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ひとりきり
役に立たない携帯をポケットにねじ込み、祐斗は再び目の前の事に集中する事にした。
焦りを感じるものの、携帯を見れたせいか何だか少し落ち着いた気がした。
こんな時に自分の力が、火事場の馬鹿力でもいいから発揮出来ないかとも思う。だが、そんなに都合よくは出来ないのだと思うと少し笑えた。
そして、どうでも良い事に素直にむつか颯介に力の使い方なんかを聞いて練習に付き合って貰うべきだと思った。そんな事を思っていると、あれもこれもと色々な事が悔やまれてきた。
「…ふん」
祐斗は一人、苦笑いを浮かべた。
死にそうってわけでもないのに、そんなにあれこれ考えてる自分がおかしかった。
苦笑いでも何でも笑みを浮かべられたせいか、目の前の吉岡はそんなに怖くない気がしてきた。
むつと颯介の事を思い出してみると、確実に今日の事は怒られるんだろうなと思った。こっぴどく怒られるんだとしたら、ある程度何か出来る事をしておかないといけない気がした。




