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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

縁側から中に戻った3人は、服をぱたっと叩いて雨粒を落とした。むつは寒そうに、かちかちと歯を鳴らしている。


「ペンライトありがとうな。先に部屋に戻ってろ。何か温かい物持ってってやるから」


新士はペンライトをむつに返してサンダルを持って、先に居なくなった。むつは頷いて、からからと窓を閉めて鍵をかけた。障子を閉める前に、むつは墓場の方に目を向けた。


「雨か…余計に視界が悪くなるわね」


独り言のように呟いたむつは、障子を閉めて西原からペンライトを受け取ってポケットにしまった。2本のペンライトをポケットの中で、かちゃかちゃと鳴らしながらむつは山上と晃の待つ部屋に向かっていく。


「…戻りましたぁ…って、ご住職は?」


「怖がってるから自宅に戻って貰った。猫又かもって、猫も連れてきて貰ったろ?そしたら、猫は連れて行きたくないって…可哀想になぁ」


山上は猫を膝に乗せたまま、撫でている。猫の方は、すっかり山上になついているようだった。


「…そう」


仕方ないか、とむつは呟いて山上の隣に座って、一緒になって猫を撫でている。


「で、どうだった?」


「収穫なし。雨降ってきた…雷雨になるかは、分からないけどね」


「そうか…寒かっただろ?」


「…うん」


むつはパーカーを脱いで、畳の上に置いてある晃のコートを肩にかけた。くしゃみをして、鼻をすすったむつは、ぶるぶるっと身体を震わせている。


「…風邪ひきそうだな」


「つーか、社長…仕事で来てるんだから一緒に外に出てよ。何してんのさ」


「俺はほら…よろず屋きっての隠し玉だからな。易々とは外に出れねぇな」


「寒いだけでしょ?」


ばかっと呟いたむつは、盛大なくしゃみをすると山上のコートをひったくって膝にかけた。

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