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レイス王国:Lv.100/100

〜説明〜

ミラー・ゴードンが王を務め、王都をジガレストに置き王都を囲うように科学都市が第1〜第10まで存在する。科学技術の漏えいを防ぐために全ての技術を科学都市に集中させている。その為、科学都市以外の街や村では魔法が発達してる。


科学:Lv.50/50

魔法:Lv.50/50

経済:安定

治安:良好

軍事:Lv.100/100

満足度:80%

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「はぁ、やっと思い通りに行った。ここまでくると治安維持の方に支出がすごく持っていかれるな、おかげで収入が少ない…。まぁでも、遠分はキャラの強化に力を入れられるな」


そうつぶやく彼の名は根尾 晶。株で生計を立て余った金を全て1つの事へと捧げている独身37歳の頭のいい引きこもりである。

そして、彼はそこまで何に捧げているのかと言うと「作ろう王国、救おう世界」というRPG風のゲームだ。簡単に説明するとキャラクターの装備の種類や強さが王国のレベルや状態に左右される物だ。

しかし、高いレベルの維持や強い装備を手に入れるためのガチャなどにかなりの課金をしないといけない為、未だにクリア者が出ていないとゆう重課金者のためのゲームとなっている。


「さて、この前の課金分がまだ残ってるからまずはガチャでも回すか今回こそアルファベットシリーズA来て欲しいなぁ」


彼が今狙っているのは限定ガチャで出現率が何兆分の1という超低確率を誇るがこのゲームで一番強いとされている銃《ASHm500s変形銃〈レインクラウン〉》である。

彼は今までの限定ガチャで何千万と課金して出現率0.1%ぐらいのB~Zまでのアルファベットシリーズは揃えていてコンプリートまでリーチをかけている。


「今回こそ頼むぞぉぉぉこいぃぃぃー」


と祈りながら10連のガチャを回した。が、やはり出る訳もなく全てハズレで終わった。


「あぁ、またかしょうがないか、まぁ1回分余ってるからこれ引いたらまた入れるか」


そして、ガチャから出てきたのはやはりハズレだった


「はぁ、やっぱりそう上手くは行かないよな、ほんとにこのゲームってちょこちょこ設定が酷いんだよなぁ」


そういいながらカップラーメンを頬張り数万円を再びつぎ込んだ


「こうなると、今月もカップラーメン生活かもしれないな」


プルルルプルルル


「ん?なんだよ…。もしもし?」


『晶!やったよ!また、1位になれた!』


そう電話を掛けてきたのは晶の幼馴染の皆川 涼だった。


「お前ほんと強いな、今年で何回目の優勝してんだよその大会」


『んーと6回くらいかな?もう、頭脳戦で勝てるのは晶ぐらいだよ』


「いや、もう俺は[陣]を引退して結構たってるから現役バリバリの涼には多分かなわないよ」


そう、涼は陣取りゲーム世界大会の優勝常連者のプロゲーマーなのだ。そして、晶も昔は陣取りゲームをやっていた。涼が始めたきっかけは晶に勧められたからでもあるのだ。そして、大会に出て優勝してはこうして真っ先に電話を掛けてくる。

晶は、いつも通り涼の話を聞きながらガチャを回しだした。

しかし、いつも通りに行かなくなった。


「きたぁぁぁぁやっとだ!やっと来た!これで、俺のキャラが完成だ!」


『ん?どうしたの?なんかいいの当たったの?』


「あぁ、聞いて驚け?ついに!ついに!あの《ASHm500s変形銃〈レインクラウン〉》が俺の元へきたんだよ!」


『ほんとに!?やったじゃん!おめでとう!!』


「ありがとう!」


『じゃぁ、あの約束果たしてくれるよね?』


「ん?あぁ、あれか、いいぜ絶対やるって約束だからな」


『やったー!』


と、大袈裟に「あの約束」やら「絶対やるって約束だ」と言っているが実際たいした約束ではなく、ただただ陣取りゲームで対戦しようとゆう約束だった。


「今度の日曜日の午後にいつものゲーセンね?」


『りょーかーい!いやぁー楽しみだよ!また晶と戦えるんだね!』


「俺は練習しとかないとかな」


『大袈裟だよ〜僕そんな強くないから』


「世界大会で6回優勝してる奴が言う言葉じゃないからなそれ」


『あははは、あ、じゃぁ表彰式行ってくるねバイバーイ』


「あぁ、じゃぁな…。はぁ、さて、バックアップ取って、キャラ完成させてボス戦挑んでみるかな」


そして制作時間2時間弱をかけて完成したキャラが…。

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ネオ(男)Lv.100/100

職業:特殊粒子戦闘士(USR)

防具:古龍シリーズ

メインウェポン:PGNグランドソード《黒》

サブウェポン:ASHm500s変形銃レインクラウン

スキル:特殊粒子操作

スタイル:刹羽流戦闘術

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「もうこれは最強なんじゃないか?まぁ、特殊粒子戦闘士ってのは相変わらずなんなのかよくわかんないけど強いからな、グランドソードは剣の長さが変えられるだけでそんな特別強い訳でもないんだけど」


そう言いながら彼はストーリー画面へ進みラスボス《[ヴァレリー]へ勝負》を選択してヘッドホンのような機械を付けてベットに寝転がった。これはこのゲームの醍醐味でもあるフルダイブ機能で、戦闘時にダイブしてキャラを操作することが出来るのだ。

そして、根尾 晶ではなくネオとなった彼が最初に見た光景は


「うわぁ、国のこんな近くにあるんかよ」


そう、彼が今いるのはレイス王国のそばにある森の中だった。

そして、目の前には見覚えのない洞窟があった。


「うわぁ、もう雑魚が湧いてる…。しかもなかなか多い。…まぁ、そうゆう時に使うと便利なのがレインクラウンなんだけどね。」


ーターゲット・ロックオン《武器スキル:アローレイン》発動ー


ネオがスキルをオンにして引き金を引いた瞬間一本の黒い光が飛び出しそれが複数に分散してモンスターを一掃した。


「強い……。さすがに運営さんこれはやりすぎだと思いますよって今度フィードバック送っとこ」


そう考えつつどんどんしたに潜っていきついにボス部屋まできた。

黒い扉に鎖や龍などが装飾されている扉をゴゴゴゴという音を立てながら開けた


「とりあえず今は、ボスのラストゲージに向けてなるべくバフを使わないようにして、特殊粒子操作で体内の粒子を活性化させて身体能力向上させて…。よし、まずはボスをこの装備でラストゲージまで削ってやる」

数分後、


「はぁ、やっとラストゲージだよ。体力多すぎだろ。てかなんだよ弱点攻撃しないとダメージ入んないって鬼畜にも程があるだろ」


とぼやきながらグランドソードで弱点を突いた!のだが……。


「いやいやいや、弱点攻撃してダメージ入んなくなったらもうどうしようもないでしょ!?」


そう、彼の攻撃は確かに弱点を突いていた。しかし、体力は1ミリも減っていなかったのだ……。


「ダメだ、どの弱点もダメージ入らない。バグか?……あ、複数あるってことは……。」


ーターゲット・ロックオン《武器スキル:アローレイン》発動ー


そして、放った黒い光達は見事に弱点にあたるとボスの体力を20分の1ほど削った。


「やっぱりか、つかレインクラウンないと完全に詰むやつじゃん。あっぶねぇ」


そのあとは順調にボスの体力を削りついにクリアした。


「はぁ、何兆分の1の確率でクリアできるゲームって存在してていい気がしないんだけど…。まぁ、そんなゲームに俺は何万もつぎ込んできたんけどね」


そして、ゲームをクリアし戻ってきた、晶はふと眠気に襲われて機械をつけたまま寝てしまった。パソコンの画面に書いてある文を読まないまま……。そして、パソコンに表示されたパーセントが100%になった時、彼の姿はそこから跡形もなく消えてしまっていた。

そして、晶のパソコンの画面にはこう書いてあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

システムデータダウンロード100%完了

キャンセルが選択されなかったためゲームクリア特典の

本作のゲーム内への転送を実行しました。

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風の吹き抜ける音が聞こえジメッとした空気と血なまぐさい匂いがする。そして、家のベッドとは違い背中には冷たくて硬い感触が伝わってくる。


「ん?俺さっきボス倒して現実に復帰したよな…?…あ、してないっけ?どうなんだろう《メニュー》えっと、クエスト確認っと…。」


目の前に四角い枠が出現して枠の中に文字、手元にはにキーボードが浮かびクエスト確認画面を開いた。しかし、そこに浮かびだしたのは空白のクエスト確認画面だった。

クエストをクリアすると自動的にログアウト、そして現実に復帰するのがこのゲームのシステムだ。その為クエスト確認画面が空白であることはあり得ない話なのだったのだが


「え?クエストがない?バグか?バグなら強制ログアウトボタンで……」


しかし、メニューのどこを探してもログアウトボタンがなく、もっと最悪なことに運営とも繋がらなくなってしまっていた。


「もしかしてこれって…っ、こんな時に」


暗い洞窟の奥からゴブリンが突然10匹程の群れで一斉に襲ってきた。だが、ネオは1歩も引くことなく腰にあるグランドソドを掴みいつでも抜刀できるように構えた。


「もしここがゲームの中ならこれが使えるはず」


そう言いながらネオはゴブリンの群れの中心に突っ込んでいった。そして、中心近くに到達した時


刹羽流(さつばりゅう)戦闘術単発抜剣《飛斬》ー


1発の斬撃を飛ばした。飛んで行った斬撃はゴブリンの10匹中4匹の首を切り落とした。


「やっぱり使えるんだ。でも、ゲームにあったHPバーの表示が一切ないな。まったく一体ここはどこなんだろ」


そうボヤきながらもホルスターからレインクラウンを取り出し残りを1匹1匹撃ち抜いていった。


「はぁ、やっといなくなったか。……。あれ?そういえは防具がないな…あれ?グランドソードの刀身が出てきてない…。冷静になったら結構違う点がでてきたぞ……とりあえずまとめるかぁ……」


そう言いながらメニューから所持品リストを呼び出してメモ帳とペンを取り出した。

そして、まとめた結果

・クエストがない、ログアウト不可

・ゲームでは使えた技はまだ使える

・HPゲージが存在しない

・メニュー画面の展開ができる


「今のところはこれぐらいか…。これってあれだよな、最近漫画とかアニメとかにあった異世界転移か?いや、異世界じゃなくてゲーム内か?この際どこでもいいか……あ、ここまで違ってるってことはプロフィールとか能力とか変わってるかもか《メニュー》」


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ネオ(男)Lv.100/100

スキル:超能力(粒子操作)

服装:胴→黒いTシャツ、黒のカーディガン

ズボン→濃い緑のチノパン

靴→黒のスニーカー

アクセサリー→ネックレス

武器:PGNグランドソード《黒》

ASHm500s変形銃レインクラウン

スタイル:刹羽流戦闘術

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「変わりすぎでしょ。特殊粒子戦闘士と古龍シリーズの防具が無くなっちゃってる。あれ揃えるのすごく大変だったのに…はぁ、しょうがないかとりあえずこの洞窟をでるか…。」


と、武器をしまいながら歩き出したその時ゴゴゴゴというどこか聞いた事のある音を立てながら誰かが奥から扉を開けた。


「ついにボス戦だ今まで以上に気を引き締めていくぞ」


「はい!大将!」


「肩書きで呼ぶな恥ずかしい」


「なかなか元師は見つからないので元師でもいいと思うんですけどね」


「いや、元師はAをもつものにしか与えられない。それに、俺が持ってるのはBだからな」


と、謎の会話をしながら男女2人組のパーティーが入口で立ち話をしていた


「あのーお取り込み中のところすいません通して頂いてもよろしいでしょうか?」


そうすると高身長で渋い顔の男が声のトーンを変えず低いまま答えた


「ん?何故突然現れた謎のダンジョンの奥に剣1本しかたずさえてない者がいるのだ?」


その問い答えようとしたネオよりも先に隣にいるツインテールの活発そうな女子が答えた


「大将恐らくこいつは人に化けたダンジョンのボスかと思われます。早急に対処しますご指示を」


と、ツインテールが銃を構えた


(ん?あれって、)


「うむ、そうだなでは…」


そういいながら懐に手をいれ一丁の銃を取り出した。ネオがいままで見たことある銃だ


(えぇーなんでアルファベットシリーズのBがあるの…てか銃向けられてる!?)


と、知らないうちに話が勝手に進み勝手にややこしくなってしまったのでネオはあわてて全力で止めに入った


「ストォォォォォープッ!俺はボスじゃないですから!人間ですから!銃向けないでください!」


「む、そうなのかそれはすまないことをs 」


「大将だまされてはいけません!罠です!油断させてそこを襲おうとゆう卑怯な手を使おうとしてます!」


と、再びツインテールが余計なことを言ってきた。そして、


「撃たないでっ、あぶなっ、ちょ、ストップ!」


2人は容赦なく攻撃を仕掛けてきた。


「なんだ?」


「いやいやいや、敵じゃない!敵じゃないですから!!」


そうすると、こんどはツインテールが一気に近ずいてきて頭に銃口を突きつけた


「ボスさん、大体のやつはそう言って生き延びようとするんですよ」


ネオは慌ててその銃口から距離をとった


「(はや、いつの間にこんなに詰められた?)いや、てかほかのボスに意思なんてものあるんかよ。ほかのボス喋れんのかよ!?」


すると再び容赦なく撃ってきた


「口を慎んでくださいね?」


「まぁ、それぐらいにしておけ。そいつは人間だ。」


今までのやり取りをじっと見ていた渋い顔の男がそう言って攻撃をやめさせた。


「何故そんなことがわかるんですか?罠だったらどうs」


「大丈夫だ、そもそも喋ってる時点でそいつは人間だ。奴らの知能じゃ何千年経っても会話なんて出来やしない」


「だったらもっと早くとめてくださいよ!死にかけたじゃないですか!?」


「アッハハ、どれほど強いか気になったもんでな。君はさっきの攻撃を全て避けていたな?それなら死にやしないだろう?そもそもその程度の攻撃じゃ君は死にかけないだろ?」


と、今までで1番の笑顔で渋い顔の男が話してきた。そして、拗ねているのか、ツインテールは銃を大事そうに手入れを始めてしまった


「あぁ、そう言えば自己紹介が遅れたな。レイス王国第1・第2軍団軍団長ベイカー・ナッツ、階級は大将だよろしく。さぁ、シュー拗ねてないで挨拶しなさい」


そう言われてツインテールは銃をホルスターにしまいながら自己紹介を始めた


「別に拗ねてませんよ。私はレイス王国第2軍団副軍団長のジェアン・シュガー、階級は中将です」


「(んー現実の記憶だと大将ってなかなか上だと思うんだよなぁ。てか何で異世界で軍の階級制度?入ってきたときも気になること言ってたな)な、なぜ大将がこんな所に居るのですか?ほかの部下とかは……」


「あぁ、未確認のダンジョンが発見されてなそこの調査をちょうど手の空いてた俺達にまわされたんだ」


「大将、内部機密は」


「機密情報ではない、大丈夫だ」


そう言いながらベイカーはバックから薪を取り出して火をたきだした。そして、手頃な岩を見つけて腰をかけるととりあえず飯食べるか?と聞いてきたのでとりあえず食事をとることにした。


(んー、これは軍についてはあまり聞けなそうだな)


「ところで、君の名前をまだ聞いていなかったね」


そう言いながらスープらしきものを渡してくれた


「そうですね。俺の名前はネオです」


「フッ、神様の名前をそう易々と使ってると信者に狙われるぞ?」


と、ベイカーが苦笑いをしながら言った


(え?俺の名前神様の名前なの?しかも狙われるって…どうしようわからないことが多すぎる…確かこんな感じの時ってマンガとかだと…。)


「?どうかしたんですか?」


と、心配そうにジェアンが顔を覗いてきた


「い、いえ大丈夫です。すいません、どうやら記憶があやふやになっているようです(通用するのかなぁこれ)」


「なるほど、なら仮りにでも名前を考えるか」


「(通じた!)大丈夫です!名前は思い出しました。俺の名前は…アキラです」


そう言うとベイカーは、頷き手を差し出した


「そうか、それは良かった。よろしくアキラ君」


アキラは手を取った


「よろしくお願いします」


「あのー、早くスープを飲まないと完全に冷めてしまいますよ?」


そう言われてアキラは慌てて飲もうとしたが


「うわ!冷たい!って…凍ってる!?」


「ほんとだな、まぁ、火の近くに置いとけばじきに溶ける。ササッと飲んで地上に戻ろう」


「「はい」」


そして、スープを温め直しながらレイス王国について聞いてみたがどれもこれもゲームで作った物がそのまま反映されていた。が、1部だけが違っているようでどうやら身分差が生じているらしい……。


(身分階級制度は治安が悪くなるから設定した記憶ないんだけどな)


「さて、そろそろここを出るぞシュー準備はいいか?それと、アキラ君、きみは我々で途中の町まで1度保護することにする」


「「はい」」


そこから歩き続けておそらく数時間後


「あのーこの洞窟って結構出口まで遠いんですか?」


「いや、我々が来た時はそこまで時間をかけずにボス部屋まで行った。だからそんな遠くないはずなんだが…うっかり自分が方向音痴なのを忘れてな目印立ててなかったんだ。」


「私も方向音痴なの忘れてました。」


そう、彼らは現在ボス部屋からそれほど離れていない所で道に迷ってずっと同じ道を歩き続けている状況なのだった。


「……。とりあえずここら辺で休憩とりませんか?」


「そうだな」 「そうですね」


アキラ達は近くの手頃な石の上に座った。そして、アキラはずっと気になっていたことを質問した。


「そういえば、ベイカー大将…」


するとベイカーは少し笑いながら「君は軍の人間ではないんだから階級呼びなんてことはしなくていい」と言った。アキラは少し戸惑いながらもきりだした。


「はい、えっと…ベイカーさんが使ってる銃ってなにか特別なものですか?」


「んーアキラ君きみは一般教養までも忘れてしまっているのか」


と、若干驚きながら聞いてきた。ジェアンは話が長くなるのを予測して武器の手入れをはじめた。


「すいません」


「まぁ、謝るほどではないが一般教養の範囲までしか教えられないからな」


「ありがとうございます」


「うむ、まず我々が使っているのはアルファベットシリーズと呼ばれる26種類の謎に包まれた銃だ。それぞれ違う特性とほとんどが固有のスキルを持っている。そして、その固有スキルは使用者にスキルとして追加される」


「要するに銃をしまってても武器のスキルが自分のスキルのように使えるという事ですね」


「あぁ、そうだ。それから普通の銃よりも遥かに強い。まぁここら辺までが一般教養だ。そっから先は君が軍の中将ぐらいにならなきゃ教えられない」


「あ、ありがとうございます」


アキラは、武器スキルを武器をしまった状態で発動できるとゆうゲームではなかった仕様があるとゆう事に驚いた。(特にそれ以外は驚かなかった)と、そこへ暇になったジェアンが話しかけてきた。


「大将、ついでにアキラさんそろそろ出発しましせんか?」


「そうだな」「はい」


そこから何日かは洞窟の中で少ない食料を少しづつ食べながら出口に向かって歩き続けやっとの思いで出てこれた。そして、でた先はラスボス討伐のクエストのスポーン地点と同じところだった。


(やっぱりここってゲームの世界の中なのか?)


そこへ、ジェアンが重要報告をしてきた。


「大将、ついでにアキラさん…食料が尽きました。」


(やっぱりついで……)


「とりあえず近くの町まで行こう、ここら辺じゃ何にもないからすぐ飢え死にする」


ピビッピピッピピ


「ん?どうやら通信が入ったようだすまないがアキラ君すこし席を外させてもらう、シュー、君も来てくれ」


と、2人が席を外したその後アキラの左目に痛みが走った。思わず倒れ込んでしまうほどだった。そして、どれほどの間続いていたかは分からないが痛みが治まってきて起き上がったアキラはゆっくりと目を開いた。すると、左目にさっきまでいた洞窟のボス部屋が見えた。


「アキラさん大丈夫ですか?」


「なんかすごい痛そうにうめいていたぞ?」


通信が終わり何故かライダースーツに着替えた2人が心配そうに話しかけてきた。


「あ、あぁ大丈夫です」


「じゃぁなぜ左目を隠している?」


するとジェアンがアキラの手を左目から力ずくでどかしてきた。アキラは抵抗をこころみたがジェアンの腕力が強すぎたため手を離してしまった。


「ん?アキラ君、左目が赤いぞ?」


「あはは、多分目が疲れてるんですよ」


「いや、充血はしてない。君は元々青い瞳をしていた。でも左目の瞳が赤くなってるんだ。この短時間になんかあったのか?」


と、目を覗き込んで聞いてきた。顔が近かった。


「……。はぁ、ついさっきまで左目が痛かったんです。それで痛みが引いたら誰かの左目と繋がってました。」


「その誰かはどこにいる?」


「さっきの洞窟のボス部屋です。あ!洞窟が崩壊してきてます!」


すると同時に後ろにあった洞窟の入口がある山で突如土砂崩れが起こった。そして、土砂は全てアキラ達の方に流れてきてしまった。

ベイカーはどこからか1枚のコインを取り出して地面に投げつけた。すると、魔法陣が形成されそこからサイドカーが付いているバイクが出現した。


「シューは後ろにアキラ君はサイドカーにはやく!」


2人は慌てて飛び乗りベイカーはフルスピードで土砂から逃げた。

されからある程度進みサイドカーのアキラは、左目に見えてる光景をしばらく見ていた。


「あれ?」


「どうした?」


「いや、なんか繋がってる人が暗い所から急に森の中にとんだんです」


「?どうゆうことだ?」


「分かりません」


「大将、後方に謎の気配がひとつ、おそらく尾行されてます」


と、ジェアンが何かの気配が迫っていることを伝えてきた。

そこで、ベイカーはバイクを止め降りて銃をかまえて《ソードモード》と唱えた。すると、グリップが真ん中へ移動されスライドの上に青色の光が集り青い光の剣を創り出した。そして、ジェアンは両手に銃を持った。


(んー、これって俺はレインクラウン出さない方がいいよね?さっきの話からすると軍の人しかアルファベットシリーズを持ってないらしいからね)


アキラはそう考えながらグランドソードをかまえた。途中で盗賊らしき人がでてきた気がした。が、しばらくすると「武装を解除して欲しい」と何処からか話しかけてきた。全員それにしたがって武器をしまった。そして、何も無い空間に突然人が出てきた。その人は、男とゆうよりは女子っぽく現代で言われる「男の娘」とゆう所だろう。それから、その人物は自己紹介を始めようとした。

しかし、ジェアンがその隙をついて攻撃を仕掛けてしまった。アキラは思わず目をつむってしまった。しかし、聞こえてきたのはジェアンの驚きの声だった。


「え!?いつの間に」


ついさっきまで目の前にいた人が銃をジェアンの後頭部に突きつけ何かを言ったあと、後ろにその人移動したことにジェアンが気がついたとゆう状態だった。そこで、ベイカーが仕掛けようとしたが、謎の人の方の行動がはやかった。


「おっと、両手を頭の後ろに組んで何もしないでくださいね?動いたら撃ちますからね?ただ僕は左目とリンクしているそこの人とお話がしたいだけですから平和にいきましょう?ね?」


と、謎の人はアキラの方を見ながらそう言ったのだった。


(平和にいきましょう?って言ってる本人が1番平和じゃなかったら永遠に平和は訪れない気がする)


そんなことを思いながら縛られていくベイカー達を視界の端に置き黄昏れるアキラだった。

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