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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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たいみんぐ

「買い物してきたの片付けるから、ちょっと待ってて」


むつは手にしている細長い棒のような物をクッションの上に置いて、すたすたとキッチンに入っていく。そして、瓶に入っている物などを戸棚にしまっていく。


「むつ最強だよな。そこそこの地位があるはずの晃を黙らせるんだから…」


「警視正にも弱い物はあるんですね」


「晃はな、むつを怒らせたり、嫌われたりするのが1番嫌なんだよな?」


くっくっくっと山上が笑うと、晃は盛大に溜め息をついた。言い返さないのは、山上の言っている事が、本当の事だからだ。


キッチンの片付けを終えたのか、むつは菓子の袋を集めてゴミ箱に捨てた。そして、少し迷ったすえに晃の隣に座った。


「どうした?」


「天野さんの所のご長男…新士さんよね?」


「確か、そうだったな。最近、仕事辞めて本格的に継ぐ決心をしたらしいぞ。葬儀とかでも長男が執り行ったりしてるって…」


「そう。天野さんのお父さんと新士さんが、そのご遺体を盗もうとしたのを見たんなら、2人から話を聞かないと…よね?」


「まぁそうだな。それがどうした?」


「…何でもない」


むつはテーブルに置いてあった晃のタバコを掴んで1本取り出すと、火をつけて煙を吐き出した。


「それより…社長とお兄ちゃんご飯は?」


「いや、まだだ…行きながら軽くどっかで食べていこうか?むつは…お腹の方どうだ?」


「うーん…焼き芋と最中とどら焼き半分食べてるから…そんなにって感じ」


「焼き芋っても3口くらいだろ?食事は食事でしないといけないだろ?」


西原が言うと、むつはうーんと唸った。


「ほら見ろ?LLサイズの芋買うから…」


「おっきい方が美味しいって、おじさん言ったもん。先輩が買ってくれたくせに」


「…確かにな」


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