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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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むかっていく

髪の毛を乾かし、軽く化粧をすると、むつはジーパンに長袖のTシャツを着た。仕事に行くにしては、ラフすぎるかもしれないが、今日は大掃除だけだ。動きやすく、汚れてもいい服装でないといけない。ショルダーバッグにタオルと化粧ポーチ、財布と携帯を入れた。


まだ少し時間に余裕はあり、すっかり冷めてしまったコーヒーを飲みながら、そっと鍋の蓋を開けた。甘い香りがしていて、それだけで食欲をそそる。そんな香りだった。軽く鍋を揺すって、中身を混ぜるようにしてから、蓋を閉めた。冷めていきながら、ゆっくり味が染み込むのを待つだけだ。


出る前にと、タバコを1本だけ吸った。そして、風を通さないジャンパーを着るとマスクとマフラーをしてキーケースと手袋を持つと、戸締まりと火の元を確認してから家を出た。


冷たい風が吹いている中、むつは駐車場に行き止めてあるバイクにまたがった。冬場は寒いから、あまりバイクに乗りたいとは思えないが、今日はバイクにと決めていた。遅刻というわけでもないし、いつも通り電車でじゅうぶんなのだが、今日は、とむつの中では諸々の予定が組み立てられている。その予定を立てた通りに進めるには、バイクが必要不可欠なのだ。エンジンをかけて、ゆっくり走らせてマンションの敷地から出ると、ヘルメットをようやくかぶった。


寒さにぶるっと身体を震わせて、熱が振り返さない事を祈りながら、むつは職場であるよろず屋へと向かってバイクを走らせた。

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