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酸味改革はまだまだ遠い。

 遅くなりましたがこっそり投稿。


 毎日更新出来る方々を尊敬します。

「おや、いま起きたのかい? 夜更よふかしは身体に毒だよ。ふふ、昨日の朝はあんなに張り切っていたのにねぇ」

「ハハハ……。昨日のマゼンタ様のお話を聞いて、指示本でブライアン様に相談したり、資料をまとめていたら寝過ごしました」



 ※ ※ ※



 昨日の朝。


「今日も早起きなのかい? せっかくの休日なんだから、もっとゆっくりしたらいいんじゃないのかい?」

「おはようございます。マゼンタ様。今日は錬金術室で柑橘類かんきつるいを植える際に、役立ちそうな文献ぶんけんがないかと思って……。」

「そうかい? でもいきなり柑橘類は大変じゃないかい? 背丈せたけが足りないだろう。どう見ても、リアは百六十なさそうだし。いくら『飛行フライ』があると言ってもねぇ」


 なんで背丈? 『飛行フライ』が必要? って感じでマゼンタ様を見ていると……。


「おや? リアは知らないのかい? 受粉はどんなに頑張っても魔法じゃ出来ないよ。花はナイーブだからね。となれば、手仕事だろう? 」


 あっ! 受粉問題忘れてた!? 一つ一つ手でやるのは勘弁して欲しい。 


「マゼンタ様。この辺に蜂、出来れば蜜蜂みつばちは居ますか?」

「いや。居ないよ。何せ死んでいる孤島だ。その為にリアが来ることになったんだろう? 滅多に人が来ない此処ここだから、精霊達の保護や精霊王を育てることが出来ると、ソレイユ様が判断したくらいだ」


 が~ん! 計画見直し? 薬草やスイルシアは、実まで成長させてなかったから気が付かなかった。


「蜂に頼るなら、近種を設置するのは得策じゃないしね」


 あぁ、そういえば新種改良をするんじゃなければ、同じのモノは近くで育てちゃいけないんだっけ!?


「と……とりあえず、朝食を食べた後。ブライアン様に聞いてみます。リストの『たこ・生』を交換したら、生きている蛸が出て来たくらいだから、きっと蜂もイケるはず」


 と、こんな会話がありました。



 ※ ※ ※



「今日からしばらくの間。館を中心として、土地改良をすることにしました。今日は『土地改良剤』の原料の一つである、枯れ木を伐採ばっさいしまくる予定です。時間があれば、薬草採取もしたいです」

「はいよ。頑張りな。そろそろ土属性の妖精も出そうだし、土地を生き返らせれば、土属性の精霊化も早まると思うよ」


 おぉ、これは頑張らねば。果樹園や木々が出来たら、緑の卵達も妖精になるかも。夢が広がりますねぇ。

 マゼンタ様に一言挨拶をして、キッチンに向かった私の足どりはスキップでした。途中でつまずいたのはご愛嬌。決して、私がどんくさい訳じゃない。






「さてと、殆ど倒れているとはいえ、微妙にくっついているのが問題だよね? とりあえず高さ1Mくらいで一度切ってみるか。……『風斬りカッター』! そこからの~『浮遊フロート』!」


 目の前には枯れ木が、ふよふよと浮きまくり。結構量が有るけど、マイボックスに仕舞えば問題なし。


「まずは一度まとめますか。『回収コレクト』。わぁ、何度見てもまとまっていると、やっぱりちょっと怖いね。さっさと入れますか」


 マイボックスの出し入れ距離は、大体腕の長さ×2くらい。あまり遠くだと反応しないんだよね。どうなっているの?

 因みに私のマイボックスは、マゼンタ様に言わせると、少々おかしいらしい。絶対に人に言うなと釘を刺されました。

 まぁ、自分でもおかしいと思うよ。犯罪し放題じゃん。やらないけどね。

 枯れ木にてのひらを向けて、収納完了。視界もクリアになってスッキリ。でもまだまだいっぱい有りますよ。


「いつかは通る道なんだから、頑張ってやりますか。ソレイユ神様の為。私の食生活を豊かにする為。私は負けないッ!」


 まずは北西の砂浜(私が最初に降り立ったあの場所です)までを目指して、とにかくざっくりと斬りまくる。

 道があるから右、左と交互に魔法を唱えて、立っている木々を倒して行こう。








「近くにあるように見えて意外と遠かったんだね。初回はスキルを使ったし、前回は作業しながらだったからなぁ。でも道の両脇に、花の咲く木を植えたら良い散歩道になりそう」


 汚ない砂浜付近まで伐採したら、結構いい時間。一度お昼ご飯に戻りますか。

 館の前でシートを敷いて、枯れ木を手頃な大きさに切り分けなきゃ。せめて錬金釜に入る大きさにしないと改良剤が作れない。本当は、薪割り小屋みたいなのがあれば良いんだけど。

 しかし、今日中に伐根ばっこん作業をクリア出来るのかな?ちょっと心配になって来た。

 午後は薬草採取と『土地改良剤』製作に逃げようかな?


「人手欲しいなぁ。ラノベやネット小説ならそろそろ仲間が増えてもおかしくないのに……。って、誰がこんな孤島に来るの?

 国から一番遠い港まで約二ヶ月半。港から大型船で二時間。更に中型船に乗り換えさせられて約半日。最後には小舟に乗せられて一時間だよ。ムリムリ。誰も来れないよ」


 道々愚痴ぐちりながらも『浮遊フロート』と『回収コレクト』を使って、枯れ木をマイボックスに仕舞う私って偉いと思わない?



※『伐根』は、木の根っこを取り除く造園用語の一つです。


※『コンパニオンプランツ』又は『混植』という園芸用語がありますが、やはり基本的に種の違うモノを植えるそうです。by.造園屋さん。


※ベランダ菜園で混植をする場合、鉢の外側に薬味になりそうな植物や、虫が嫌う花を植えると良いそうです。虫避け対策なんだって。


※蛸はきっと『氷結アイス』で、凍らせてから鍋に入れ、茹でた後に調理したと思われます。


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