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ひとりきり
リビングに置いてある鞄を掴み、玄関で靴を持つと履かずに、玄関のドアを開けた。意外にも玄関は簡単に開き外に出る事が出来た。
つんのめるように道に出た祐斗は、後ろを振り返る事もせずに走って、その場から離れることにした。
走り、息が上がってきたところでようやく祐斗は立ち止まった。そして、後ろを確認したが、吉岡が追ってきている気配はなかった。
呼吸を整えながら、足の裏をはらって靴を履いた。そして、真っ暗な道を一人歩き出した。
辺りを見回す余裕が出てきた頃、思い出したからのように祐斗は尻ポケットから携帯を取り出した。見てみると、いつの間にか日付が変わっていた。




