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2.僕の趣味は読書です

書き溜めに余裕があるのでもう一つだけ。

 目が覚めると、俺はベッドに寝かされていた。多分ここは異世界なんだろう。

 起き上がって立ってみる。

 目線が低い!まじで5歳児じゃん。てかここどこだろう。

 そこは小さな部屋で、あるものはベッドと机とイスくらいだった。

 ベッドが2段だったら学生寮の部屋みたいな感じだな。机とかちっちゃいけど。

 と、その時背後でドアの開く音がした。


「おやまぁ、目を覚ましましたか」


 そこに居たのは修道服に身を包んだおばあさんだった。たぶんシスターさんなんだろう。

 ってことはここは教会かな?


「門の前に倒れていたから心配したのですが、元気そうでなによりです。言葉は話せますか?お名前は?」


 んー。言葉かぁ。通じるのかな…女神様に聞いときゃよかったよ。名前は…前世のでいいかな。


「リョウ」


 と一言。5歳児だから普通はあまり喋れないだろう。わかんないけど。5歳児ってどんなもんか記憶もないし、触れ合う機会もなかったからなぁ…。通じたかな?


「リョウ君ですか。自分の名前は分かるのですね。おうちは覚えていますか?」


 んんー。家か。ないよな。

 とりあえず首を横に振っておいた。


「そうですか。記憶が無い捨て子ですかね。ここは孤児院です。今日からここがあなたのおうちですよ。引き取り手が現れるまではここで生活しましょう。私はシスターアザレアです」


 アザレアさんか。ここは幼い感じで答えよう。

 俺は頷いて一言。


「ん。しすたー」


 はい完璧!ちゃんと5歳児できてる気がする!

 そういうわけで俺の孤児院生活が始まったのだった。





「朝は私が呼びにきますのでそしたら朝ごはんです。それから………」


 アザレアさんがここでの生活を説明してくれてるけど…5歳児って普通にこの話を理解できるのだろうか。アザレアさんの説明によると、ご飯は3食決まった時間にアザレアさんが呼びに来るので、ついて行って食べればいいらしい。それ以外の時間は自由時間。やったね。敷地から出なければいいらしい。おもちゃが置いてある遊ぶ部屋があるみたいだけれど、俺はそんなもので遊んだりはしない。だって中身17歳ですから。本が沢山あるちょっとした図書室みたいなのがあるようなのでそこで本でも読んでおこうと思う。女神様が情報をくれなかったからこの世界について少しでも知らないとな。


 ということでやって参りました図書室。結構本があるな。ほぼ絵本だけど。

 適当に読んでみようかと1冊とって開いてみた。

 …………。読めない!なんだこの言語!うわー。言葉通じたから油断してたわ。文字がアルファベットなのはわかるんだけど、文法とか単語とかわかんないから無理ですわこれ。英語嫌いだったからアルファベットにも抵抗があるんだけど…。

 とりあえずアザレアさんに本を読む方法を聞いてみよう!


「しすたー。これよみたい」

「リョウ君ですか。あぁそれは難しい絵本なのでまだ無理ですよ。基本的な読み方が書かれている本を教えますね」


 そう言ってアザレアさんは本を探し始めた。

 いやー。この絵本の絵ならわかるんだけどなぁ。これ難しいのか。


「リョウ君。これで読みを勉強してみてください」


 そう言ってアザレアさんは1冊の本を渡してくれた。


「ありがと。しすたー」


 すぐに俺は読み始める。

 ……。読めないのに文字で読み方示されてもわかんなくない?


「リョウ君。このマークに触れてみてください」


 アザレアさんが俺の手をページの端にあるよくわからん紋章に触れさせた。すると、頭に音声が伝わってきた。

 これあれか。魔法的なやつか!感動した。すげーな魔法。


 1時間くらい読み続けただろうか。やっと読み終わった。頭の中に音声が流れて、それに従って文字を読むとなぜか理解出来た。そして読み終わった直後。

 テロン♪

 なんか頭の中で音がしたんだけど。


「リョウ君。読み終わったのですか。ならステータスを見てみてください」


 あ、アザレアさん待っててくれたんだ。って、え?ステータス?


「すてーたす?」

「心の中でステータスを見たいと念じれば自分のが見えるはずですよ」


 へぇ。ステータスがあるんだ。っ!!女神様はああ言っていたけどもしかしたらすごいスキルとか持ってるかも!念じればいいんだっけ。えーっと、ステータス出てこい!


 俺がそう念じると頭の中にステータスが浮かんでくる。ゲームのステータス画面みたいだ。



 種族: 異世界人

 名称: リョウ

 年齢: 5歳

 職業: なし

 〈ステータス〉

 HP 54/54

 MP 6/6

 腕力 24

 魔力 11

 敏捷 18

 知力 5

 〈スキル〉

 言語学:Lv2 鑑定阻害:LvMax



 うん。鑑定阻害だけはすごいね。あれか、俺異世界人ってなってるし鑑定されるとやばいから、女神様がつけたんだろう。

 言語学は話したり文字読んだりに必要なのかもな。さっきの音がスキルレベルアップの音なら、言語学のスキルレベルが上がったんだろう。元からあったと考えると、女神様が話せるようにつけてくれたのかもな。期待してたようなすごいスキルは見当たらないし、まじでなんもくれなかったなあの女神様。いや、言語学と鑑定阻害はありがたいのかもだけど、なんだかなぁ。知力5ってさ、ばかにしてんのかな。


「見れましたか?言語学のLv2をリョウ君が持っていれば、本で学習した成果があったということです」

「うん。あったよ」

「それはよかったです。1回読んだだけでスキルレベルが上がる人は少ないので、リョウ君は頭がいいのですね」


 おぉぉ。俺なんか頭いいっぽい。やったね。知力5だけどね。


「勉強すればスキルが取れるので頑張ってくださいね。言語学は熟練度でも上がるので、ここにある本をたくさん読むと良いと思いますよ」

「うん。しすたーありがと」


 アザレアさんがさっき言ってたよな。勉強すればスキルが取れるって。まぁ語学が勉強無しで取れるわけないか。とりあえずここにある絵本を片っ端から読んでみよう。

 おぉー。訳分からんかった絵本が読める読める!書いてある文字はひらがなみたいな感じで読みやすい本だったんだな。


 俺はそれから毎日本を読み続けた。1年くらい。暇人かって?実際そうなんだよ。自由時間はほとんど読書に費やしていたと思う。この世界は魔獣がいるみたいで、冒険譚の絵本は特に面白かった。中身17歳なんだけどなぁ。絵本楽しめちゃってるよ。あ、1年経ったし18歳か。そして図書室のまだ読んでない本も残りわずかになった頃。


 テロン♪


 はい。レベルアップきたー。でもさ、ここにある本さ、絵本ばっかじゃん。実感ないんだよね。

 その約1ヶ月後、俺は図書室の本を読み終わったのだった。

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