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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

コンビニで飲み物を買い、むつは祐斗に買い物袋を押し付けた。祐斗は一緒に飲み物を買って貰ったからか、当然のようにそれを持ってぶらぶらと一緒に事務所に向かっていく。


「むつさん?」


横断歩道で信号が変わるのを待つ間、祐斗が改まったようにむつの名前を読んだ。むつは何かと思い、祐斗の方をきちんと見た。


「ん?」


「アルバム、作ってくれてありがとうございます。しかも、前の写真も沢山あって…あれ、本当に嬉しかったです」


「…どういたしまして。クリスマスプレゼント用意してないし、ほら去年みたくクリスマスに忘年会もなかったでしょ?あたしのせいで仕事だったから、だからせめてね、1年の思い出をと」


「すっごく嬉しいですよ。アルバム貰ったのなんて初めてで…でも、こう…あれですね。仕事柄なのか、色々写り込んでるのが多くって…」


「それは仕方ないわよ。あたしらのはがちだよ?ある意味、価値があるわよ」


くすくすとむつは笑っている。祐斗の言う、色々と写り込んでる物というのは、そこら辺にいる浮遊霊の事だ。祐斗は霊感が強く、気付いて欲しいと寄ってくる霊が多い。それらが、ばっちりと写真に写っている。普通なら怖がる物だが、むつはそれが当たり前かのように写り込んでる写真も沢山、アルバムにはっていた。


「…喜ぶのは篠田さんくらいですよ」


「だろうねぇ。ちゃんと、篠田さんにも送るよ?こさめが泊まりに来てた時の写真とかあるからね。夏に仕事で初めて会った時のなんてもう…はしゃいじゃうくらい写り込んでたわよ」


むつも祐斗も仕事で知り合った篠田が、どれだけ心霊系が好きなのかを知っているがだけに、顔を見合わせてくすくすと笑った。


「後は誰に渡すんですか?」


「篠田さんでしょ?遥和さんに夕雨さん、勲衛門さん。菜々と先輩としろーちゃんかな」


「結構な大人数ですね」


「作りがいがあったわよ…」


「…本当、ありがとうございます」

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