むかっていく
「はい、玉奥です」
『…うん、知ってる。もうちょいこう…何かないのか?そのビジネスライクじゃなくってさ』
「ない。何?うちの子見付かった?」
『うちの子…?盗難だろ?宮前さんから連絡来た。県内の骨董屋には知らせるみたいだな。じゃなくてさ、あれだろ?本当に曰く付きなのが無くなったんだよな?』
「うん…そう。うちの子たちは本物よ」
『そっか…本物ってな…その怪異を起こす妖とかが憑いてる感じなんだよな?』
「そうよ?今更何?怖いの?」
『じゃなくてさ…その』
「…何かあったの?」
西原のはっきりしない言い様に、むつは眉間にシワを寄せた。無くなった物が見付かったとかではなく、何か他の事で電話をかけてきたようだが、何やら言いにくそうにしている。
「話してみてくれる?」
むつは落ち着いて聞こうと椅子に座った。
『…悪いな、こんな時に。関係ないかもしれないけど、むつがお守りにって渡してくれた鈴あったろ?あれもさ無くなってて…怪異を起こすわけじゃないけど、あれも特別な物だろ?だから、何か関係あるかなと』
「…鈴が?」
『あぁ。無くしたわけじゃないんだ。チェーンにつけてて、落としたりとかじゃなくて、この鈴の上の輪っか部分な、チェーンを通してる。そこは残ってて、鈴だけがなくなったんだよ』
「そんな古くないし…鈴だからね。そこから千切れるなんて事はないと思うし…盗難?」
『かな?宮前さんから連絡貰って、もしかして、鈴もかって思ったから電話を…むつから預かってる物だしな』
「ちょい待ち。スピーカーにする」
むつは携帯を置いて、スピーカーにすると、山上を呼んで西原から聞いた事を手短に説明した。




