グリーンウィング
おっす、オラ社畜!
マスクがねぇ! 消毒ねぇ! 手洗いねぇ! 紙コップ求めてぐーるぐる!!
オラこんな職場いやだ~ オラこんな職場いやだ~
有休を取るだ~
・・・ただし有休取った日にち分休日出勤が待ち構えている。
ふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁ!!!!!!!!
寝よ。誰か俺を慰めてくれ。
「やれやれ、アンタが来たからみんな
ビビって帰っちまったよ」
さっきまでの店内の賑わいが嘘のように
静まり返っている、狭い店内にあふれてた
人がたった3人になったのだから静かにもなる。
ドレッドとクリスチーヌがカウンター席に座り
その向かい、カウンターの中でチャーラが
不機嫌そうに立っている。
「ごめんなさい・・・」
先に謝ったのはドレッドではなく
姉のクリスチーヌだった。
「貴方は謝らなくていいのよ」
チャーラが首を横に振ると
ドレッドが続けて頭を下げる。
「本当にすまない・・・その、姉が心配で
気が立ってたんだ」
「気持ちはわかるけどねぇ・・・
初めてこの店が客で溢れたのにそれを
壊されちゃたまんないよ」
「それは、ラースの呼び出し無視したからで」
「は!あんな汚い親父に売る体なんてないよ。
自分に従わないから客が来ないように妨害してる
なんて身勝手が過ぎるね」
「・・・確かに俺もラースは好きじゃない
姉ちゃんもラースに呼ばれたことがあったよ
俺が3戦士だったから頼み込んだら渋々
諦めたけど」
「ごめんね、ドレッド私のせいで大変だよね」
「姉ちゃんのじゃないよ!」
「そうそう、悪いのはラースだろ
帝国に居場所がない奴等が流れ着く街で
他に行き場がないのを知ってて好き勝手してんだ。
本当に救いようのない屑さ」
ひとしきり文句を言い終わった所で
グリーバードに客が来てくれる要因を
作ってくれた立役者を存在を思い出した。
「そういえば銀侠はどうしたんだい?」
「ああ、そのまま旅にでたよ
忘れるところだった。これ銀侠から
預かって来た」
ドレッドが懐からパンパンになった袋を
取り出してカウンターに置いた。
「金だけ置いてくなんて、まったく・・・
粋なことでもしたつもりかねぇ」
袋を手に取り中を見ると10万以上
入っていそうだ。
「私、ちゃんとお礼言いたかったな・・・」
クリスチーヌが視線を下に落とす。
ドレッドにはその表情が少し寂しそうに見えた。
(ま、まさかアイツに惚れた
とかじゃないよな・・・?大丈夫だよな?
大丈夫なんだよな!?いやいや大丈夫って何が!?
姉ちゃんが幸せなら相手は誰だっていいんだって!
あ、でもアイツもうここには来ないじゃん。
ってことは実質セーフでは?いやだから何が
セーフなんだって話なんだよ俺のバカ!!)
ドレッドが頭を抱えて首を振っている。
いろんな感情がごちゃ混ぜになって
プチパニックなのである。
「なんでェ、そんなにオイラが恋しかった
のかィ?」
店のドアが開く音と共に聞こえた声の方を見ると
赤い着物の男が無精髭を撫でながらヘラヘラ
笑って突っ立っていた。
「あ!銀侠!!なんで居るんだよ!
旅に出たんじゃないのか!?」
「おう、そのつもりだったんだがな
ちょいと鉱山で余計な荷物拾っちまってよ」
銀侠がセリフを言い終える間際に店のドアが
大きな音を立て勢いよく開かれた。
「ちょっと!誰が荷物だって言いますの!?
無礼千万でしてよ!!」
店に入って来た金髪の小さな女の子が銀侠を
睨みつける。
「ちょ、ちょっと、コリそんな大きい声
出さなくても・・・」
女の子に続いて背丈に合っていないローブを
纏った新緑色の髪色をした少女が入店する。
その綺麗な色の髪を見た瞬間ドレッドが
口を開いた。
「あ!ハー・・・ヴぃふ!!!」
銀侠が瞬く間にドレッドとの距離を詰めて
口を塞いだ。
「ちょっくら面貸せや。
お~い、この男借りてくぜ
コリとセレナーデは中で待ってな」
「はい!わかりました!!」
「ム~!!ムム~!!ンンンン!!!」
ドレッドが銀侠に店の外まで拉致されてしまった。
チャーラとクリスチーヌはその様子を唖然と
見ているしかできなかった。
「おい!どういうつもりだ!!ハーピーなんか
連れ込んできやがって!!」
銀侠の手が口から離れた途端強い語気で
詰め寄った。
「身寄りのないガキ連れてっから仕方なく
戻って来たんでェ、むさい顏近づけんなィ」
面倒そうにドレッドの体を
押し返し言葉を続ける。
「で?あのガキンチョはともかくもう片方は
どうする?始末する気かィ?」
「バカ言え!命の恩人だぞ
そんなことするか!!」
「んじゃ、追い出すかィ?」
「・・・好きにしろ、俺は何も見ちゃいない」
銀侠に背を向けてその場を立ち去る。
3戦士の面子の為魔族と一緒に居るのが
誰かに知られるとマズイからなのだろう。
自分でも言っていたが命の恩人を無下に
扱うことも出来はしないのだ。
「やれやれ、立場ってのは面倒臭ェな」
頭を掻きむしりながら銀侠は店に戻った。
「へぇ~、綺麗な色の翼だねぇ・・・」
「ほんと!綺麗な緑ですね!!いいな~私も
翼欲しいな~・・・」
「本当ですか!?褒められると嬉しいです!!」
カウンターの上に立っているセレナーデは
褒めちぎられた新緑色の翼を広げ
楽しそうにクルクル回っている。
ローブは雑に床に脱ぎ捨てられている。
コリがカウンターから離れた席に座って
両手で顔を覆って所謂クソでかため息を
噴出し続けていた。
銀侠は無言でコリの隣に座り
「お互い苦労するねェ・・・」と言い
コリの方に手を置いたのだった。
ていうかアレか、俺気管支弱いからコロナったら危ないんじゃ・・・?
環境的に貰いかねない状況だしなぁ・・・
怖いなー、皆さんも重々気を付けてね。
それと怖いからって必要以上な買い込みをしないように。
ほんっと対策しなきゃならない場所に行き渡らないからね。
最後にウィルスって変質するもんだから若いから
大丈夫なんて思わない事!いいね!!
この物語の更新止まったらまぁそういう事なので
そん時はすんません。貰いたくて貰うわけじゃないからね。
では次回更新でまたお会いしましょう!!
・・・あれ、誰も居ねェ!!