表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
811/1310

そんなひも

「むつちゃんも好きな人居るんだ?」


えびすが確認するかのように聞くと、むつはくるっと振り向いた。組んだ足を色鉛筆で、ぺちぺち叩きながら首を傾げた。


「微妙。好きかどうかはっきりしないもん」


「でも、独占したいと?」


「独占したい、まではいかないかな。うーん…分かんない。むつは今は寂しい病だから」


「なぁによそれ」


「ちょっと前までさ、幼馴染みと友達がうちに泊まってたんだけど…2人とも帰っちゃったわけ。そうすると、家に帰ったら…当たり前だけど1人でしょ?何か寂しくって…」


「あーあんたそれ、危ないわよ。言い寄ってきたヤツが居たとしても、ほいほい付いて行っちゃダメよ?後悔したり自分が傷つくやつだわ」


「分かってるって」


再び、はぁと深々と溜め息をついたむつはタバコに火をつけた。そして、また机の方を向いて、ぐりぐりと色鉛筆を動かし始めた。


「むつちゃんはともかく…えびすさんよねぇ…ね、えびすさん、やっぱり毘沙門天さんに話してみたら?それで、2人揃って弁財天さんに気持ちを伝えるべきよ。ずーっと気持ちを温めてても、何もしないなら枯れていくわよ?」


「枯れていく?」


「そうよぉ。だって、毘沙門天さんが告白して弁財天さんと付き合うってなったら、えびすさんの気持ちは?行き場がないのよ?」


「…しない後悔よりした後悔。するかしないか迷うならする。はっきりしてる気持ちなら、行動はした方がいい」


「むつちゃんの言う通りよ?ちょっと向き合ってごらん?えびすさんの素直な気持ち、あるでしょ?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ