そんなひも
「毘沙門天に言う。私も弁財天の事が好きなのだと。そして、弁財天に気持ちを伝える」
「そうね。それが1番良いわよ。今年の事は今年のうちに。どんな結果になったとしても年が明ければ、気持ちも新たにまた進めるわ」
関係がこじれる事を前提に、奥村は言った。
「自分の決めた事は通さないとね。そうしようって決めた気持ちを大事にしないといけないわ」
「うむ、おっちゃんの言う通りだ。伝えに行く!!だが…私1人じゃ勇気が出ない」
「一緒に行ってあげるわよ。でも、影から見守るだけよ?」
そう言って、奥村はむつが使っているパソコンを確認した。もうすぐで、むつの方の印刷は終わる。
「むつちゃんの印刷が終わったら行こうかしらね。あたしの方のは…つまらないようにだけしておいたら良いし」
奥村は印刷の準備をすると、いそいそとカメラの準備も始めた。何をするつもりなのかと、むつとえびすは首を傾げていた。
「写真におさめてあげるわね。友情と恋って青春の1ページには、もってこいだわ‼」
うきうきと楽しそうな奥村を見て、むつはこっそりと溜め息をついたが、確かに人の恋路は少し気になる。それも、友達と同じ人を好きになり、友情と恋との間で悩んでいるのだから尚更。
「老いも若きも友情と恋には悩むのよね。ささっ、えびすさんは毘沙門天さんを呼び出しなさい。場所は…そうねぇ…」
写真を撮るとなると、やはり背景となる場所の選択も重要だ。友情のやり取りなら、公園かなぁ神社かなぁと悩んでいる。むつはちゅうちゅうとココアを飲みながら、ほんの少しだけ落ち着かない気持ちになっていた。




