そんなひも
携帯を気にしているむつに気付いた祐斗は、颯介と山上の方を見た。2人共むつの、微かすぎる表情の変化に気付いていた。
「…で、むつ写真いつ出来上がるんだ?」
「…欲しいの?」
「折角だしな。携帯で撮ったのでも、最近のは綺麗なんだろ?焼き増ししてくれ」
「あ、じゃあ俺も」
「俺の分もお願いしまーす」
3人が言うと、むつは少し面倒くさそうな顔をしたが、笑みを浮かべて仕方ないなぁと言い頷いた。
「今日の夕方までには出来るかな」
「お、じゃあ帰りまでに頼むな。それが今日のお前の仕事。どうせ今年はもう依頼もないだろ?」
「うん…今年はもう無いね。あとは大掃除して、仕事納めになるんじゃないかな」
颯介と祐斗の後ろにあるホワイトボードには、何も書かれてはいない。むつも颯介も祐斗も、あとは大掃除をして仕事納めを迎えるだけだった。
「あ、でも颯介さんも祐斗も報告書は今年中にお願いしますよ。特に経費のやつとか」
「あ、はい」
むつは今、抱えている仕事がないのは、祐斗の報告書が出来上がってないからという事もある。祐斗は自分が早く仕事を片付けねば、むつも仕事を片付けられないのだと気付くと、いそいそとパソコンに向かった。
3人がそれぞれパソコンに向かって作業をしていると、山上は再び新聞を読み始めた。だが、実際には読んではおらず携帯をいじっている。誰に宛てた物なのか、メッセージを作成して送ると、サイレントマナーモードにした携帯を机に置いた。




