表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
871/1310

たいみんぐ

ばたばたと戻ってきた新士は、庭にサンダルを置いた。山上と西原の分もちゃんと持ってきてくれていた。


「あ、すみません…お借りします」


西原は何となく不服そうな感じだったが、サンダルをはいて庭に下りた。そして、むつの足元にサンダルを持っていってやった。


「ありがと…しんちゃんも、ありがと。で、猫人間はどっちに向かってったの?」


「墓場の方に行った。俺はご遺体抱えてたし、親父は見に行きたくないって言うから…ご遺体を戻してから見に行ったけど何も居なかった」


「…よく行ったわね」


「墓場っても庭ん中みたいな物だからな」


「子供の頃からあれば当たり前か」


むつはペンライトで墓場の方を照らして、ちょっと嫌そうな顔をして山上と西原の方を向いた。仕事とは言えど、山上も行きたくないという顔をしている。西原も同じ様な物だ。


「墓場の方に行く?行くなら一緒に行くよ?」


「そうね…慣れてる人にも来て貰おうかな」


新士はサンダルをはいて、むつの方に手を差し出した。むつがペンライトを渡すと、違うと笑っている。


「何が違うのよ?明かりいるでしょ?」


「あった方が有り難い。でも、そうじゃなくて、手繋いでやるって。夜の墓場怖いんだろ?」


「…はっ、いらないわよ」


「またまた強がっちゃって」


むつはパーカーのポケットに手を突っ込んで、先に歩き出した。ひょうひょうとした態度の新士が、むつの足元を照らしながら後に続くと、むっとした表情の西原も追い掛けていく。


「…西原、これ持ってけ。俺は晃の所に戻ってるからな。むつを頼んだぞ」


ペンライトを投げ渡され、西原は頷いた。珍しくも不機嫌さを露にしている西原を見て、山上は肩をすくめただけで、寒い寒いと晃と住職を居る部屋に戻って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ