表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
835/1310

そんなひも

「お前…木に登って何してんだよ」


「あーまぁ色々と…」


くすくすと西原は笑いながら、1枚1枚写真を見ている。奥村が撮ったむつは、どれもいきいきとしていている。楽しそうであったり、真剣な表情を見せていたりと、ころころ変わる表情がしっかりととらえられている。


「…で、先輩こそ、何してるの?」


「ん?あぁ…待ってた。むつが帰って来るのを」


「………?」


「ほら、昨日はすっぽかされたろ?」


「あ、はい…ごめんなさい。怒ってるんじゃないの?返事なかったし…」


「怒ってるってより…残念だなって思ってる。約束も忘れてたんだろ?」


「…ごめんなさい」


本当の事で言い訳する事も出来ずに、むつは謝る以外に出来る事がなかった。申し訳なさそうに、むつがうつ向くと西原に少しだけむつに寄り掛かった。急に重みを感じで、むつは驚いたのか、机に手をついていた。


「そんなに重くないだろ?本気で寄り掛かったわけじゃないんだから」


「びっくりしたのよ」


耳元で西原の笑いを含んだ悪戯っ子のような声がして、むつは少し頬を赤くしていた。


「ちょっとは怒ってるよ?だからさ…俺の言うこと聞いてくれるか?」


「…出来る範囲内で」


「うん。じゃあ、これ頂戴」


西原は何枚か写真を選んで机に置いた。片手でカメラを構えて上を向いている写真と、枝にまたがってカメラを構えているむつの写真だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ