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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

「ゆーうーとーっ‼居るーっ?」


むつは団体の中には入っていかずに、側にくっついて歩きながら、祐斗を探してきょろきょろとしている。


「むつさんっ!?」


声がして、祐斗はよく分からないものたちを掻き分けて顔を出した。むつを見付けると、驚いたような顔をしているがらどこかほっとしたような表情を見せている。


「なっ…何で来ちゃうんですか…」


「だって心配でさぁ…ってか、あたしもふわってしたの見付けたから、追い掛けてきたの。でね、お兄ちゃんと先輩も一緒だよ?」


お兄ちゃんと先輩と聞き、祐斗は溜め息を吐いた。むつのすぐ後ろに、冬四郎と西原の姿があり、2人がむつを追い掛けてついてきてしまった事はすぐに分かった。


「…どうするんですか!?ここには人が居ないんですよ?この団体だって、人じゃないものばかりで…」


ひそひそと祐斗が言うと、むつはそのにぎやかな団体に目を向けた。祐斗が電話で言っていた通り、倉庫にあったはずの筆に憑いていた落武者に、篠田の所から回収したマリア像。箒に大きなわらじに大きな一つ目に手足のついている物など、確かに妖の団体のようだった。


「…祐斗、よくこの中に居て平気だったわね」


「あ、はい…うちの子たちが側に居てくれて。あとむつさんの人形も」


「…祐斗もまぁまぁ変」


がやがやとした団体は、ゆっくりとどこかへと向かっていく。その最後尾をむつと祐斗が並んでついて行くと、冬四郎と西原も仕方なさそうに後に続いていく。


「仕事柄ってやつですよ。でも本当に…最初にこの団体に巻き込まれた時は、びっくりでしたよ。怖い感じとかなかったんですけど、嫌な視線はあったりして…でも、うちの筆の落武者とかマリア像何かが側に来てくれて…守ってくれてた感じがしたんです」


「ふぅん?じゃあ、あのうしろの方でこっちをちらちら振り返ってるのが…」


むつは妖たちの団体の中で最後尾の方に居る、白くぺらぺらとした人の形をした物を指差した。


「むつさんの人形です」


「おぉ…大きくした事はあるけど…こうやって見るとちょっと異様だわ。今度から顔くらい描こうかな」


「問題はそこじゃないですよね?」


「サイズ?」


「サイズもですけど…じゃなくて、むつさんが何かしたわけでもないのに、あぁして動いてる事が異様じゃないですか?」


「まぁ…確かに。でも、あの中ならそんなに違和感ってないわね」



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