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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

むつと新士が並んで歩いてる後ろを、仏頂面した西原が少し距離を開けて歩いている。気まずいと言ってたわりに、仲良さそうなのも、新士は元彼だからかやけに馴れ馴れしいのも西原にとっては気に入らない部分だった。


「…雨降るのかしら?」


「さぁ?予報はそうなってたけどな…」


墓場の中央くらいに来ただろうか。立ち止まったむつは、空を見上げた。まだ晴れていて、雲は1つもなく星が輝いている。きょろっと墓場を見渡したむつは、後ろにいる西原の所で視線を止めた。そして、新士の側を離れた。


「ね、足跡みたいなのなかったよね?あたしの見落としかな?砂利の所と土の所があるから、見付からないのも仕方ないか」


「あ…いや、俺も気付かなかったな」


新士が横に居る時は、明らかに避けるようにして距離を取っていたむつだが、西原の側ではそんなあからさまな事はしていない。


「お墓だからかな…変に重たい雰囲気だわ。祐斗は置いてきて正解って感じするわね」


「そうだな…祐斗君は色々と視えちゃうもんな。今回は霊とかは関係ないだろうから、祐斗君いたら無駄に疲れそうだよな」


「かもね。無駄にげっそりしそう…ちなみに、先輩はどう?何か感じるとか。ま、現職の…として」


刑事として、遺体の盗難未遂をどう見てるかと聞かれているようだ。西原は首を傾げた。


「正直な所…自分の目で、その何かとやらを見ない事には信じられないな。足跡も何もないわけだし」


「ですよね。良かった」


何が良かったのか分からないが、むつが寒そうに身体を震わせて、真っ白な息を吐いた。


「夜は視界が悪くて敵わないや…寒いし」


「…そうだな。ペンライト2本じゃ照らせる範囲も限られてるし。何かあっても見落としてそうだな」


「うん…さくっと1周して戻ろっか。しんちゃん、さくっと墓場を1番外側を回るから案内して」


そう言って、しっしっと手を振ってむつは新士に先に行けと促している。


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