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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

「…仲睦まじい所を邪魔して悪いが」


低い声に西原が、びくっと肩を震わせて振り向いた。むつもおっというように、振り向いている。そして、くすくすと笑った。


「仲裁は片付きましたかね、警視正殿」


「…すげぇ引っ掛かれた。俺は一生、猫だけは飼わないと誓ったぞ」


仏頂面の晃がどすどすと入ってきて、西原を突き飛ばしてむつの隣に座った。それを見て、むつは声をあげて笑っている。


「他の猫がお寺の方に居たなんてね」


「本当だよ。お前が出てった後に天野さんが、お茶を入れてきますねって出ようとしたら猫も出てってさ…大喧嘩」


「で、その猫たちは?」


「ここだ」


げんなりとしたような山上の声が聞こえ、むつは振り向いた。猫を2匹、片方ずつにぶら下げるようにして持っている。1匹は天野宅の黒猫でもう1匹が寺で預かっていた猫だろうか、茶トラ柄の猫だった。


「社長は猫の扱いがうまいの?2匹とも大人しく抱っこされてるわね…さすがは、よろず屋の隠し玉ってやつ?」


からかうようにむつが言うと、山上は茶トラ柄の猫をむつの顔に押し付けた。ずっと、寺の中に居たのだろう。線香の臭いが、染み付いてしまっているようだ。

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