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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

「そうだな…あの人は、むつが中心に世界が回ってるからな。さ、あんまり遅くならないうちに行くぞ。支度しなさい」


「はーい。あ、ちょっと先に味見して」


むつは冬四郎に日本刀を渡すと、キッチンに入っていき、皿に手羽元を使った肉じゃが、作り直した切り干し大根のはりはり漬け、いなり寿司、唐揚げ、卵焼き、ほうれん草の煮浸しを少しずつ取ってテーブルに持って行った。


「結構、色々作ったな…卵焼きはまた甘いのか?」


「勿論。てか、お弁当って色々ないと寂しくない?それに体力いる仕事だもん、ご飯はちゃんと食べないと」


冬四郎は、まぁなと言っただけでそれ以上は何も言わなかった。ただ、キッチンに立つむつを見て、何か面白い物を見るような目付きをしていた。むつはその目に気付かずに、西原に持っていく物として大きな弁当箱に彩りを考えながら詰めている。


「ねー?それでどう?味は」


「ん、あぁ…」


むつは顔も上げずに言うと、冬四郎はようやく一口ずつ皿に乗っているものに箸をつけた。


「…卵焼きはむつの好みなのか?母さんって甘いの作ってた記憶ないぞ」


「甘い卵焼きは、さんにぃの好みかな?お母さん居ない時に、さんにぃの作ってくれたお弁当はいつも卵焼き甘かったよ」


知らないの?と言われても冬四郎には、三男が自分の為に弁当を作ってくれた記憶がなく、首を振るしかなかった。

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