エリカ
僕の涙は青い青い果実のよう――…
銀の雨に 重なり逢う
悲しみの模様まとう エメラルドの羽音色さ…
甘い蜜の先に伸びる 盲目のつめ草の蕾
枯れかけた遊水地にモアレの魚群
倒れたからだは風景画の中で 君の露光に目を覚ます
僕にささやく 心の寺院から吹く
うつろな胸に あの優しい風が胸を撫でる
となり会う君の愛の半導体に
聖なる紙の上を滑る 君の心の絵筆が描き出す
君の涙は 星の運河を流れ出し―…
船をこぎ出す僕の心を試すのさ
ー君が微笑みかけた声は―
霧の荒野を歩く僕の爪先に咲く 『一輪のエリカ』
僕にささやく 心の寺院から吹く
君の心が生み出す聖画のなかで僕は―…
僕は君を 抱き締めるんだ