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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

空箱が祐斗の足元に積み上がっていく。確認してみれば、ほとんどが空になっている。むつは祐斗が確認している間に、腕を組んでじっと箱を見ている。


「…盗難出す?まさかの遺体盗難騒ぎのあとにうちが、がちの盗難に合うとは」


「一応出しておくか。湯野ちゃん頼む」


颯介が倉庫から出ていくと、むつと山上は顔を見合わせた。祐斗が確認を全て終えるのを待ちながら、ぐるっと倉庫の中を見た。


「…どう思う?」


「何とも言えないけど、がらくたを持ち出す意味はないと思うのよね。物好きならまだしも…」


「そうだな。一応は本物なんだろ全部」


「全部本物。だけど、ここに来てからはみんな大人しいよ?特に何かするでもなく…たまぁに思い出したように騒ぐけど、仲間内で騒いでる程度?」


「…そうなのか?」


「うん。夜、残業で居たりすると騒いでる。でも近所迷惑になるわけじゃないし、あたしも気にならないから」


そんな事はつゆとも知らなかったし、むつがあっけらかんとしている様子の両方に山上は驚いていた。怪異を専門としているよろず屋だから、その程度の事で慌てていては勤まらないのかもしれないが、夜にそんな事があれば誰であっても怖くはなるはずだ。だが、むつは全然気にもしていない。


「…社長、むっちゃん。警察の方、すぐに来てくれるそうです」


「そっか。祐斗終った?」


「はい。無くなってるやつの所には付箋貼っておきました」


「わ、ありがとう‼分かりやすいわ」


ぱっと笑みを浮かべてむつは礼を言ったが、無くなっている物が多くうわっとすぐに顔を曇らせた。

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