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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

山上と祐斗も混ざって、居酒屋の検索に勤しんでいると、かつかつかつっとわざとのように響かせている足音が、近付いてきた。そして、ばんっと乱暴にドアが開いた。


「…む、むつ?」


行って帰ってきただけで何があったのか、不機嫌丸出しのむつは、足でドアを閉めた。


「日本刀はあった」


は、と強調して言うという事は何かなくなっていた物があったのだろう。居酒屋検索をしていた颯介と祐斗も、むつの方を見た。


「何か無くなってたのか?」


「…今朝、ひじきと切り干し大根のはりはり漬けを作ったの!!無くなってる…これって普通に泥棒?」


3人はきょとんとした顔でむつを見た。日本刀はあったと言い、しっかりと手に握りしめているが、みしっと日本刀が鳴った。むつが相当、強く握り締めているのだろう。


「ま、待て…どういう事だ?」


「だからさ…今朝、ひじきと切り干し大根のはりはり漬けを作ったの。それといなり寿司作るようにおあげも煮てきたの。で、ひじきと切り干し大根のはりはり漬けが、空っぽになってたの。おあげは残ってたけど」


「…は?」


「いや、あたしが、は?って気分よ‼食べ物無くなった‼で警察呼ぶのは何かあれだし…呼んでない。ってか、携帯ないし」


「携帯、机の上に置いてあるぞ」


「ありがとう。忘れてったんだよね…」


「で、ひじきと切り干し大根?は、お前が食べたんじゃなくてか?」


「食べてないわよ‼朝、味見したけど…でも全部食べれるわけないでしょ?そこそこの量を作ってきたのに‼」


意味が分かんないと、怒っているむつを3人もどう慰めてよいのか分からず、ただ落ち着くまで見ているしかなかった。

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