1.俺の死と異世界転生
初投稿になります。至らない点もあると思いますが、読んでいって貰えると嬉しいです。
更新ペースは1週間に1話投稿出来ればいいかなと考えています。(もしかしたらペースを上げるかも知れませんが)
「今日も疲れたなぁ…とっとと家帰って寝たい。昼まで寝たい」
俺、神田凌はバイト先のコンビニからの帰り道を歩いていた。
現在17歳の高校3年生だが受験勉強はしていない。高校受験で失敗し、滑り止めにしていた私立高校に進学した俺は、元から勉強が嫌いなのもあってあまり勉強をしないできた。
勉強をしないため俺にはかなり自由に使える時間がある。俺はその時間を小遣い稼ぎのためのバイトに費やしている。私立高校の授業料が高いので親から小遣いを貰えないのだ。
なんでもーちょい勉強頑張らなかったかなー、中学の俺。まぁ、勉強が嫌いだからあまりしなかったのが原因だろうけどね。中途半端に地頭がよかったから進学校を狙えるくらいだったんだけど、落ちちゃったんだよなぁ…。もうちょい安全策をとればよかったと思うけど、過ぎたことは仕方がない。大学に行けるほど勉強してないし、高校卒業したら就職かなぁ。
「そこの君ー。こんな時間に何してるんだい?」
おっと。ぼーっと歩いてたらおまわりさんに声かけられちゃったよ。
「ただのバイト帰りですー。そこの交差点渡ったらすぐ家に着くんで、心配しなくても。大丈夫ですよ」
「なら良かった。君疲れてるみたいだし辺りも暗いから気をつけてねー」
そう言っておまわりさんはチャリで去っていった。
たしかに夜遅いけど声かけるほどだったかな?そんなに疲れた顔してんのかな俺。
なんて考えてた時だった。
左側から鳴り響くクラクションの音。だんだんと周りが明るくなっていく中俺が見たのは赤信号だった。
あぁ…車通り少ないからって油断してたわ。これ完全に赤信号渡ってる俺が悪いじゃん…。
俺は強い衝撃を受けて意識を手放した。
気がついた時には、俺は辺り一面真っ白の世界にいた。
ここどこだよ?俺死んだっぽいね?おじいちゃんに久しぶりに会えるかなー。俺が反抗期だったのもあっておじいちゃんにはあまり孝行できなかったんだよな…。
………………。
まじで誰もおらんの?死後の世界ってこんなんなの?
「誰かいませんかー?いたら返事してくださーい」
なんかありきたりな台詞だな。でも不安なんだよな。俺ずっとこのままとか死ぬよ?あ、俺死んでるかもしれないんだった。
あ!もしかして!俺死んでないんじゃない?意識不明とかでそのうち戻るんじゃない?だからこんな所にいるんだよきっと。そーゆーことかー。理解理解。ここは夢の中だー。
「いえいえ、あなたは死んでますよ」
………。このタイミングで反応しますか。ちょっと希望を持ち始めたこのタイミングで!酷くない?
「あなたがなかなか意識をもどさないので、私は長い時間待っていたのですよ。少し留守にしていたっていいじゃないですか」
え、何この人。この空間出入りできるの?神様的な?
「そうです。私は学問の女神です」
まじかー。そーゆー展開かー。
「って、ちょっと女神様?さっきから俺の心読むのやめてもらっていいですかね?」
「あなたがなかなか喋らないから、私が親切にも心と会話していたんですよ。読まれたくなかったら喋ればよかったのです」
「いやそんなこと言われてもなぁ。状況が飲み込めなくてですね?」
「そんなものは簡単です。あなたはぼーっとして油断していたところを車にはねられて死にました。そして今ここにいます」
「そして今ここにいますって…ここってどこなんですか?」
「それはなんと説明しましょうか…まぁ死んだ人が稀に私と喋れる部屋です。あなたは光栄に思うべきです」
「はぁ…よくわかんないですね。なんで俺女神様と喋ってるんですか?俺死んだんですよね。あの世に行くとかじゃないんですか?」
「あなたは私の独断と偏見により選ばれたのです。あなたはこれから今までいた世界とは違う世界に転生してもらいます」
えぇ…なんで俺なんそれ。いやおもしろそうだけどさ。
「えーっと、それなら俺はなにをすればいいんですか?」
「順応が早いですね。いいことです。特にしてもらうことはありませんので、これからあなたを異世界に送りたいと思います。」
「いやいやちょっとまって。その異世界ってどんなところなんですか?さすがになんの知識もないまま送られると困ります」
「人間は最初なんの知識もないまま生まれてくるのですよ?知識はあちらで仕入れてください」
「そりゃそうかもしれないですけど…」
「仕方ないですね。1つあちらの世界の特徴についてヒントを挙げるとしたら、私は学問の女神です。あちらの世界は私が創りました。」
学問の女神がヒントってどういうことなんだ?
「他に聞いておきたいことはありませんか?まぁ聞かれても答えられるとは限りませんが」
「えっと、異世界に転生するって聞くとよく特典的ななにかがあるじゃないですか。俺のそれってなんですか?」
「そんなものはありませんよ。あるとしたら前世の知識くらいですね。他にありませんか?」
「えぇ…そうなのか…。他にはー。えーっと、えーっと」
「もうないですね。長々と話しているとこちらも疲れますので、送りますね」
え、ちょっと。他に…他になにか聞いておくことないかな。今聞いておかないとまずいよなぁ。
「準備が出来ましたのであと30秒くらいで異世界に到着です。あなたは赤ちゃんからでは困るかもしれないので、5歳くらいから始めてもらいますね。実験にご協力頂きありがとうございます」
5歳かぁ…てか、俺って実験台だったのかよ!
……。そして俺の意識は薄れていった。