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お久しぶりです!

コロナのせいでいろいろと忙しくしていてかけていませんでした、、、

それでも!自分の中では第1章は出来上がったと思います!

暴走兵の一件から二日後アキラは今までは変わらず学校に登校していた。

朝のニユース番組はどこもこの事件を取り上げている。死者、重軽傷者はかなりでてしまったらしい。それと同じぐらい≪SMDs≫のアルファ壊師がこの一件をおさめたとして取り上げられている。被害にあったビルに関してはなにも聞いていないがハピーエンドでも祈っておこう…。

教室に入るとクラスメイト達に囲まれる。


「壊師ってどんなひとだった?」

「どんな戦いがあったんだよ!」

「きて平気なの?」


などと接点のない只のクラスメイトがアキラに話しかけてくる。もちろんアキラは一言も話さず右から左へ流している。アキラが自分の座席になんとかつけたところでピッタリチャイムがなる。


「ほら、皆、アキラの心配するより先に自分の心配しなよ、チャイムなってるよ10秒待ってやるから席着いてー」


担任であるリュウの一言に周りに居たクラスメイトは急いで自分の席につく

そこへ1人遅れて入ってくるやつが居た。


「ケンタ遅いよ?減点ね?」


「え!?ちょ、ちょっと待ってください先生!?トイレいくので遅くなりますって断ってから行きましたよね?冗談ですよね!?」


ケンタは驚いているようでかなり慌てていた。

高等部の成績の大半は定期試験の点数でつけられがちだ。が、この学校は日頃の行いの点の平均100点満点と試験の平均100点満点で2つの平均が80以上でなければ留年になるらしい。中には減点方式で生徒を見ている先生もいるらしく軽率な行動をとるやつはそうそういない。


「もちろん冗談だよ?」


先生が笑顔で言い切った。


「先生心臓に悪いので勘弁してしてください…」


ケンタはそういいながら、ため息をついて席に着くのだった。そこからは何事もなくいたって普通のホームルームだった。


「あ、そうだ、アキラー終わったらちょっと廊下きて」


終わり際にリュウにアキラが呼ばれた。


「昨日は、アキラが一昨日の事件に巻き込まれ病院で検査を受ける為欠席したということにしてある。街の防犯カメラの映像は軍が管理してて軍団長の許可なしじゃ持ち出せないから証拠は有って無いようなものだから安心して良いよ」


(だから、壊師のルックスとかどんな戦いしていたのかだとか聞かれてたのか…それにしても…安心して良いものなのか…)


一応リュウの話にうなずいて返答する。しかし、アキラは事件に巻き込まれたのは無理があると思った。実際、事件に巻き込まれに行くのなら軍の包囲を突破しなければならない。だが普通の生徒にそんなことはできない。かといって事件に最初から巻き込まれるのならまずはテストを抜け出さなくてはならなかっただろう。


(…証拠はリュウさんやハンナさ…センパイが消してくれたらしいが、それでも怪しまれて誰かにマークされかねないな…)


と、考えながらも足は動かし自分の席につく。


「おーい、アキラくんー何ボーッとしてんのー」


顔の前でケンタが手をふってアキラを呼び掛けている。


「っ!?」


それにアキラは気づくと無意識に椅子を踏み台にして後ろに飛び退いてしまった。なぜかはアキラにもわからなかった。ただ、アキラの手足は少しだが震えている気もした。


「そんなに驚かなくても良いでしょ」


少し笑いながら言われてしまう。アキラはこっそり深呼吸をして平然を装って席に座り直す。

いまだに少し震える手で画面を操作して1限目である科学の画面を呼び出す

幸運にもそこでチャイムと共に先生が入ってきたためさらに笑われずに済んだのだった。


「今日から新しい単元の『私たちの生活とFSP』に入ります…はい、ということで、ね、えーっとページは26かな?はい、始める前にケンタ3つのFSP言えるか?中等部で習っただろ?まさか言えるよな?」


先生の名前は忘れてしまったが、眉太めの中年おっさんがタオルで汗を拭きとりながらケンタい問う。アキラにはなんのことだかさっぱりだが、ケンタには分かるらしく自信たっぷりです感をかもしだしながら立ち上がった。


「mFSP、sFSPそれからpFSPで、mは魔力、sは構造、pは純粋を表しています」


周りがちらほら首をかしげている様子から中等部で習ったといってもかなり前のことだとうかがえる。


「そうだ、よく覚えていたな軽くしか説明してないんだが意味まで調べたか…、はい、その通りですね。忘れてるやつは見返しておくように…ね、はい、それで、今回からの単元はこのFSPについてもっと深く学んでいこうと思います」


所々で自分で「はい」といっている事に少し笑いそうになるアキラだった。


ふと視界が暗いことに気づく、一瞬何事かと疑うアキラだが知らない内に寝てしまっていたようだった。すでに教科担当の先生は退出していて皆は次の授業に向けた予習を始めている。


(知らないものが出てきたから寝るわけにはいかなかったが、寝てしまった…)


そう気がついたときにはもうすでに遅く次の授業の開始が告げられてしまうのだった。

そのまま、授業は進んで行った。

昼食を食べ終え用をすませ教室に戻ろうとしたとき事は起こった。

けたたましいサイレンの響きと共に警察車両が敷地内に乗り込んできたのだった。

窓の外を見ると昇降口前で校長とハンナと軍事科の生徒らしき人物が向かい合っている。


(かなりの数…しかもなんだあの装備、スーツにサングラスって…あ、なるほどバレにくくするためにわざと用意されてたのか)


氷の暴走兵の一件の時に用意されていたアキラの装備を思い出してはじめて納得がいった。

それと同時に校内放送が開始された。


「生徒ならびに職員に告ぐ、直ちに各自の教室に集まり指示があるまで待機するように…繰り返す、直ちに各自の……」


誰もが聞き覚えのあるこの学校の校長の声、しかし、どこかいつもよりも威厳の感じられるそんな放送だった。それほど急を要する事態なのだろう。

素直に従って教室へ戻るとすでにほとんどの生徒が席についていた。


「おそいぞーアキラー」


担任であるリュウに忠告を受けてしまった。


「今、軍が中等部で調査しているからそれまで怪しい動きせずに静かに待っていてほしい」


そういいながらリュウは生徒一人一人に1錠の薬を渡してきた。


「これは睡眠薬、皆が眠っている内にデータの照合と必要な検査済ませちゃうから、さ!飲んだ飲んだ!水がなくてものめる良いやつだよ」


それを聞くとみんな少しためらいながらも眠りに落ちて行く…。アキラも薬を飲むと目を閉じて眠気が来るのを待つ…が来なかった。代わりに揺すられた。


「アキラもユウも何で寝てるんだい?君たちに飲ませたのは栄養剤だよ?」


どうやら壊師としての仕事があるようだ…。教室の入り口ではハンナが笑顔でこちらに手を振っている。2人はリュウからコインを受けとると机の角で割って黒スーツの変装をする。


「防犯カメラに写っていた生徒はぁ~いなかったですぅ~それどころかぁ~同じような体格の人すらぁ~」


静な廊下をゆっくり歩きながらハンナはゆっくり報告した。ユウは頷いているがわざわざその生徒を捕まえるためにここまで大事にする必要性をアキラは感じずにいた。


「あ、あとぉ~お外でぇ~軍事科の生徒がぁ~…」


外というワードを聞き外を見るとその光景に目を見張った。眼下にはもうすでに激しい戦闘が繰り広げられていた。十数名の生徒対百を越えるであろう数の兵士の衝突だ。しかし何も音が聞こえない、ときどき流れ弾が飛んでくるが何かにぶつかって飛んでも来ない。なんとも不思議な現象だ。


「おそいよ…防衛と戦闘の補助は得意だけど暴走してる生徒相手はそこらの兵士よりもしんどいんだからね?…」


コウだった。だが以前とは違う、その背では小さな白い球体どうしが線で結びついて大きな羽を模し、彼の周りを8つの同じ球体が浮いていた。汗が頬を伝わり地面に落ちて水捌けの悪い屋上に小さな水溜まりを作っていた。それでも手を止めず指揮を振り続ける。それに合わせて球体からは音符が出てくる。


「…見てないで早めに終息させてもらえる?ハンナも」


「は~い」


ハンナの間の抜けた返事と一緒にアキラたちはうなずいて戦場へそのまま繰り出した。

そう、助走を付け屋上の縁を蹴ってなるべく距離を稼ぎ突っ込んでいくのだ。


降りるとすぐ目の前で生徒と兵士数名が対峙している。兵士の方はかなり消耗しきっているようだった。そこでアキラは愛刀を暴走している生徒めがけて投げる。ユウはスモークを焚いて時間稼ぎをする。


「…刹羽流戦闘術…」


そういいながら回収した刀の背に手をそえる。アキラは最初から本気で挑むつもりだった。

横にいたユウはスナイパーライフルを構えている。かすかに流れている旋律にのせて飛び交う攻撃を流して近付く…相手が弱いのか思ったよりも苦戦はせずに懐にはいりこめた。狙撃のお陰もなくはない。そのまま相手に斬りかかる。

しかし、ほんのわずかのところでアキラの動きが止まった。それはアキラ自身にもなんなのか分からない。どうにか動かそうとしても震えているだけで体は動かなかった。そして、紅い炎を纏う拳がアキラの胸を貫かんと繰り出される。その一瞬に拳とアキラの間に何か入るのがアキラの瞳に写り、体全体の猛烈な痛みと共に今度は暗い雲が見えた。中距離から支援している兵士達の方へ巻き込みつつ転がり飛んだのだった。

鉄の味なんてものは気にせずさらに歯を食いしばり巻き込んだ兵士の銃を杖に立ち上がる。その正面には音符の壁をただ一心不乱に殴り続ける敵の姿があった。

杖がわりにした銃…チャージ式アサルトライフルのカートリッジを取り去る。丁度あった補給箱から別のカートリッジ乱雑にとり、再接近を試みながらリロードを終わらせる。

このときアキラの頭の中には敵の殲滅以外の考えは持ち合わせていなかった。自身の出せる限界の速さで一気に背後に回る。敵のがら空きになっている後頭部に銃口を向け数発撃ち出す。

周囲にその動きを認識できたものは誰ひとりいなっかった。遠くから様子を見ていた1人を除いては…。


「『pizzicato(ピッツィカート)』」


ふと聞こえたその一言でアキラの放った弾がすべて音符にはじかれる。屋上にいるはずのコウの声だった。音符は他にもありアキラに纏わり付いて行動を制限してくる。見るとさっきまで相手をしていた暴走生徒も同じ状態になっていた。


「相手は生徒だよ?暴走兵の一件で気合入っているのはいいけどさ、仕事は増やさないでくれるとありがたいかな…。ハンナが何人かを同時に相手してるお陰で、ある程度楽になったけどこれじゃプラスマイナスゼロだよ」


その本人が空から降りてくる。屋上にいたときと様子は変わらず球体たちが結びつき神々しさがあった。もちろん指揮は止めずに振り続けている。


「すまなかった」


「そこは『警告ありがとう』っていってほしかったかな、その方がお互い気分が良いからね」


こんな戦いの中で何をいっているのかと少し睨んでしまう。しかし、目の前の彼はただまっすぐにアキラを見つめていた。


「……助かった」


少し悩んだがアキラが折れて小声ながらも感謝を伝えてその場を後にする。

そのあとはほぼハンナの活躍によって事態の収束がなされた。今回の件の重要部分は世間に公開はせず生徒の暴動ということになるらしい。拘束された生徒達は皆意識不明の重体、幸い死者は出なかった。一方学校は生徒が起き次第一斉下校、一週間の休校を余儀なくされた。



「つまり、今までの2件はケース1つにつき1人暴走していたのが今回はケース1つで十数人の暴走者を出したと…、中に何が入っているのかは存じ上げませんが確実に改良されていってるのは確かです」


「…ですよね…」


アキラは喫茶店「ヴァート」でベルバートに意見をあおいでいた。もちろん『あいつ』も席は離れているが来ていた。カフェオレを飲み終え飴を咥えたところでベルバートが地下への入り口を開けた。


「すこしお手合わせをお願いしてもよろしいですか」


いつもと変わりのない落ち着いた口調で放たれたその一言にアキラは驚く、その視界の端では『あいつ』が頷いている。促されるままに地下へと続く階段を降りる。

長く暗い階段だ。何度通っても足元が暗く、どこか深い闇の中に引きずり落とされてしまいそうな感覚さえ覚える。そして、そうしている内にいつも地下に到着している。いつもそうだった。


「先程、申し上げた通り手合わせをしていただくのですが…」


「負け、ヒナ達、完全、受ける、入れる、勝つ、これから、関わる、ない」


アキラの背後で『あいつ』がベルバートの話を遮って話し出す。

その時アキラはベルバートがすこし目を伏せてる事に気がつきそこに釘付けになってた。

背後にあった気配が消える。


「私はこの方法には反対したのですが逆らうことは出来ない立場でして…最初から本気でいかせてもらいます」


そう言うと倉庫から大きな斧を引っ張り出し短くもってズンと地面に突き立て構える。

それを見てアキラは無意識に愛刀ではなくコインを割りスナイパーライフルを握る。

装備の擦れるおともなく一気に静まり返った地下、そこにアキラの投げたAの描かれたコインが音を立てて落ちる。アキラはその瞬間まで最善の一手を考えた。そのまままっすぐ行くか壁を使い立体的に動きながら戦うか……否、かつて世界大会にまで行った相棒なら…

アキラが動く、初手で後ろに飛びながら氷の固まりを飛ばす。ここで一発紛れて撃ち込む。

そして、空かさず氷刀に持ち替えて急接近して相手に間合いに入り込む。

しかし、今までのアキラの攻撃はすべて不発、すべて防がれてしまっている。それでもアキラは突っ込んで行く、そこへ容赦なく振り下ろされる斧…だがそこにはアキラがいない。

ただただ氷刀が刺さっているだけだった。そう、この氷刀を使いアキラは直前で方向転換をしたのだ。行き先は天井、氷刀はただの踏み台…腰から護身用のハンドガンを抜き狙う。


「あなたは…己の本来の戦いかたをしない時点でこの勝負はすでに負けているのですよ!」


力強い一言と共に腹部に痛みが走り天井に頭を打つ

地面に戻ってきた頃には脳しんとうで気絶寸前だった。


「よろしいですか?あなたはとても弱い、そして接近することに恐怖を植え付けられ、まともに戦えていない。今のあなたならヒナ1人で十二分に勝てるでしょう。己の弱さを自覚し彼女達と共に戦ってください。あなたは負けたのですから」


そう冷たく言われると初めて、違和感の正体がわかった。絶望が沸き起こるのとそれはほぼ同時であった。心身ともにあげる悲鳴にアキラの意識はそのまま遠ざかっていく


「ファーストフェイズ完了いたしました。引き継ぎ次第セカンドフェイズを開始いたします」


ひと気の無いビルの一角それは意識のない者がくたばるのとほぼ同時に知らされるのだった…

第1章を読んでいただきありがとうございます!

次からは第2章となります!

引き続き復讐〜囚われた人々〜をよろしくお願いします!

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