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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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そんなひも

やがて、えびすと毘沙門天が勢いよく頭を下げた。ついに告白をしたのかと、むつは自分の事のようにドキドキしていた。告白をして頭を下げるなど、今時の漫画やドラマでもないよ、とむつは思ってしまったが、潔さが感じられて好感を持てた。


えびすと毘沙門天が頭を下げたまま動かないでいると、女性はついっと2人から視線を外した。そして、どう出るのかと思うと池につけていた足を高々と持ち上げた。ばしゃっと水が勢いよく2人の頭にかかり、びっしょりと濡らした。その行動からして、玉砕なんだろうなと思い、むつは溜め息をついた。


2人が顔をあげると女性は何かを言った。切れ長の目は細められているが、睨んでいるとかではなく優しげに微笑んでいるのだ。


話が終わったのか、えびすも毘沙門天もくったりとした様子でベンチに座り込んだ。女性はくすくすと笑っている。和やかな雰囲気のようで、成るようになったようだ。


どういう事になったのか話が聞きたくて、うずうずしているむつは、それでもしっかりとカメラを構え続けている。


和やかな雰囲気の中、女性が顔を上げた。レンズ越しに目が合った気がしたむつは、やばいかもと思った。女性がにんまりと笑って、手招きをしている。完全にバレてるんだと観念したむつは、その女性のにんまりとした笑顔をカメラにおさめてか、木から下りた。


カメラを持ったまま、むつは3人の元に駆け寄っていった。きっと怒られるんだろうなと思ったが、意外と女性は優しげな表情を見せている。


「あ、あの…弁財天様、ですよね?」


「えぇ、えびすがお世話になったみたいね」


母親みたいな人だなとむつは思った。


「いや、全然…そんな事は…あの、あの…」


「どうなったか、って?」





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