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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

きゅっと灰皿でタバコを揉み消したむつは、しばらくぼんやりと外を眺めていた。下に見える道には、まばらながら人が居る。そろそろ仕事納めの人も多いのか、何となく浮き足立っている様だ。


「…あ」


何を思い出したのか、むつはぱちんっと指を鳴らした。そんな仕草を見た事なかった山上は、驚いたような顔をしている。


「お前、指鳴らせたのか」


「鳴らせるし」


ぱちんっぱちんっと連続して得意気に鳴らしてみせたむつだったが、いやいやと首を振った。


「それはどうでもいいのよ。そうじゃなくってさ…篠田さん所から持ってきたマリア像あったよね?あれは…?」


「あれは高そうなやつだったよな。無くなったって知ったら篠田悲しむだろうな…ここに来た時には触ったりしてたし」


「…そんな事してたんだ。物好きって本当に怖いもの知らずだよね」


むつと山上の会話を聞き、祐斗はすぐに机の上にあるファイルをめくって確認している。


「あ、無くなってます」


「うわ…ふつーに盗難方向で考えても良いんじゃないかって気がしてきたわよ」


「そうだな。むつ、どうする?」


「どうするっても…むつは探偵じゃないし?元凄腕刑事さんはどうする?」


「凄腕じゃねぇよ…そうだな。どうする事も出来ないな。近くの骨董屋とかには警察がすでに行ってるはずだからな」


「でも、曰く付きなのを知ってたら普通の所には持っていかない気がするよ」


「だろうな。個人的に持っていたいだけなら、それはそれで構わない気もするけどな」


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