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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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そんなひも

誰かが起きたんだなと思ったむつは、椅子に座ったまま振り返った。毛布を畳ながら、足音を立てないようにやってきたのは西原だった。


「…起こしちゃった?」


小さな声でたずねると、西原はゆるゆると首を振った。ジャケットの胸ポケットからは、眼鏡が覗いている。


「いや…おかえり」


「ん、ただいま」


「何、見てるんだ?写真か?」


「うん…奥村さんっていう写真屋さんにね、古いけどってカメラ貰っちゃってさ。それで、少し撮影に…」


むつは持っていた写真を西原に渡しながら、少し尻をずらして椅子のスペースを空けた。半分ずつくらいしか尻が乗せられないが、気にする事なく西原はほんのりと笑みを浮かべて座った。


「ふぅん…楽しそうだな。でも、これってむつが撮ったのじゃないよな?」


ぴらっと見せられた写真には、上を向くようにして片手でカメラを構えているむつの姿が写っている。


「えっ…あ…うん。奥村さんが撮ったんだ…全然気付かなかったや」


「気付かなかったから良いんじゃないか?素の感じがして…むつらしいな」


アップで写っている写真もあり、むつの表情はいきいきとしていて楽しそうに笑みを浮かべているものだった。


「…結構、あたしが写ってる」


むつは西原の手元の写真を一緒に見ながら、恥ずかしそうに溜め息をついた。


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