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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みずのにおい

颯介と祐斗もそれぞれの持ち場が終わり、むつと山上を手伝って倉庫に置いてある物を出していく。ようやく全ての物が出ると、むつは疲れたような声を出した。


「お腹空いたぁ…もう力出なーい」


「俺もっす」


休憩しよーよーとむつが言うと祐斗も同感だと、こくこく頷いている。颯介は壁にかけてある時計を見て、山上を見た。


「昼休憩にすっか。出前取ってやるよ」


「やたーっ‼」


祐斗が嬉しそうに出前表を持ってきて3人に広げて見せ、どこにしましょうかと言っている。


「麺かな…」


「麺だな。手軽だしな」


むつと山上の意見が一致し、ラーメン屋の出前表を見始めた。颯介と祐斗はこだわりがないのか、顔を付き合わせるようにしてメニューを見ている。むつはあれもこれも良いなと、色々な物に目移りしているが、山上に多くても2つまでだと言われてしまっている。


「ラーメン、味噌ね。味噌、辛味噌の気持ち辛めで…炒飯?餃子…唐揚げ…あ、チャーシューの辛味噌にしようかな…」


「絶対に食い切れないだろ?」


「大丈夫だってば!!颯介さんと祐斗居るもん」


確実に颯介と祐斗が食べてくれると思っているむつは、チャーシューの辛味噌ラーメンと炒飯唐揚げセットってと決めたようだ。山上は絶対に食べきれないのにと呟きつつも、止めようとはしなかった。全員のメニューが決まると、颯介が早速電話をかけ始めた。


「…さて、ラーメン来るまでに倉庫の中を掃除してくるね。祐斗行こー?」


えーと言いながらも、祐斗はむつが手を差しのべると仕方なさそうにその手を取った。そして、引きずられるようにして倉庫の中に入って行った。


「最近のむっちゃんは少し子供っぽくなってきた気がしますね」


「かもな。でも、あれが元々のむつなんじゃないか?ちょっと、抜けててのんびり子供っぽい感じ。ま、あれだよな…末っ子の妹で甘えたなのは元々だし」


「それをこうやって出せるようになってきたって事ですね。やっと俺らにも心を開いてくれたって事でしょうか?」


「…今更だけどな」

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