は奇異の目を向ける。

ここは着物の文化もないので服装だけでも目立つ上に

真紅の着物だ、尚更目立つ。


しかし銀侠はそんな事は気にする様子はない。

どこに流れ着こうとも同じような反応をされる。

とっくに何も感じなくなっているのだ。


(・・・思ったより建物はしっかり

してやがる、ただのならず者の街じゃ

なさそうだねェ)


銀侠は現在街を探索中である。

迷子になりそうな程入り組んでいる道は

わざと造られている。


外部から攻められにくくしているのだ。

帝国に反発している為いつ帝国に攻め入れるかわからない。

対策が成されていない方がおかしい。


銀侠もぼんやりではあるが昨日ドレッドに

帝国の人間か疑われたこともあり

複雑な地形をしている理由は予測できた。


「テメェ!どこ見てやがんだ!!」


道の端から怒鳴り声が聞こえる。

銀侠に向けられたものではない。


声の方に耳を傾けると

気弱そうな男1人を筋肉質な男達が5人で

囲っている。


男達は武装はしていない、ナイフ位は

隠し持っているかも知れないが。


ギルドの人間ではなくただの

悪質な連中だ。目立つ武器を持っていると

ギルドに目をつけられるから

武装できないのである。


「ひぃ!すいません!!すいません!!」


「あ~!!これ骨折っすわ~!!」


「イテェヨ~、イテェヨ~」


痛がっている男がヘラヘラ笑いながら

棒読みでわざとらしく肩をさすっている。

囲まれてる方は泣きそうな顔だ。


「落とし前どう付けてくれんだえぇ!?」


「コリャ慰謝料貰わねーとなァ!?

うひゃひゃひゃひゃ!!!」


テンプレートなチンピラである。


「どれどれ、オイラが見てやるよ」


「は?わっ!!」


銀侠が肩をさすってる男の肩を掴み

乱暴に後ろに引き倒した。


「うぎゃあぁぁ!!!」


倒れたとき男は肩を強くぶつける

そう倒れるように引っ張った。

今度の叫びは本物ぽい。


「あらら、こら脱臼だァ病院行きねェ」


髭を撫でながら引き倒した男の顏を

覗き込む動作をする。


「うわ!なんだこのオッサン!?」


「調子にのってんじゃねぇぞ!!」


4人に囲まれても

やはり余裕そうな表情である。


「なんでェせっかく親切心で見てやったのに

文句あっかい?」


「あぁ!?寝言は寝て言えや!!」


「そうかい、んじゃガキンチョは

帰ってクソして寝てな」


「んだとコノヤロー!!」


『カン』『カン』


殴りかかって来たチンピラに刀の柄を

鳩尾(みぞおち)にぶち込んだ。


喰らったチンピラは低く短い呻きを上げて

地面に倒れる。鳩尾を押さえたまま

立ち上がる様子はない。


「なんだその妙な棒!?」


「・・・呆れるぜ、検討つきそうな

もんだがなァ」


鞘から刀を抜き放つと相手方の顔色が変わる。


「け、剣!?やべぇ!ギルドの奴だ!!

逃げるぞ!!」


脱臼した奴も血相を変えて立ち上がり

全力で逃げていった。

鳩尾に一撃喰らったチンピラは

置いていかれてしまった。


「あ、ありがとうございます!!」


気の弱そうな男が銀侠に駆け寄りお礼を言った。

だがどこか気まずそうである。


「どしたィ?何か盗られたもんでも?」


「い、いえ!ギルドの方ですよね?

い、今払えるお金持ってなくて・・・」


銀侠は首を横に振る。


「いらねぇ、通りがかっただけだ。

でも礼してくれるってならレンガの通りにある

グリーンバードって酒場があるんだ。

今夜飲みに来てくれや、オイラが奢るからよ」


「え!?奢るって・・・助けてもらったのは

こっちなのに」


気弱そうな男は申し訳なさそうな顏をする。

助けてもらった挙句に奢ってもらうなど

確かに気が引けるだろう。


「大丈夫でェ、たった今臨時収入が入った」


銀侠がまだ動けないチンピラの体をまさぐって

財布を取り出すと気弱そうな男に見せて

にんまりといやらしい笑顔を見せた。


「ほんじゃ今夜グリーンバードでな」


「あ、はい・・・」


「それとその店女店主がやってるんだが

セクハラは止めとけよ・・・」


男の肩に手を置いたその手は汗でビッショリ

だった。


「したんですか?セクハラ」


無言で頷く恩人に白い目を向けて

軽い会釈するとセクハラ恩人は「じゃあな」

と手を降りながらその場を去った。


「これで17組目っと・・・

本当に荒れた街だねェ

ま、そっちの方が都合いいがなァ」


適当に歩いているだけでカツアゲの多さに

呆れを通り越して笑いが出そうになる。

借金(セクハラ代)返せそうだから。


「おや・・・」


ふと気が付くと広場に出ていた。

中央に噴水がありそこに腰掛ける若者や

買い物に来ている親子など、平和そうな空間に出た。


ここだけ見れば治安が悪い場所なんて

思わないであろう光景が広がっている。

教会のような建物まである。


声にこそ出さないが銀侠は内心驚いている。

やはりこの街はただのならず者の街ではないのだと

確信を持った。


(問題があるのはこの街じゃねェな

多分帝国の・・・)


「あ・・・」


噴水に腰掛ける若い女性が銀侠に気が付き

震える指で銀侠を指した。

それにより付近の人々が銀侠を見て表情を

曇らせその場から離れていく。


「なんだってんだ?」


「ヒョホッ!!獲物!獲物獲物獲物獲物獲物

獲物獲物獲物獲物獲物獲物獲物のえも!?」


教会の屋根から趣味の悪い笑い声が聞こえる。

その人物は屋根から飛び降りて銀侠の頭上

目掛けて落下してくる。


その手には農業には向いていなさそうな

黒い翼の装飾が施された大鎌が握らている。


「なるほどねェ、この辺の番人ってとこかい」


大鎌が空を裂き銀侠の命を刈り取ろうした。


「しゃらくせぇ」


銀侠が刀を抜き噴水の方へ大鎌を相手の体ごと

弾き飛ばした。銀侠の手にジィィンと痺れる感覚が残る。

この感触だけで判る。ドレッドより遥かに上手だ。


飛ばされた鎌男は空中でひらりと回転し噴水の縁に

着地して顔を上げる。顏には白地の仮面を被っていた。

黒い三日月型の目、右頬に赤いスペード左に黒いハートが

描かれた不気味な雰囲気の仮面だ。


そんな仮面に加えて道化師のような先端が左右に

分かれた帽子を被っているのピエロと言って

差支えない。


「お前さん、3戦士ってやつかい?」


「ヒョホホホホ!!その通ぉぉおッり!!

ボクはギルド3戦士のピヨロだお!!

乗ってる?僕は乗ってぬぁぁあい!!

ゐェーヰ★!!ヒョホヒョホ!!いい天気★」


ふざけた態度に紛れる殺気が銀侠の肌を刺す。

隙を見せれば首が飛ぶのが嫌でもわかる。


「・・・来な」


「ヒョホ!おじさんはボクを楽しませて

くれるか~い?髭汚ね!ウホ!せくすぃ~・・・」


ピヨロがノリノリで体のくねくねさせていると

『カン』と短く張った音が鳴る。


「来ないなら行くぜ」


ピヨロの目の前に銀侠が今まさに刀を

振りぬこうとしている体勢でそこに居た。


この状況に度肝を抜かれたのは意外、銀侠だった。


(こいつ・・・)


銀侠の優れた耳は聞き逃さなかった。

不意を突いて刹那の間に距離を詰めたのにも

関わらず、ピヨロは「フフ」と空気が

漏れたように笑ったのだ。


楽しんでいる。命が危ぶまれる今の場面でなお。

仮面の下で仮面に書かれた顔よりも

満面に、邪悪に笑っている。


無防備なピヨロの胴体に刃が触れる。

しかし銀侠の手に伝わる感覚は肉を切る

感覚ではない。


金属に刃が阻まれる音と衝撃が銀侠とピヨロの

鼓膜を揺らした。


「ジャジャジャジャーン!

メタルトランプ~!!プっプっプ~おなら出そう♪」


ピヨロは言葉通りの金属製のトランプを

手品のようにどこからともなく取り出し

銀侠の斬撃をあっさりと防いで見せたのだ。


(本気で殺す気だったんだが・・・嫌んなるぜ)


嫌味を込めて銀侠は笑いながら言葉を投げる。


「こいつァ面白れェや」


冷や汗が銀侠の額から一筋流れた。

人物紹介


ドレッド・アース・アーター


緑の鎧にドレッドヘアが特徴。

ギルド3戦士の一人で実力者ではあるがいまいちパッとしない。


武器はハルバードを愛用する。通り名は「破砕旋風のドレッド」

武器に仕掛けがあるのだが銀侠戦では発揮できない理由があった。


鉱山に努めている姉がいる。

姉のことを何より大切に想っている。

余談だが姉の本職は炭鉱夫ではない。


戦力を10段評価するとしたら

5と言った所だろうか。

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