借金と書いてセクハラ代と読む
やあ、ほぼ100%すかしっぺになる漢ガチ勢のχダニャンです。
銀侠は単品だとそんなに面白いキャラじゃないんだけど
これから関わる人が増えてくると面白くなる・・・かな?(おい)
・・・・・ここで無駄な長文考えるのめんどくさくなってきたな・・・
次から短くしよ。いやもう今回から短くする。仕事で帰ってくんの遅いし。
ゲームもやりたい。でも物語も書きたいんだよなぁ・・・
俺がもう一人いればいいのになぁ・・・
因みに昨日のPVは18だったよ。
今回で20行けば大吉だな!!←目標の低さよ
「おいドレッド、こんな所で寝るんじゃない」
日が昇り始めた明け方。
まだ外気が冷たい時間帯だ。
昨日銀侠との戦闘で失神した緑の鎧の
ドレッドヘアの男が乱暴に蹴り起こされた。
「う!っつつ・・・もうちょっと優しく
起こしてくれよ、ゴルドル」
金の鎧に金髪のさらさらヘア
女性からモテそうな整った顔立ち。
まさしく王子様系のさわやかなイケメンの
青年。それがゴルドルである。
「うるさいぞ、僕に口答えするな。
ただでさえお前はギルド3戦士の面汚しなんだ
これ以上ギルドの威厳を貶めるな」
呆れ顔でため息を溢しながら
言葉を続ける。
「で?なんでこんな所で寝ている?
酔いつぶれてたのか?」
「・・・ああ、そうだよ酔い潰れてた
いい女をひっかけられそうだったんでね」
ふてくされた声色で鎧に付いた
土を掃いながらのそのそと立ち上がった。
「女?馬鹿だな、女なんか勝手に
寄ってくるハエと同じだよ。ハエと」
「フン、言ってろ」
ドレッドはゴルドルの事が嫌いだ。
高圧的でいつでも他人を見下している。
そんな態度が気にくわない。
しかし剣の腕が立つし顏もいいから
モテる。それが余計に腹立たしい。
酔いつぶれたと嘘をついたのは負けたと
知られれば散々罵倒されるのが
目に見えているからだ。
酔いつぶれたことにして嫌味をネチネチ
言われる方がまだマシなのだ。
本来負けたことをギルドの長、ラースに
報告した方がよいのだが、ゴルドルの事を
考えるとどうしても話す気にはなれなかった。
「ところで魔族退治の依頼が来ていた。
炭鉱でハーピー退治だ、付き合え」
「えぇ!?あの魔石の炭鉱か!?」
ドレッドは目見開いて驚いている。
この街の貴重な資源なのである。
ゴルドルが見下している相手を誘うのは
それほど事態を重く見ているからだ。
帝国に反発しているので資源を手にいれるルートは
限られている。事態は一刻も争う。
「他にどこがある、行くぞ」
「クソ、ハーピーが棲んでるの隣の山だったろ!?
なんだってそんな所に!!」
「僕が知るか」
ドレッドはハルバードを拾ってゴルドンの後を
苦虫を噛み潰したような顔をしてついていった。
「姉ちゃん無事でいてくれよ・・・」
ドレッドは胸に手を当て無事を祈った。
・~・~・~・・~・~・~・・~・~・~・
「ギルド3戦士?昨日のあのヘナチョコが?」
銀侠はチャーラの言葉に耳を疑う。
チャーラによるとギルドの実力トップ3が
ギルド3戦士を名乗っているらしい。
破砕旋風のドレッド、高貴なる雷ゴルドルそして
3戦士最強と恐れられる死神道化ピヨロ。
所謂幹部といった所だ。
その上にギルドの長ラースが君臨している。
「ええ、でも実際に強いんですよ、ドレッドは。
だから驚いてしまって・・・」
「あれでねェ・・・他の連中も大したこと
なさそうだ、通り名だきゃァ立派だがなぁ」
呆れながらチャーラが朝食代わりに出してくれた
スープを啜ると野菜の旨味が最大限溶け込んだ
汁が口から胃袋、胃袋から全身に巡っていく。
久々のまともな食事というのを差し引いても
絶品と感じただろう。
「美味ェ・・・これも体に染みるなァ。
体にも心にも染みて来やがる」
「ふふ、よかった」
「スープだけでも切り盛りできるんじゃねェかい?
この店閉めちまうのは勿体ねェ・・・」
「え!?昨日の聞いてたの!?」
チャーラが自分の分のスープをこぼしそうに
なるほど動揺した。
「耳だけが取り柄だからよ
聞こえちまったィ」
「単純な理由なんだけどお客さんが来ないのよ
他にもっといいお店があるから」
目を伏せて語るチャーラの声から
それだけではない、何か隠している別の理由が
あると銀侠は悟る。
銀侠は視力が無い代わりに聴力が発達している
チャーラの微妙な声色の変化で分かってしまった。
ただ、所詮旅の根なし草。根本的にどうこうしようとは
思わない。
「この店の名前なんて言うだ?
盲目だからよ、字が読めねぇんだ」
「あぁ、そうよねグリーンバードよ」
「変わった名前の酒場だな。
ところでギルド?ってのがこの街を
仕切ってるのかい?」
「そうよ、自警団も兼ねてる感じかしらね
もっとも、お金を払わなきゃ何もしてくれない
人達だから街は結構荒れ放題よ」
「へぇ、話が変わるが頼みがあるんだ
構わねェかい?」
「なに?私に出来ることならいいわ」
「胸に揉ま『ガンッ!』
白髪混じりの頭の上にフライパンが
勢い良く降ってきた。
「なにすんでェ痛ェじゃねェか」
「昨日の酒が残ってるようなので・・・」
銀侠を見るその視線は明け方の空気より
冷たい。
「わァったよ、悪かった。じゃあ尻で・・・ん?」
銀侠が言い終わる前にスープの入った
鍋を持ってカウンターから身を乗り出した。
「あっちぃぃぃぃ!!!ちょっ!!」
背中にスープを流し込まれ堪らずイスから
落ちて床を転げ回っている。
「悪かった!!悪かった!!
冗談でェ!本気のわけねェだろィ!!」
「あぁそうなんですか、お会計
100,000マドルになりま~す」
そう言う彼女の瞳と声に感情はやどって
いなかった。
「あれ?昨日奢るって言ってたなかったかィ?」
「もう日付変わりましたからスープ代です」
「スープ一杯10万!?こちとら壱文無し
なんだぜェ!?」
「そうですか、今夜まで開けとくので
稼いで来て下さい」
「結構な無茶言うねェ!?」
セクハラ後終始チャーラは感情なく対応
されて銀侠はなくなく店を出た。
チャーラが「気を付けて」というと銀侠は
髭を撫でながらフっと鼻で笑う。
「驚かせてやらァ、夜まで待ってな」
チャーラの返事を待たないで銀侠は店から
出ていった。
カウンターにぽつんと取り残されたチャーラは
ため息交じりに一言こぼす。
「まったく・・・スケベな人」
チャーラが呆れて笑ったのに気がつかないまま
店から出た銀侠は欠伸しながら伸びをする。
「さて、行くか」
一時しのぎでしかないが面白い事を思いついた。
一宿一飯の恩位は返さなくては。あと借金も。
刀を杖に一歩踏み出す。
石畳に鞘がぶつかり『カン』と音を鳴らした。
人物紹介
雨入銀侠
生まれつき盲目の旅の侍。
エコーロケーションという技術を用いてクリック音などから
周囲の状態を察知することが可能。
エコーロケーションは実在する能力で舌打ちによるクリック音で
建物の材質までわかるのだとか。銀侠は舌打ちの他に細工された鞘から
発せられる音でも周囲の確認が出来る。
雨入外道流剣術の使い手であり超一流の剣士。
外道流は先祖の犯した過ちにより一族追放と共に名が
外道流へと変わった失われたはずの剣術。
ほぼ全ての雨入一族が武術を捨て各地へ散り散りになった
最中、誇りを失わず細々と伝承されてきた。
銀侠が生まれた際、目が見えない事から両親は剣を
遂に捨てようとしたが、銀侠は見事に外道流を習得して来た。
外道流の本当の名は今は世界でただ一人銀侠のみが知っている。
女と酒が大好き。
一人称は『俺』