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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

「…分かった。お前もご主人に会えないから寂しくてストレス溜まってたんだね?あたしの知ってる猫又もね、ご主人の事が大好きなんだよ?いっつもノロケを聞かされて…猫は意外と忠実?うーん…」


何か考えているようだが、考えがまとまらないようで、むつは再びごろんっと寝転んだ。今度は晃の太股の上に頭を置いている。


「好きな人には会いたいよね…一緒に過ごしたくなるもんねぇ」


分かる、分かると言って、むつは独り言のように猫に話し掛けている。熱でいよいよ、おかしくなってきたのかと晃が心配をしている。


「あーそうだ、猫又か…猫…あ、火車もね…猫が100年生きてなった妖って言われてるんだよ?たぶん…えーっと、で?何だっけ?あ、そうそう…だから、火車の正体は猫又なんじゃないかって言われてて…猫は昔から、魔性とされてるもんね。魔除けには白猫?船の守りは雄の三毛猫…そう言えば、貰われてった三毛猫が、自力で帰ってきた話しも聞いたなぁ…凄いよね。帰省本能?道が分からなくても、何ヵ月かかっても諦めずに帰ってきて…賢いよね…君はどう思う?同じ猫として」


「むつ?猫は答えないと思うぞ?」


晃は足の上にあるむつの頭を撫でながら、子供に言い聞かせるようにして優しく言っている。すると、むつはむっとした表情で、晃を見た。


「いやいや…この子は答えてくれるから。だってちょっと猫又になりかけてるもん…ねぇ、むつとお話しよ?そう言えば、喧嘩してたくせに、同じ部屋に居ても大丈夫なんだ?もう仲良し?喧嘩する程、仲が良いの?」


相変わらず、むつは猫に向かって話し掛けている。だが、猫は答えない。


「…ん?ちょっと待て。むつ、その猫は猫又になりかかってるのか?」


「だってほら、尻尾が2つになってきてる。猫又の又は2つになってる意味と…あと猿が何か…こう…忘れた。んーっ何でこうもよく忘れるんだろ?考えもまとまらないし」


むつが唸っていると、救急箱を持って戻ってきた新士は首を傾げている。晃は手当てはいいから、体温計を貸してくれと頼んでいる。新士は理由も聞かずに体温計を出し、晃に渡した。晃は、ぶつぶつと言っているむつの片腕を上げさせて、脇の下に体温計を入れて、腕を下げさせて、そのまま動かないように押さえた。



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