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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

かつかつかつっと足尾とを響かせて足早に戻ってきた晃は、少し険しい表情をさせていた。それを見て、何故だかむつが微笑んでいる。


「何だ?笑ってる場合じゃないぞ?」


「うん。お兄ちゃんもお仕事モードの顔だって思って。かっこいーなーって」


にこにこしながらむつが言うと、晃は眉間にシワを寄せたが、呆れたように笑っただけだった。


「出たのは23時頃の話だそうだ。すぐに向かって話を聞かないと…対応策が練れなくなる。行くぞ」


西原の腕を掴んで時間を確認したむつは、焦る様子もない。晃が、伝票を掴んでレジに向かっていくと、山上と西原が出すからと晃を追い掛けていく。だが、面倒だからと晃がまとめて支払うと、むつはご馳走さまと言って晃の手から車の鍵を引ったくるようにして先に出ていった。


「お、おい…西原君、むつ運転する気だ。止めさせてくれ」


「は、はいっ。むつ、待てって」


ばたばたと西原が駆けていくと、立ち止まりはしなくてもむつは、一応呼ばれたからといった感じで振り向いた。


「むつに運転させたくないのか?」


「そこそこ荒くないですか?」


「そうか?運転は上手いだろ。篠田はむつとドライブして死ぬかと思ったし酔ったらしいけどな」


「…ほら」


支払いを終えて店を出ると、店先にむつが車を回していた。だが、晃が運転席を開けると、むつは大人しく後部座席に移った。


「あたしだって運転出来るんだからね‼」


吐き捨てるように言い、ぼすんっと座ったむつは、少しだけむっとした様子で足を組んでいた。西原が隣に乗り込んで、まぁまぁとなだめている。

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